宮本輝のレビュー一覧
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「徒然草の第百五十段に書かれている・・・」
「能をつかんとする人、『よくせざらんほどは、なまじひに人にしられじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ』と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。いまだ堅固かたほなるより、上手の中にまじりて、毀り(そしり)笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性その骨なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)の嗜まざるよりは、終に上手の位にいたり、徳たけ、人に許されて、双びなき名を得る事なり。
天下のものの上手といへども、始めは不堪(ふかん)の聞えもあり、無下の瑕瑾(かきん)もありき。されども、そ -
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幼い頃、母に捨てられ、叔父に育てられた兄妹のお話です。
叔父の死後、妹は25歳の若さで企業化したカルチャークラブの事業を会長として引き継ぎます。
偶然の成り行きで知り合った、愛する家庭を持つ国際弁護士に支えられながらも、恋心を抱いたことによって辛さや切なさも味わい、人間としても一企業のトップとしても成長していきます。
若い頃から年上の女性の上等なヒモとして生きてきた兄は、旅行先の香港で奇異な経験をし、彼もまた人間として成長を遂げます。
もし私が25歳で企業のトップに立たされたら、と思いながら読みました。
この本に出てくる兄に、私は比較的好感を抱いています。 -
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人にはとてつもなく苦しく、逃避し難い出来事に遭遇することがある。それが必然か、偶然かは別として、なんと言うか、言葉では表現する事のできない喪失感、虚無感に苛まれる。
しかし、人は生きるという選択をしなければなれない。決して、「止」「終」はいけない。人生とは、このように過酷なものかもしれない。ただ、唯一の救いとも言えるのは、一人ではないということである。人は、一人ではない。だからこそ、苦難を受難することもでき、そして乗り越える事もできるのだろう。希美子はそれを体得した一人なのかもしれない。そしてその周囲の人々も。
人は、本当に強い生き物であると同時に弱い生き物であもある。だからこそ、魅せられ