宮本輝のレビュー一覧

  • よき時を思う

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    祖父母から孫へ、親から子へ、教師から教え子へ、人は大切なことをちゃんと伝えていくことが大事だという。それを伝えたいことはわかるし良かったが、晩餐会や屋敷のような家など贅沢な描写が多すぎ。

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    2023年07月09日
  • よき時を思う

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    とっても素敵な徳子おばあちゃんの話で、粛々と晩餐会に向けて綴られてきたのに、なぜか、最後の二十&二十一章が全く別の登場人物の話で締めくくられてちょっと肩透かし感。

    案の定、「四合院造り 日本」というワードで皆さん検索するようで、一度、見てみたいと思いました。

    多分、40年ほど前に「青が散る」以来で読んだ宮本さんの作品、とても優しい味わいでした。

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    2023年06月02日
  • よき時を思う

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    宮本輝さんの作品を読むと、どんな人間にも物語があるということをつくずく思い知らされる。「老人」とか「若者」とか大きな属性でまとめてしまうことのなんと浅はかで愚かしいことかと教えられる。
    90歳の老人には90年分の、29歳の女性には29年分の生きてきた積み重ねがあって、それは誰一人として同じではなく等しく味わい深いものだということ。そんな当たり前のことをしみじみ感じさせてくれ、人間が生きてそこにあることの奇跡を教えてくれる。

    ストーリーとしては徳子さんというお婆さんが90歳まで生きた感謝の意味を込めて家族を招いた晩餐会を開くというものだけど、晩餐会の贅沢な料理やワインを事細かに描いた部分は正直

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    2023年05月15日
  • よき時を思う

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    主人公の実家が、自分が住んでいる場所のすぐ近くでまず驚く。驚くことはないのだが、どうしてこの場所を?という疑問。
    最寄駅から家までとか、走っている電車とか、あたりの風景とか、描写はかなり詳細。
    こんな地味なところでなくても、もう少し行けば映画やドラマのロケ地になるところや、ヴォーリズの建築で有名な場所もあるのに・・・
    でも宮本さんはあえてここ、武佐にこだわったんやね。
    話の内容は、地味な武佐とは想像もできないような、豪奢で格式のあるお話。
    まず主人公が住んでいるところ、東京だが、その建物は四合院造りといわれる建物で、主に中国に見られる建造物。
    真ん中に中庭があり、それを中心として東西南北に孤立

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    2023年04月17日
  • よき時を思う

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    「90歳の記念に晩餐会を催したい」
    と言う徳子さんの人生が
    孫の綾乃の視点から語られる物語です。

    徳子さんがなぜ出征が決まった人と結婚し、
    その夫の死後も婚家に残ったのか。
    そして、
    そもそも
    豪華な晩餐会を催そうと決めたのは何故なのか。

    それらが
    一つひとつほぐれるように明かされていきます。

    徳子さんのストーリーがメインではあるものの、
    伏流のように語られる
    三沢兵馬とその息子の物語に興味をそそられました。

    何十年に及ぶ断絶とその和解についてを
    もう少し読みたかったですね。
    息子が家を出てから、どう生きてきたのかを
    知りたかったー。

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    2023年04月09日
  • 青が散る(下)

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    部活や恋愛、友情、モラトリアム。
    眩しくて、時にダークで、でも全て青い。
    最後は切なく青が散った。その青の余韻がしばらく漂っている。

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    2023年04月05日
  • よき時を思う

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    宮本さんの作品は昔からたまに読んでいて、今回本屋で見かけたので久しぶりに読んでみようと思った。
    両親が滋賀県出身で、子供の頃に近江鉄道に乗ったこともあり、親しみを覚えながら読み進めた。
    金井家の話も三沢家の話も気持ちがほっこりとする話でよかったと思った。
    ただ最初と最後が何となく唐突な感じでしっくりこなかった。

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    2023年04月04日
  • よき時を思う

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    徳子おばあちゃんの90歳の誕生日祝いに、贅沢なフレンチの晩餐会が催される。
    90年の人生、もちろんいい時ばかりではなかったけど、子どもや孫に囲まれてこんな時間を過ごせる晩年は単純に羨ましい。
    ラストは、なぜこの終わり方?
    晩餐会からの流れで終わる方が自然な気がしたけど。

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    2023年04月04日
  • 青が散る(上)

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    燎平、金子、安斎、貝谷……。個性的な大学生たちの、ゆるゆるとしながらも熱く、懸命に生きる、どこかノスタルジックな青春の日々。
    青春っていいなと漠然と思います。

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    2023年04月04日
  • よき時を思う

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    タイトルが良いなと、日頃あまり読まない宮本輝さんの本を手に取った。
    素直に世界観に浸りたい気持ちと、何かが引っかかる気持ちが行ったり来たり。

