宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森のなかの海・上巻はなかなか我慢を強いられるなぁと思ってい。
それがより顕著なのは序盤〜中盤にかけて。
主人公・希美子が(もちろん上巻の終盤から物語の収束に向けて、「再生」をより鮮明に書くためには必要なことなのだけれど)とにかく失意の底に押しやられていく。
そこに加えて、物語の舞台となる場所へ向かうために目まぐるしい変化の波が次々に押し寄せてくる。
これはもう、ほとんど急流を下るような感覚だった。
宮本輝さんの柔らかい文章が押し寄せる変化の波を受け止める緩衝材になったような気もするし、淡々と綴られるその書き方に否応なしに飲み込まれていったような気もする。
やっとこさ舞台が整ったと思ったら、そこ -
Posted by ブクログ
主人公は、赤ちゃんの時、母に捨てれた。でもけっして不幸ではない、父や養母は優しかった。自分の家庭もあり、大切にしていた。けれど彼にはひとに言えない秘密もあった・・・。
てな感じの、不思議なはなしで。
会社で、若い女の子の自殺の場に遭遇し。
それに関して、また、気がかりな出来事もあって。
捨てられた母に、自分を隠して逢いに行く。
同僚の生き方にも刺激を受ける。
思い返せば、盛りだくさん。ぎゅう、ぎゅう。
でも、感覚的にはそうでもないんだ。
重い重いはなしなようで、そう感じさせない明かりがある。
いろいろ起きたけど、ひとって、日常って、けっこういろんなものを抱えているもんだよなと思わされた -
Posted by ブクログ
「海岸列車」 宮本輝(著)
独りの女性の自立の物語。
小説を描くには、あるフィロソフィーが必要である。
どう励ますか。
励ますうえで、何がそのKEYとなるのか。
女は訓練のしがいがない。
ニセモノやホンモノを見きわめる目や思考方法
more studying → モス・クラブ
上昇志向
「人間が、本当の意味でおとなになるのは、
五十才をすぎてからよ。」
俺は、五十をすぎた人間の情熱以外信じない。
「私利私欲を憎め。
私利私欲のための権力とそれを為さんとする者たちと闘え。」
「私の煙草は、私の歴史なんです。
歴史はやめられません。」
天降大任於凝斯人 必先労其筋骨 苦其心去。
「天