宮本輝のレビュー一覧

  • 花の降る午後

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    手にとったのが、20代前半。
    少し早すぎたようです。
    未亡人の主人公の心の変化も、いまひとつ共感できなかったのを覚えています。

    でも、深夜の電話のやりとり、遠距離恋愛、「錦秋」もそうですが、今なら考えられないような、丁寧な心の紡ぎ合い。

    かみしめながら今一度よんでみたいです。主人公の年齢はもうこえてしまいました。

    美しいタイトル…昔は深く考えなかったけど、恋人とのひとときを指しているのでしょうか。まさに花の降るひとときですよね。

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    2010年08月12日
  • ドナウの旅人(上)

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    麻沙子の母 絹子は「ドナウを旅したい」という手紙を娘に残し、
    夫を捨てて家を出る。
    絹子は17歳年下の愛人 長瀬道雄とともに西ドイツに向かっていた。
    麻沙子も母を追って西ドイツに向かい、かつてのドイツ人の恋人シギィと再会する。
    母と長瀬、そして母を見つけた麻沙子とシギィの4人は、
    ドナウ川を下る旅に出る。
    この2組の男女の心境の変化と成長が異国の人々・風景とともに描かれている。
    ミステリー仕立てになっていて、とっても読みやすい。

    18年位前、初めて読んだ時とは違う感想を持った。
    前回も今回もドナウ河沿いの風景やそれぞれの国が持つ雰囲気、
    その時代が持った共産圏の空気も感じて、
    ますます憧れが

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    2010年08月04日
  • ドナウの旅人(下)

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    麻沙子の母 絹子は「ドナウを旅したい」という手紙を娘に残し、
    夫を捨てて家を出る。
    絹子は17歳年下の愛人 長瀬道雄とともに西ドイツに向かっていた。
    麻沙子も母を追って西ドイツに向かい、かつてのドイツ人の恋人シギィと再会する。
    母と長瀬、そして母を見つけた麻沙子とシギィの4人は、
    ドナウ川を下る旅に出る。
    この2組の男女の心境の変化と成長が異国の人々・風景とともに描かれている。
    ミステリー仕立てになっていて、とっても読みやすい。

    18年位前、初めて読んだ時とは違う感想を持った。
    前回も今回もドナウ河沿いの風景やそれぞれの国が持つ雰囲気、
    その時代が持った共産圏の空気も感じて、
    ますます憧れが

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    2010年08月04日
  • 花の降る午後

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    神戸・北野坂の一流フレンチレストラン"アヴィヨン"を舞台に繰り広げられる恋とサスペンス(と言っても殺人はない)の物語。

    アヴィヨンのオーナー・典子は元オーナーの夫に先立たれてあとを継ぎ、店を切り盛りしている。
    しかしそれを妬む夫側の親戚や、レストランをのっとろうと企む人々に
    狙われ、隣人や信頼できる人々と結託してレストランを守るために立ち上がった。
    一方で、ふとしたことで知り合った年下の画家・雅道と恋に落ち、経営者の立場と、結婚したい自分の間で揺れる。

    賢く謙虚で芯が強くて、そのくせ弱い部分もあって、おまけに美人の典子。
    こんな女、男の理想なんだろう。

    善良な人々が幸

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    2010年07月04日
  • 避暑地の猫

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    色々な糸がもつれあって絡み合ったような読後感。
    推理小説のようなシンプルな謎解きだったはずが、ひとつ石を裏返すと沢山の虫が蠢いているように、ひとつの事件の裏に沢山の人間の黒い思惑が蠢いている。

    後半はどんどん吸い込まれて一気に読み上げた。
    ひとを吸いつける力のある本。

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    2010年04月13日
  • 愉楽の園

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    文章に力があるというか、読み始めると一気にその世界に入り込んでしまう。電車の乗り過ごし注意!!なタイプの本。

    一人一人の登場人物が、どんどん立ち位置が変わってくる。…というか、見る方向を変えることで変わったように見える。
    それが面白い点ではあるんだけど、頭ごちゃごちゃー!!!
    結局どれが真実なんだか、もー訳わかんない。紙に書き出して整理したくなった=3

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    2010年03月27日
  • 葡萄と郷愁

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    舞台はブタペストと東京。国境を越え、一見、何のつながりのない女子大生2人の平行したストーリー。東京の女子大生は、将来を約束された未来のエリート大使からのプロポーズで悩み、一方ハンガリーの女子大生は、自国の家族、友人を捨て、豊かな暮らしのできるアメリカへの出発を悩む。

    この本が書かれた1986年はまだベルリンの壁も落ちる以前の、東欧、西欧がぱっくり分かれていた時代。ほんの25年前の話なのに大昔のようでもあるし、かと思えばほんの昨日のような気もする。ソビエトの勢力を受けていた当時のハンガリーの大学生の生活ぶりは日本人のものとかなり異なり、読んでいて興味深い。今ではすっかり発展したものの、当時の傷

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    2010年03月10日
  • 海岸列車(上)

