宮本輝のレビュー一覧

  • 海岸列車(上)

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    最初は珍しく話に入り込みにくかったが、読み進めるにつれ、グングン引きこまれるところは、さすが。流石と書いて、さすが。

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    2009年10月04日
  • 新装版 命の器

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    「君の友人を示せ。そうすれば、君の人格を当ててみよう」という内容の言葉を言ったのは、古代ギリシャ時代の賢人だったと思う(名前は忘れてしまったけど)。うわべはそう見えなくても、自分という人間を徹底的に調べてみれば、そうなっていることに気付くはずだ、とか。

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    2009年10月04日
  • 新装版 二十歳の火影

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    中高生の頃に国語・現代文の問題で読んだことのある話がチラホラ。。
    親は選べないけど友達は選べるんだよなーとか思ったり。こういうこと書ける中年になりたいです。

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    2009年10月04日
  • 五千回の生死

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    タイトルに惹かれて読むと、予想外にも九つの物語の短編集でした。

    「力」「五千回の生死」とっても良いです。どの短編も流石の輝さん、読み応えが十分ありました。

    悔しいのは最後の3つの作品がよくわからなかったこと。まだまだ人生経験足りないってことですね。

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    2009年10月04日
  • ここに地終わり 海始まる(下)

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    早い人なら1日で読んじゃうかもしれないような量だったかな。
    毎度芸がない感想だけどとても面白かった。(^_^;)

    18年間結核で療養生活をしていた志穂子。治らないと思っていた病魔に奇跡が起こったのはたった一枚の絵葉書だった。
    退院した24歳の志穂子が、真っ先にしたかった事は絵葉書を出した主に会うこと・・・

    志穂子という主人公の心がとても綺麗で、実生活という中では子供と同じなのに、病院という小さな世界で生きてきた彼女は実はとても大人で・・・
    何だか、自分に正直でいるという事に私はすごく気持ちを惹かれました。
    志穂子の父親がまた素敵な人でねえ(〃∇〃)
    コレは若い男女のお話なんだけれど、
    行き

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    2009年10月04日
  • 血の騒ぎを聴け

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    ”最後のエッセー集”
    という衝撃的な帯がついてます。

    あたしにとって、エッセーは小説の背景を知る手段なのかもしれません。
    この小説を書いた人物は普段どんなことを考えているのか、そういう感性を垣間見たいのだと思います。

    宮本輝は、あたしの中では日本で今一番美しい文章を書くひとです。
    輝さんの文章は、今まで読んだ小説どれも美しい日本語で綴られてると思うのです。

    このエッセー集も、話題がいろいろで読み応え十分です。
    ちょっとした日常、自分の作品に対する思い。
    輝さんの素敵な人柄が濃縮されてます。

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    2009年10月04日
  • 森のなかの海(下)

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    上巻に続いての完結編。主人公のトータル面での幸せは、読者の想像でいくらでも作って行けそうであるが、全体のトーンが柔らかくて好きです。

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    2009年10月04日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    主人公世良順哉は身分を隠し社会的成功を収めた産みの母である森末美雪と再会します。
    なぜ自分を捨てたのかこだわり続ける順哉の前に、19歳の少女の飛び降り自殺から物語は始まり、その後、死んだはずの少女から自分宛に手紙が届きます。ホラー小説的です。
    「因果具時」・・・・睡蓮は、水に浮かぶ植物ですが、その根は水中のどろの中につかってます。
    蓮に込められた、そして人間の宿命にまつわる、諦めとも高潔さとも神秘性とも言い換えられる崇高さをもって、泥の中から汚れに染まらず生き抜き、花を咲かせる清々しさを、この小説によって訴えたかったのでしょうか。
    終盤近くでタイトルに睡蓮を選んだ意味に気が付き、いつもながらの

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    2009年10月04日
  • 胸の香り

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    新しい短編集です。月に浮かぶ 舟を焼く さざなみ 胸の香り しぐれ屋の歴史 深海魚を釣る 道に舞う編の7短編が収められています。それぞれの作品の言葉に深い意味が込められてます。道理とか理由で物事を片付けようとしますが、人生はそれだけで割りきれないのだというメッセージがあるように思えました。

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    2009年10月04日
  • 湾

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    うんと時間が経ったら、あの時はこうだったと思い出すことが多くなるのかも。色々な思い出があるって幸せなことだな。

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    2026年06月14日
  • 螢川・泥の河

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    泥の河の信雄は今まで呼んだ作品の中で最年少の主人公であったような気がする。
    幼い信雄が感じるよく分からないけどなんかモヤモヤするなという気持ちを描くシーンが多かったが、読み手側としても幼い頃の経験を元に信雄の気持ちを推測することができた。
    ラストの喜一に向かって「お化け鯉がいる」と叫んだのは別れの挨拶や新潟に行くことへの報告よりもお化け鯉がいることを伝えた方が喜一は顔を出すだろうと考えた末の行動だろう。

    心理描写が魅力的な泥の河と比べて蛍川では雪の降りしきる様子や蛍の群れに出会った場面など美しい風景描写が多かった。
    描写自体は少なかったが個人的には越前海岸の崖で竜重と千代が寒さに凍えながら佇

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    2026年06月11日
  • 錦繍

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    初めての書簡体小説だった.時代感が合わないなと思ったら40年前の作品だった.
    なんで手に取ったのか覚えてないけど,今でも読めるようなロマンチックでリアリスティックな内容だったなー

