宮本輝のレビュー一覧

  • 夢見通りの人々

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    大阪のとある商店街。
    場末の感じのする所でも、人情味豊かです。
    里見さんの視点だけでなく、住んでる皆さんの悲喜交々が手に取るようにわかる内容。住んでるみんなの心が伝わります。
    宮本輝さんの優しい、心地よい表現方法。じんわり。

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    2025年08月21日
  • 潮音 第四巻

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    宮本輝の初の長編時代小説。
    富山の薬種業と琉球を通じた薩摩藩の清国との密貿易の知られざる関係を明治維新の動乱を背景に描く大河小説。
    内容は面白かったが、無駄な語りや情報が多く、読むのに疲れた。

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    2025年08月11日
  • 幻の光

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    「幻の光」は1979年に単行本、1983年に文庫化された短篇集で、表題作ほか3編収録

    久しぶりの宮本輝さん
    未読タイトルとの出会いという新潮文庫のフェアに見事にハマった一作

    「幻の光」
    能登の漁村を舞台に、夫を突然の自殺で喪い、
    悲しみと息子を連れて再婚した女性が過去と向き合いながら新しい生活に向き合っていく姿
    “愛する男を失った女の美しすぎるため息”
    (こんなコピーがついていたらしい)
    秘めていた本心を打ち明け 次の幸せへと向かう

    「夜桜」
    一度の浮気を許せず、離婚した女
    若くして息子を失い、新婚夫婦と知り合ったことで、人生の選択の是非を問う

    「こうもり」
    泥の河と似た色合い

    「寝

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    2025年08月03日
  • 幻の光

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    しおり欲しさに、新潮文庫の100冊に選ばれている「幻の光」を読んでみました。
    「錦繍」とはまた違った切なさが心に残る一冊です。

    ある日突然、自ら命を絶った夫。
    原因もわからず、残されたのは妻と子どもだけ。
    夫の死から三年が経っても、妻はその理由を模索し続けます。
    あれこれと思い返してみても、はっきりとした答えは見つかりません。
    なぜなら、答えを知っているのは、もうこの世にいない本人だけだからです。

    人は、中途半端で終わったことが、ずっと心に残る生き物だと思うのです。
    たとえば、仕事でも何でも、完結していないことって、頭の片隅に残って、ふとした時に思い出してしまうじゃないですか。
    人の死もそ

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    2025年07月24日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    熊吾は、愛人をヤクザから身請けするために、会社の金や色んな人に借金をする。更に、またしても従業員に金を使いこまれて、会社が窮地に立ってしまう。何度も同じ事を繰り返す、熊吾のバカさ加減にどっと疲れが出る。妻の房江がかわいそうでならない。
    この部は、あまり動きがなくダラダラ続いた感じだった。もう惰性で読んでる感じになって来ているけど、何とか七部まで読んできたので、あと二部は読むしかない感じの気持ちになっている。

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    2025年07月17日
  • 潮音 第三巻

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    禁門の変の後、幕府は長州残兵隊を追って捕縛、惨殺を続け、次第に市民の感情は長州への同情、幕府への反感に移っていく。
    長州征伐に加われと命じられた各藩も本音は迷惑、水戸の天狗党の乱で350人の尊王攘夷派の浪士が斬首され、「幕府のやり方はあまりにひどい。降伏している者を」との声が上がり、幕府の威光は地に落ちていく。
    そんな中で、大政奉還という「:慶喜の大博打」が打ち出され、西大小(西郷、大久保、小松)が動き出す。
    慶応4年1月3日、鳥羽伏見の戦いが始まる。
    新政府が樹立される中、弥一は新しいカンパニーの設立を目指す。
    越中富山の薬売りと、薩摩藩との切っても切れない結びつきをベースに主人公弥一の言動

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    2025年07月02日
  • 避暑地の猫

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    ネタバレ

    久しぶりの宮本輝作品。

    軽井沢の別荘番の息子、修平の口から語られる、家主の布施金次郎と、修平の両親、姉との歪んだ関係、その結果ともいえる凄惨な事件。
    貧富の差もあるが、人間の歪んだ感情、狂気が救いのない深さで描かれている。
    ひたすら重かった。。

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    2025年06月07日
  • 新装版 命の器

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    命の器、というタイトルから、真面目なエッセイだと思っていたが、そうでもなかった。


    色々な雑誌に掲載されたエッセイなので、
    シリアスなのあり、軽いものありで
    バラエティに富んでいる。


    特に前半のエッセイはら読みやすく、かつ
    なるほど…とら思うことも。


    著者のエッセイ第二弾

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    2025年05月28日
  • 夢見通りの人々

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    タイトルから判断して、人情あふれる商店街の人たちの心温まる短編集なのだろうと予想していたが、中身は全く違っていた。
    夢見通りとは名ばかりで「その名称にそぐわない人間たちばかり」の黒い人間模様が展開される。