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    オススメされて読んだ本。すすめられなかったら一生手に取らなかったかと思うと、本との出会いも縁ですね。
    内容に関する感想じゃないけどふとそんなことを思ったよ。
    戸倉先生が素敵でした。

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    2010年02月26日
  • 星宿海への道

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    中国慮国中にタクラマカン砂漠近郊の村から、自転車に乗ったまま忽然と姿を消した雅人。
    彼の帰りを待つ、千春と幼子せつ。血のつながりのない弟・紀代志がその足跡を辿るうちに明らかになる兄の人生。

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    2009年10月13日
  • 睡蓮の長いまどろみ(下)

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    脇役の緒方元常務が気になった。「かみそり」の異名を持つビジネスマンが、亡くなった元部下の女房と一緒になり、小さい時の夢である焼き鳥屋の親父となり、まもなくその女に逃げられ、60超えて有名焼き鳥店に弟子入りし腕を磨くといったことが書かれている。彼の現在の状況の原因と結果は?そして順哉と深雪が離れ離れとなった原因と結果は、何だろう。

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    2009年10月04日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    因果倶時ということばが出てくる。原因と結果が同居しているという意らしい。睡蓮はおしべとめしべが共存しておりこのことばを象徴しているということだ。ではこの物語、作者が伝えたかった原因と結果とははたして何なのだろうか。

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    2009年10月04日
  • 約束の冬(上)

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    「徒然草の第百五十段に書かれている・・・」
    「能をつかんとする人、『よくせざらんほどは、なまじひに人にしられじ。うちうちよく習ひ得てさし出でたらんこそ、いと心にくからめ』と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。いまだ堅固かたほなるより、上手の中にまじりて、毀り(そしり)笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性その骨なけれども、道になづまず、みだりにせずして年を送れば、堪能(かんのう)の嗜まざるよりは、終に上手の位にいたり、徳たけ、人に許されて、双びなき名を得る事なり。
     天下のものの上手といへども、始めは不堪(ふかん)の聞えもあり、無下の瑕瑾(かきん)もありき。されども、そ

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    2009年10月07日
  • 青が散る(上)

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    光と影、王道と覇道、生と死、勝利と敗北、男と女、あらゆるものの対比。
    主人公をはじめ、どのキャラクターも生きてそこに存在しています。

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    2014年08月31日
  • 海岸列車(上)

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    幼い頃、母に捨てられ、叔父に育てられた兄妹のお話です。

    叔父の死後、妹は25歳の若さで企業化したカルチャークラブの事業を会長として引き継ぎます。
    偶然の成り行きで知り合った、愛する家庭を持つ国際弁護士に支えられながらも、恋心を抱いたことによって辛さや切なさも味わい、人間としても一企業のトップとしても成長していきます。

    若い頃から年上の女性の上等なヒモとして生きてきた兄は、旅行先の香港で奇異な経験をし、彼もまた人間として成長を遂げます。

    もし私が25歳で企業のトップに立たされたら、と思いながら読みました。
    この本に出てくる兄に、私は比較的好感を抱いています。

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    2009年10月07日
  • 森のなかの海(下)

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    阪神淡路大震災があったその日、主人公の人生も音を立てて崩れ始める。
    不幸な経験をした彼女がまわりの人々と関わりながら再生していくストーリー、
    宮本輝、王道の小説です。

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    2009年10月04日
  • 愉楽の園

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    ねとぅっとしたバンコクの味が存分に味わえます。
    でも、まだ行ったことのないバンコク。
    中国に似て運河が多いようです。

    バンコクに流れてきた日本人の女と、王族の血を引き手段を選ばず政界を上りつめようとするタイ人。そして世界中を旅してきた日本人の男。交わるはずのないそれぞれの生き方が、各自の欲望を伴いながら次第に絡み合って、それぞれの未来を切り開こうとする。内容はさておき、異国の地で真剣に人々と絡むというのは、欠けがえのない経験であると断言できる

    男の経験と言動を通じ、「旅の良さ」という観点からも面白く読める。

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    2009年10月04日
  • 焚火の終わり 下

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    完っ全に謎のまま終わっちゃうのね。もうちょっとちゃんと教えて欲しかったです…orz
    後ねー、名前が多すぎて全然わかんなかったww
    「共同体」の5人って…アレ?誰だっけっていうwww

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    2009年10月04日
  • 約束の冬(下)

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    てっきり最後は、総社で蜘蛛が空に飛び立つシーンでの感動のラストを

    想像していたら、結構あっさりとしたラストだったので採点は少し辛め。

    でも十分楽しめた作品。

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    2009年10月04日
  • 道頓堀川

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    「お金さえあったら、人生の80パーセントは解決するやろなァ・・」
    「そうやなァ、20パーセントは解決出来んもんが残るやろなァ。そやけど、その20パーセントが問題や。」(p.205)

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    2019年03月15日
  • オレンジの壺(下)

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    もちろん「上」も読みましたよ。

    おもしろい。けど、謎が残ってるよ!

    こんな旅ができるといいね。怖いけど。

    でも、最後はほほえましい感じでした(ちょっと違うかも)。

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    2009年10月04日