宮本輝のレビュー一覧

  • にぎやかな天地(上)

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    ネタバレ

    話が少しまどろこしいな。微生物の話は面白いけど。人生いろいろある話は、やっぱり疲れちゃう。宮本輝は、いろいろある話が多いけど、昔はもっと勢いがある話だったような気がするなあ・・・
    死ぬ前の何年間満たされたら、生まれてきてよかった、と思えるのか、という話と、アラビアンナイトの『不治の病とは何か』の話、は印象深い。

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    2013年10月13日
  • 三千枚の金貨(下)

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    2013/09/16
    わかりやすい話のようでいて、でも少し難しい話でもあった。
    光生が息子と語り合うシーンがとても印象的。
    芹沢が結局どういう人物だったのかわからないままだったけれど、大きな桜の木のイメージが、読後感をとても爽やかなものにしてくれた。

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    2013年09月18日
  • 道頓堀川

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    宮本輝、川三部作の最後の作品。「泥の河」「蛍川」に続いて、主人公の邦彦はどこへ向かうのか。そう感じさせるラストだった。

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    2013年09月02日
  • 五千回の生死

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    一話のページ数が短いので、読みやすいのですが、後味がいまいちでした。
    いくつか「これ長編で読みたいなぁ」というのもあります。

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    2013年08月26日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    一言でいうと、長かったぁ・・・。
    物語の本筋以外の、旅の情景描写が作者本位というか、細かすぎてかえって想像しにくくてきちんと読み込もうとするタイプの私にはたびたび苦痛に思えてしまった。
    とても美しい表現なのだけど、それがじゃまでいまいち物語に入り込めないというか・・・。

    ストーリーの運びは、時々ミステリーの要素が入っていて、予想外にドキドキさせられたりして面白みがあったけど、このミステリーじたての部分の結末も、この物語自体の結末も、なんとも言い難い・・・これでよかったのかな?という感じ。

    小説全てに、主題があるとは思っていないけれど、こういう結末は好きではないなぁと思ったり。

    名作として

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    2013年08月24日
  • 新装版 命の器

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    ネタバレ

    宮本輝が28歳で会社勤めをやめ、「泥の河」で太宰治賞、「蛍川」で芥川賞を受賞するまでのサクセス・ストーリーが大変興味深かったです。神経症気味の青年が小説家を目指して会社を退職したということに周りの人々が驚いたことも肯けますが、かなり特異な例なのでしょうね。宮本を支えた資産家、淀競馬場に親子で凧揚げに行っていた際に出会った縁で祝電を打ってきてくれた会社時代の同僚、同じく祝電を打ってきた荒正人への欠礼の話が印象に残ります。宮本が桃山学院大卒業でながら素晴らしい文章を書いていることのギャップが不思議だったのですが、酒と小説にあけくれた若い日の自伝的文章を読むと謎が解けたように思いました。やはり破天荒

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    2013年08月24日
  • 優駿(上)

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    いつも競馬を楽しんでいるが、小説では競馬の世界がどのように描かれているか興味があって読んでみた。
    この本が出版されたのは1980年代で、その頃の競馬の世界というのはこんな感じだったのかなと思う。馬主と生産者、調教師、騎手それぞれにドラマがあって、競馬の世界の裏側がよく描かれてなかなか面白かった。競馬入門的な解説もあって、競馬をやらない人でも十分楽しめると思うけれど、競馬をギャンブルとして楽しむ人には、面白くないかもしれない。
    競馬で金儲けするためのノウハウは書かれていないですから。

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    2013年08月21日
  • 骸骨ビルの庭(上)

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    純文学と大衆文学の明確な違いもよく分からないし、そもそも分ける自体がナンセンスなのかも知れないが本作品は純文学よりな気がする。損得を超えた無償の愛、使命感、嫉妬、生への執念等 人間臭さが滲み出ておりジワジワくる。終わりもスッキリ、すっと入ってくる。もう少し人生の経験を積んでから再読したい。

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    2013年08月14日
  • ドナウの旅人(上)

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    出奔した母、絹子を追ってドイツに赴いた麻紗子は、そこで母の相手が母より17歳も年下の男、長瀬道雄だということを知らされる。
    長瀬は4億6千万円という多額の借金を抱え、途方に暮れた挙句に死に場所を求めての旅に出、絹子はそれを知らずに同行しているのだった。
    麻紗子はフランクフルト留学時に交際していた恋人、シギィと再会をし、道雄の自殺を食い止めるべく、母と道雄を別れさせるべく、ドナウに沿って続けられる絹子と道雄の旅に随行することにする。

    他登場人物


    八木夫妻
    ペーター
    アムシュタインさん
    小泉春哉
    絵美

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    2013年08月10日
  • 五千回の生死

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    何とはなく手にして読んでみたが、なかなかよろしいかと。
    宮本輝っておそらくあまり読んだことはないはずなので、あくまで単なるこちらの思い込みなのだが、良い意味で裏切られた感じ。
    絶妙の間合いをもって「闇」が描き出されている。
    まさに寸止めな感じで読者に作品を委ねる(意図めいた)構図も好印象。
    酷暑&体調不良という悪条件にもかかわらずこの感じなので、良い季節で体調が普通であればもっと良い感想を持ったに違いないです。

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    2013年08月06日
  • 私たちが好きだったこと

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    棚からボタモチ的小説。フィクション。

    「俺たち病気なんだよ。
    その人のためになるなら、
    何でも許してしまうっていう病気なんだよ。・・
    俺たち、人の幸福のために
    何か手助けすることが好きなんだよ。
    俺たちっていう人間がどうしょうもなく、
    そういう風にできているんだ。」

