宮本輝のレビュー一覧
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表題作の中編に加え、短編が3つ。共通するテーマは死別により残された人、か。
印象に残ったのは、「幻の光」と「夜行列車」。
「幻の光」は、理由もわからずに夫が自殺した主人公の女性が、再婚して暮らす金沢の海辺で前夫の死の理由に思いをはせる。物語では、死と生が地続きにあるようで非常に近い。金沢の薄暗い海辺の雰囲気も重なり全体的に物寂しさがある。終盤で辿っていた真相に自分なりの答えを見つけ、ほんの少し明るさが生まれる。
「夜行列車」は、中堅メーカーで慣れない営業を行う主人公が、大阪から東京行きの夜行列車の中で、会社の同僚や昔の友人を思い出す話。それぞれのエピソードに明確なつながりはないが、寝台車両の雰 -
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佐賀旅行で本が足りず、不意に買った宮本輝。
なんと主人公の故郷が近江八幡と、次の旅行先が出てきた。なんと偶然。
裏表紙の説明から、何か壮大な戦中戦後の一代記。と思いきや、なんとも文化的で上品で仲が良く人が良い家族と、建築物と、モノと、食べ物の、品の良い美しい描写が続く小説でした。
美や文学への教養高い家族たちなもので、なんとも日々が美しい。かっこいい。
徳子おばあちゃんには、祖母姫を感じました。凛とした、芯のある人。
家族たちの距離感もよい。
冒頭、四合院造りの描写が続き、読み進むのが遅くなるも、慣れていき、そんな様々なものへの美しい詳細な描写が楽しくなってくる。
終盤の晩餐会の描写の -
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読み始めて、四合院造りの大家さんの話なのかと思ったら、途中でいきなり30代女性視点に変わり、あまり共感できない女性だなぁと思いながら読んでいたら、彼女の家族となかなか芯の強い祖母の話になり、祖母の話がメインなんだなぁと思ったら最後は取ってつけたようにまた大家さん視点になり、ちょっと消化不良。
90歳で正式な晩餐会を開くおばあさんの話が面白かったから、その余韻のまま終わってほしかったような気がする。
吃音の話もいきなり入ってきた気がするし。なんとなく書きたい題材を2,3合体させた感が否めない感じでした。
個人的には端渓の硯、国行の懐刀、アンティークのカテラリーと比べると、半纏だか綿入れってのは -
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たぶん20代のころぶりの、再読。あるできごとによって別れた夫婦が、十年後、偶然の再会をし、手紙のやり取りをする。二人の再会時の年齢よりも、はるかに年を取ってしまって、読み返して思うのは、二人が大人だということ。それで、妻がちょっとはしゃいだ感じになっているのがかわいらしく、しかし、どうにもならないので無念だということ。業や、生まれ変わりにについては、あいかわらずわからない。生まれる前から決まっていた、そういうものもあるかもしれない、とは思う。
再会は本当に、全くの偶然だった。夫がそこへ行くことは、そのときまで決まっていなかったし、あと数秒違えば、同じゴンドラにも乗っていなかった。二人が再会し -
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金井徳子は90歳の誕生日に、家族を招待しての晩餐会を企画する。
豪華絢爛の晩餐会。
そこに至るまでの徳子の人生が…
16歳で出征真近の学生との結婚、そしてその夫の戦死。16歳での決断。
金井健二郎との出会い、教師としての人生。
そこには苦難、情熱溢れる教師生活が。
徳子の晩餐会のために、教え子たちが…
徳子の人生、すばらしい。
特に清彦亡き後、徳子の教師への思いを後押しし、バックアップをした朝倉家があったからこそ、今日の金井家がある。
そして、そんな徳子の子どもたち、孫たちもみな
いい人間ばかりで、徳子の教育が素晴らしかったんだと感じる。
金井家、ほんとにいい家族だった。
徳子の健二郎 -
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文庫が出版されてすぐに購入した本
好きな作家の小説だけど遅々として進まず
それはたぶん、取り扱う内容にあまり興味が湧いてこなかったからかも知れない
晩餐会、端渓の硯、書道、源氏物語、ゲランの香水、ブガッティのチョコトルテ、シャトー・マルゴー、ペトリュス、、どれも自分には縁がなく最後まで興味がもてなかった
唯一,四合院造りの住居には興味がもてた
どんなものかネットでも調べてみた
確かに中国の映画とかに出てきそうな感じがした
内容は晩餐会へ向かって金井家の人々の日常が淡々と進んでいくだけだった
主催者の90歳になる徳子さんの過去は凄まじかったけど、戦争を経験しているのだから当然と言えばその通り -
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宮本輝氏の小説には苦手意識があったのだが、本書は意外に面白かった。今まであまり好きでなかった理由はわざとらしさであった。
本書のテーマは、長い年月をかけて取り組むべきことを見いだせ、であろうか。人生終盤に入ったベンチャーキャピタリストが若いアントレプレナーたちに融資を続けてきて、まさにその人たちが人生終盤に差し掛かるときに、答え合わせができる。
主人公はさえないフリーターの青年であるが、彼のやさしさからこの老人に見込まれ、大きな仕事を依頼される。彼の周りの人たちもみないい人たちばかりだ。舞台は京都ど真ん中。
正直な感想は、こんな情けない人生を歩んできた青年に、ここまでのことができるかなと疑わし -
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「ロイヤルファミリー」を読んで、馬繋がりのこの本を再度手に取った。学生の頃、これを読んで痛く感動し、「名作だーっ」と叫んだ記憶がある。で、いまもう一度読んでどうかというと‥あれ?それほどでも?という読後感。
というのは、「ロイヤルファミリー」のドラマをNetflixで観はじめ、それがまた感動的な作りで毎回泣いてしまい、内容がごっちゃになったからだ。
しかも設定が似通ってるし。早見さん、「優駿」のオマージュで小説書いた?と思うぐらいリンクする。馬主の社長さんには愛人がいて子供まで作ってる。そしてその子に馬を譲るところまでいく。(優駿の方の子は譲られる前に死んでしまうが)。また、いずれの馬主も -
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オーディブルで聴きました。
久々に真っ当な作品で口直ししたいと選びました。まあ、間違いない。急展開もどんでん返しも伏線回収もないけれど、しみじみいいお話。
〇〇だぜ、っておじさん同士の会話であまり聞いたことない。東京育ちのおじさんたちの会話ってこんな感じなのかー。
出てくる人が皆コミュニケーション能力高い。初対面の人同士の会話とは思えない。宮本氏の親戚の集まりはこんな感じなのかもしれない。会話が高尚すぎる。
蘭子が命令したことは、真っすぐでピュアな高校生だからこそできたことなのだろうと思う。普通のおばさんにはできない。
敬礼は警官とか自衛隊のイメージがあったけれど、悪くない、というかいい