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    2026年05月17日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    離婚した男女が手紙を通して過去を語り合い、過去を再解釈しそれぞれが前へ向いて進んでいく話。
    モーツァルトを聴きながら読んだ。

    女性目線からだと亜紀が不憫でならない。どこにも置けない切ない気持ちになった。

    生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれない。
    生きてると辛いことが多くてこんな風に感じることが多い。


    昭和57年に刊行されている本だけどとても読みやすかった。


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    2026年05月10日
  • 幻の光

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    表題作の中編に加え、短編が3つ。共通するテーマは死別により残された人、か。
    印象に残ったのは、「幻の光」と「夜行列車」。
    「幻の光」は、理由もわからずに夫が自殺した主人公の女性が、再婚して暮らす金沢の海辺で前夫の死の理由に思いをはせる。物語では、死と生が地続きにあるようで非常に近い。金沢の薄暗い海辺の雰囲気も重なり全体的に物寂しさがある。終盤で辿っていた真相に自分なりの答えを見つけ、ほんの少し明るさが生まれる。
    「夜行列車」は、中堅メーカーで慣れない営業を行う主人公が、大阪から東京行きの夜行列車の中で、会社の同僚や昔の友人を思い出す話。それぞれのエピソードに明確なつながりはないが、寝台車両の雰

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    2026年05月08日
  • よき時を思う

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    佐賀旅行で本が足りず、不意に買った宮本輝。
    なんと主人公の故郷が近江八幡と、次の旅行先が出てきた。なんと偶然。

    裏表紙の説明から、何か壮大な戦中戦後の一代記。と思いきや、なんとも文化的で上品で仲が良く人が良い家族と、建築物と、モノと、食べ物の、品の良い美しい描写が続く小説でした。

    美や文学への教養高い家族たちなもので、なんとも日々が美しい。かっこいい。
    徳子おばあちゃんには、祖母姫を感じました。凛とした、芯のある人。

    家族たちの距離感もよい。

    冒頭、四合院造りの描写が続き、読み進むのが遅くなるも、慣れていき、そんな様々なものへの美しい詳細な描写が楽しくなってくる。
    終盤の晩餐会の描写の

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    2026年05月06日
  • 灯台からの響き

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    読んでいる最中、何度も中華そばが食べたくなった。

    静かに物語が進んでいくから「続きが気になる!早く読みたい!」となるような展開や驚きはない。
    しかし、主人公が旅を通して変わっていったり、気づきを得ている場面は印象に残った。

    解説を読んだらこの物語が伝えたいことがより分かった気がしたので読んでおいてよかった。

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    2026年05月02日
  • 潮音 第一巻

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    一人称で話が進むことに最初は違和感を感じたけれど読み進むにつれ慣れてきた。富山の薬売りが実直だった様子がよく分かる。『越中富山の売薬はいずれの地であっても敵を作らない、恨みを買わない』が心に響く。富山に行ってみたい。

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    2026年05月01日
  • よき時を思う

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    読み始めて、四合院造りの大家さんの話なのかと思ったら、途中でいきなり30代女性視点に変わり、あまり共感できない女性だなぁと思いながら読んでいたら、彼女の家族となかなか芯の強い祖母の話になり、祖母の話がメインなんだなぁと思ったら最後は取ってつけたようにまた大家さん視点になり、ちょっと消化不良。
    90歳で正式な晩餐会を開くおばあさんの話が面白かったから、その余韻のまま終わってほしかったような気がする。
    吃音の話もいきなり入ってきた気がするし。なんとなく書きたい題材を2,3合体させた感が否めない感じでした。

    個人的には端渓の硯、国行の懐刀、アンティークのカテラリーと比べると、半纏だか綿入れってのは

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    2026年04月28日
  • 錦繍

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    たぶん20代のころぶりの、再読。あるできごとによって別れた夫婦が、十年後、偶然の再会をし、手紙のやり取りをする。二人の再会時の年齢よりも、はるかに年を取ってしまって、読み返して思うのは、二人が大人だということ。それで、妻がちょっとはしゃいだ感じになっているのがかわいらしく、しかし、どうにもならないので無念だということ。業や、生まれ変わりにについては、あいかわらずわからない。生まれる前から決まっていた、そういうものもあるかもしれない、とは思う。

    再会は本当に、全くの偶然だった。夫がそこへ行くことは、そのときまで決まっていなかったし、あと数秒違えば、同じゴンドラにも乗っていなかった。二人が再会し

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    2026年04月28日
  • よき時を思う

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    金井徳子は90歳の誕生日に、家族を招待しての晩餐会を企画する。

    豪華絢爛の晩餐会。

    そこに至るまでの徳子の人生が…
    16歳で出征真近の学生との結婚、そしてその夫の戦死。16歳での決断。
    金井健二郎との出会い、教師としての人生。
    そこには苦難、情熱溢れる教師生活が。
    徳子の晩餐会のために、教え子たちが…

    徳子の人生、すばらしい。
    特に清彦亡き後、徳子の教師への思いを後押しし、バックアップをした朝倉家があったからこそ、今日の金井家がある。
    そして、そんな徳子の子どもたち、孫たちもみな
    いい人間ばかりで、徳子の教育が素晴らしかったんだと感じる。
    金井家、ほんとにいい家族だった。

    徳子の健二郎

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    2026年04月24日