宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
立退きを求めに来た八木沢は骸骨ビルでの日々を過ごす中で住人達に親しみを感じるようになっていた。立退きの具体案も無いのでやる事と言えば料理と読書の毎日。
住人達の話を聞いていると子供の頃の畑仕事の話を幾度のなく聞く事になり、八木沢も農作業を始める事になった。骸骨ビルの庭で住人達に教えてもらいながら作業に没頭する。
農作業に携わる事で住人達に過去の記憶を呼び起こす事にも繋がる事になる。
とてもゆったりとした小説だったと思います。農作業をしたり
、料理をしたり、読書をしたり、そしてまた農作業と料理と読書の繰り返しの毎日。
いつまでも続ける訳にはいかないが、先は見えない中で立退きを迫る事も無く住人達 -
Posted by ブクログ
32歳氷見留美子と偶然家の向かいに住む54歳上原桂二郎を通して約束とは何かを問う作品であった。
人生を10年の節で考えていく中で人は色々な体験をしていくものであるが、約束とは、命懸けでやるものと留美子を通して語らせる。
約束とは、決めごとではなく、そうありたいという希望である。芦原久美子との70歳でのネパール旅行は、死んではいけないというまさに「希望」である。また、「目標」といえよう。
須藤潤介が遠い昔の子供がした約束に対して画竜点晴を欠くということで果たそうとする。
それは、義務として受け取れる。(自分がしたくてする)おさえつけられたものでなく。約束には、権利と義務があるということであろうか -
Posted by ブクログ
私の食生活の中心を占めている炭水化物や糖質(米、麺類、パン類)を制限することで現代病を治すことが出来るという考え方にはショックを受けました。
しかし人類が進化してきた歴史を長いスパンでみると、炭水化物を食べるようになったのはごく最近の数百年(満足に食べれるようになったのは100年程度か)ということを考えると、人間の身体は糖質分を効率よく使うようには設計されていないという考え方(p3、150)も納得させられました。
理解はできたものの、主食を制限する生活にいきなり変えるのは私は難しいと思いますが、主食の量を減らして、おかずの量を増やす、夕食は粗食にするという考え方は中年を迎えた私にとっては