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    2025年05月19日
  • 螢川・泥の河

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    泥の河は昭和30年の大阪、蛍川は昭和37年の富山が舞台。
    高度経済成長が始まる直前の時代背景。生まれた頃なので記憶にはないが、なんとなく懐かしい雰囲気がする。

    普通なら純文学系は手に取らないのだけど、たまにはこういうのもいいか。

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    2025年05月09日
  • 三十光年の星たち(下)

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    この作家は何気ない日常生活をうまく物語にする(例:流転の海)ちょっと終わり方に感動がなかったのが残念

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    2025年05月05日
  • 潮音 第三巻

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    明治維新の詳細が把握でき良かった
    潮音第四巻、潮音の題名の由来等がわかるのかな
    時代のどこで終結するのだろうか

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    2025年04月16日
  • 灯台からの響き

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    大分前に購入した本。そして大分前に読んだので色々うろ覚え…
    奥さん、随分と秘密主義だな、という感想。彼女にとっては黒歴史だったということなのだろうか。でもそれだったら反対に葉書なんてもらっても嬉しくなかったかもしれない。

    読んでいて、灯台巡りをしてみたくなりました。灯台のある景色というのも風情があって憧れるな。

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    2025年04月10日
  • 螢川・泥の河

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    戦後の貧しかった日本の描写が、少し気持ちを暗くさせる。考えさせられることは多い良書。読むタイミングが大切。

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    2025年02月16日
  • 夢見通りの人々

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     夢見通り商店街に住む一癖も二癖もある人々の悲喜こもごもの物語を集めたオムニバス形式の短編集です。

     夢見通りは戦後の闇市から発展した商店街。そこに暮らす住人はよく言えば人間味がある、悪く言えば癖が強い、腹に一物どころではない物を抱えた人ばかり。オムニバス形式で少しずつ進んでいく物語は、話によって主人公が変わるものの、ちょくちょく里美という男性が登場する。お人好しで、巻き込まれ体質の独身会社員。周りの住民たちに振り回されつつ、今日も彼は彼ら彼女らと世知辛く生き辛い世の中を泳いでいる。

     今作を手に取ったのは、この著者宮本輝さんの文章が読みたくなったためです。この方の文章は独特の魅力があるよ

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    2025年02月04日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    ドナウ河に沿って旅を続ける
    街並みや人との出会い
    どれも旅先ならではの出来事
    日常であり非日常



    途中まではとても好きだった

    最後の
    結末の部分は別のかたちがよかった

    個人的な意見ではあるが

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    2025年01月30日
  • よき時を思う

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    ハードルが上がりすぎてたかな…。

    灯台からの響きが良かったので、その期待度のままオススメされたこちらを読んでみた。

    ちょっと文章が読みにくくなった?

    灯台からの響きに比べると、1シーンに登場する人物が多いせいなのかもしれないが、ワンセンテンスの中に複数の人物描写が詰め込まれるケースが多い気がして、認知負荷が高いなぁ…と思いながら読んだ。

    そして、形見分け的に孫へと譲る、徳子おばあちゃんの大事にしているモノや、晩餐会に出てくる料理やワインを格調高く描写するところは、勉強にはなるけど、ちょっとクドいな、と思ったりした。まあこれは上流に触れる人たちに対するルサンチマン的感情なのかもしれない。

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    2025年01月26日
  • 灯台からの響き

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    亡き妻の隠された謎を求めて、残された夫が燈台を巡る旅へ。
    謎と言っても男女の絡れとかそうではなく、優しく心温まる物語でした。
    主要な登場人物は皆良い人で雄弁で悪い人がいない。
    そこは作者のカラーなのかなあ。

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    2025年01月15日
  • 螢川・泥の河

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    風景描写がそのまま登場人物の心情を表す、お手本みたいだ。螢川の描写は特に美しい

    蛍の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞い上がっていた。

    土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。
    北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。

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    2025年01月15日
  • 螢川・泥の河

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    感想
    筆者の作品は似たような設定が多いから、前も読んだようなってなってしまうな。大阪、戦後、のぶちゃん、ポンポン船、きんつば、板金、遅くにできた子供など。


    あらすじ
    泥の河
    戦後、大阪の安治川沿のうどん屋の倅の信雄は小学2年生。ある日、ポンポン船に住む喜一と銀子と出会う。喜一の母親は、ポンポン船でパンパンをして生計を立てていた。

    蛍川
    新潟に住む竜夫は中学生。父親の重竜が病気で余命いくばくもない。そんな中、英子という気になる女の子との関係、友達の関根の死、父親の死など思春期に様々なことを思う。

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    2025年01月12日