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    2013年10月01日
  • 焚火の終わり 上

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    宮本輝の物語なんだろうね。
    美花 とても行動力がある女性で、雰囲気がいい。
    問題は、出生の秘密をもっていて、父親が不明であった。
    茂樹 トンネル堀の技術屋。

    西口、岡崎と絡んでいく中で、ホモというものから、
    違った方向へ行ってしまう。
    川村が、きわめて重要なキーマンとなる。

    最終的な目的が、郷里でひっそりとという感じとなる。

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    2013年10月01日
  • 愉楽の園

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    宮本輝の文章は読みやすい。
    そしてうまい。

    なかなか惹かれる作品でした。
    二人の男に揺れる主人公の愛と、
    主人公の愛人につきまとう不穏な影。
    一気に読ませる力はすごい。

    でも、なんとなく結末がすっきりしない。
    占いを考えるとそういう結果でいいんだろうけれど、
    何故突然エカチャイ擁護?
    何故今更サンスーン嫌悪?
    っていうか、
    そこまで同性愛者は同性愛者ってだけで嫌われていたんだ、この世界で。
    というのが突然結末の短時間にバタバタと。
    それが理解できる出来事があったならいいんだけど、
    起こったことがその急激な変化が納得出来るような事じゃなかった
    (描写が、そこまでの出来事に感じさせなかった)

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    2013年07月21日
  • ドナウの旅人(下)

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    ドナウ河を、逃避行する絹子と長瀬、
    それを追いかけ、一緒に行動する麻沙子とシギイ。
    麻沙子に好意を抱くペーター。
    長瀬を追う 謎の男 尾田。

    複雑に絡み合いながら、ドナウ河の下流 黒海に注ぐ
    街 スリナまでの旅の過程を描きながら
    人間模様とその国の模様が 鋭く描かれる。
    共産主義の国というものの国の成り立ちを、
    建前と本音がよく描かれていた。

    絹子が 他人に転化して、自分のせいじゃないと言う。
    そういう性格から、長瀬の秘密を知り、自分が何ができるのか?
    を考えることで、大きな変化をもたらしていく。
    長瀬の再生のチャンスを 絹子が持っていた。

    長い長い物語 だった。
    人を愛すること、老いる

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    2018年03月05日
  • ドナウの旅人(上)

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    ひさしぶりに 読むと そのまだるっこさと言うか
    しつこさが、何とも言えないねぇ。
    ジネンジョを掘るように、愛について掘り下げていく。

    底の深い旅行
    50歳の妻 絹子が 離婚する決意を固め、33歳の男 長瀬とドナウ河を
    始まりから黒海に注ぐまでを、旅行するという計画で、
    それを 娘がおいかける。
    娘 麻沙子には ドイツ人の恋人 シギィがいて、結婚する意志を固めて、
    二人で、母親と長瀬を追いかけるのだった。
    長瀬は、4億6千万円の借金をかかえ、死ぬ場所をさがしているのだった。絹子を道連れにする。
    死のうとする決意も揺らぎながら、その決意を知られてしまうことで、まわりは影響を受けるのだった。

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    2018年03月05日
  • 星々の悲しみ

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    宮本輝という作家の小説を読んだことがなかったので、まずは短編集が読みやすいかと思い、購入した。解説で「親と子の世代が濃密にかかわり、それほど自己主張しない書き方で、地域社会に根ざした人間の生活を描く」と評されている通り、土着性と世代間の濃密な関わりの通奏低音を全般に読み取った。そもそもそうした描き方が今の私には息苦しさや哀しさや不安を喚起させた。「北病棟」や「不良馬場」で語られる病と死の現実感がまた怖い。表題作は主人公やその友人達も私が既に過ぎてきた大学生辺りの年齢であり、先の人生への希望と不安や、モノトリアム的な怠惰さと苛立ちと、それを乗り越えようというもがきも理解できたが、他の作品はなかな

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    2013年07月13日
  • 新装版 二十歳の火影

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    著者の少年~青年期を綴った自伝的随筆集。十数年ぶりに再読。作家には、なるべくしてなったとしか言いようがない波瀾万丈の生い立ち。忘れようにも忘れられぬ実体験を、見事に作品に昇華させてきたのだなということが改めてわかる。

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    2013年07月09日
  • 森のなかの海(下)

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    宮本輝さんの作品は読みやすいです。大地震という自然の脅威を癒すのも大自然なのかな。人間同士でも傷つけるだけでなく、優しくお互い成長できるようになりたいと思わせてくれました。小説の内容とは関係なくちょっとした知識として勉強にもなりました。全体的なストーリーとしては消化不良なかんじが残ってしまったのが残念。

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    2013年07月04日
  • 骸骨ビルの庭(下)

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     人生はじめての宮本輝作品である。一度、映画化になった「泥の河」を観たような気もするが、暗く陰湿な画面に気持ちが沈んだのを思い出す。暗い画面が描き出すストーリーは印象的で人間の根源に関わる問いを提示されているようなお話だった。「骸骨ビルの庭」についても同じような印象を受ける。

     戦後の行き場を失った孤児たちが共同で暮らした骸骨ビルを舞台にしたお話である。ビルの立ち退きを迫る男が日記として語るビルにまつわる話が小説になっている。感動的でありまた当時の孤児たちの状況を知ることもできる。

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    2013年06月28日
  • 幻の光

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    著者の初期の作品集。先生の短編は初めてで、しかも芥川賞受賞者の短編作品はとっつきにくかったのですが、結構スラスラ読めました。

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    2013年06月07日