    自分が紆余曲折を経て生きてきたこと、関わってきた人たち全て、それらに思いを馳せ、敬意を払うのはとても素敵で、一人一人の生き、生かされた経験を無二のものにする。

    ただ、高等家系の贅を尽くした晩餐会…何か引っかかる。沢山の生き物から出汁をとったデミタスカップに注がれたジビエのコンソメ…高等家系ならではの地位とお宝コレクションと広く卓越したコネクションの数々…

    羨ましさも混ざっているんだろうと何度も自分を諌めたけれど、やはり上手く世界観に浸り切ることはで

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    2023年03月23日
  • 彗星物語

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    上下巻
    母が好きな作家さん
    犬と留学生を含めた13人家族の話
    何があった訳でもないというか常に何かあるというか
    でも読み終わってから寂しくなる本

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    2023年03月16日
  • 螢川・泥の河

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    現代作品にはあまりない、古風で哀愁漂う独特な雰囲気を纏った物語。生きること、命とは、子供の非力さ、色々と投げかけ考えさせられる内容であるのに、その背後には美しさもあり、何とも不思議な感覚に囚われる。短編だけどとても奥深い作品だった。

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    2023年02月22日
  • ドナウの旅人(上)

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    母から借りた本

    今で言うモラハラ的な夫を捨て突如家出した母、絹子
    ドナウ川に沿って旅をしたいという手紙を受け取った娘の麻沙子は母を引き止めるため、かつて自身が過ごした西ドイツへ飛ぶ
    かつてのドイツ人の恋人シギィと再会し、共に母を追う中、絹子が17歳年下の愛人、長瀬と共にいることを知る
    やがて、二人を見つけた麻沙子とシギィの4人はドナウ川を下る旅に出る

    まず、もう古い!
    1988年刊行…ってことは35年も前!!
    言い回しも古臭い
    『〜ですわ』とか『〜しましたの』とか
    それがいい味出してるっちゃ出してるのかもしれない…といい方向に考えてみる
    とっても分厚い上にやや冗長的なので時間かかった

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    2023年02月18日
  • 草花たちの静かな誓い

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    【2023年21冊目】
    ある日突然莫大な遺産を相続することになったらーー?思わぬことになった主人公にゆるゆると降りかかる未知の出来事の数々。終始困惑しながらも、着実に前に進んで真相に近づいていく様子を、こちらもページをゆっくりとめくりながら追いかけました。

    草花の美しさと対比するような真っ黒な事実も明らかになるものの、結末は決して後味の悪いものではなく、未来を見据えた終わりになっているのが良かったです。

    ニコ、私も一緒に仕事してみたいなぁ。

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    2023年02月03日
  • 草花たちの静かな誓い

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    ネタバレ

    なんか読んだ記憶があるな。。。と思いつつ読み進め、さて、真相解明、となってまさに読んだことあったわ、と思い出す。

    アメリカカリフォルニアの豪邸街、アメリカの生活、を、描きたかったんかな、という感じの作品。

    真相が本当にそうであってほしくなかった、という嫌な真相なのが、玉に瑕で。

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    2023年01月07日
  • 睡蓮の長いまどろみ(下)

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    私は宮本輝が凄く好きだったんだけど、あぁもぅ物語の背景が共有出来ない時代になってしまったな…と。この作家は戦中戦後に苦労した親を持って、高度経済成長時代に生きているって背景に物語を紡ぐのが本当に秀逸で。沢山の物語をそこへ投下してるんだけど。もちろんその背景が変わっても普遍的に味わえるモノもあるんだけど、宮本輝はそうじゃない。その時代感というか、生活様式、ジェンダーバイアスとかが、もう「今」に適応しなくて、あぁもう賞味期限切れたんだなって思ってしまった。

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    2022年12月29日
  • 螢川・泥の河

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    蛍川、昨日1日読んでいた。宮本輝の芥川賞受賞作。鮮やかな人物描写と細やかな自然描写。この後に錦繍が発表されたが、その萌芽を感じられる。

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    2022年12月19日
  • 夢見通りの人々

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    商店街の笑いあり、涙ありのほのぼのストーリー?
    そんなのはよくあるけれど、
    いやいや、そうもありえるわけじゃないけど全然ありえんわけじゃない絶妙さがリアルなお話。
    冷たいようでもあるし温かいようでもある。
    そのリアルさがお気に入り。

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    2022年11月16日
  • 青が散る(上)

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    関西+テニス+大学。

    正に、青春小説。
    スポーツ時々恋。王道中の王道だと思う。
    故に、作者の力量がはっきりと出るのではないだろうか。

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    2022年09月07日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    まだなんとも言えないけど、本当に久しぶりに宮本輝を読んだ。
    一筋縄ではいかない、哀しみを背負った人たちの物語がやっと動き出すところって感じなのか。
    まだまだ先は長いが、楽しみ。

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    2022年07月19日