宮本輝のレビュー一覧

  • 草花たちの静かな誓い

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    半分くらいまで物語の大筋に関係ないスープや花の話で長く感じた。そういう作風だったのか。急展開があるような感じではなく、新生活の中で徐々に真実が明らかになっていく感じ。また普通に読めた。

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    2022年03月04日
  • 春の夢

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    おばあさんの死に顔の描写は個人的にインパクトがあった。”生き様は死に顔に出る”いい顔で死ねる生き方ができてるか?自問自答したい。
    決して明るい物語ではなく、絶望やいくつかの葛藤がありながらも、蜥蜴のキンちゃんに自身を投影した主人公が生きることに向き合い前に進んでいく様子は、”冬から春”への移り変わりを彷彿させる。まさにこの時期に読みたかったと思える一冊だった。

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    2022年02月27日
  • 私たちが好きだったこと

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    人生のある時期、一緒に過ごした男女4人。
    自分たちを、その人のためになるなら、何でも許してしまう病気だと思う若い男女。
    彼らのそのひとときの出来事を淡々と描く。
    宮本輝というよりは、村上春樹のテイストを感じさせる小説だった。
    結局何が言いたかったのかが分からないのも村上春樹的。

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    2022年01月09日
  • 彗星物語

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    私は、読書には非日常を求めます。
    SFとかサスペンスとか突拍子もない展開が好きです。
    ドキドキ、わくわく♪
    ところが、この彗星物語は、とある大家族のほのぼのとした日常を描いています。
    おじいちゃん、お父さん、お母さん、長男、長女、次女、次男
    お父さんの出戻り妹と3男1女の子供、犬、留学生
    ちびまる子ちゃんのともぞう張りのおじいちゃん
    さざえさんの「たま」よりキャラクターの強いアメリカン・ビーグル「フック」
    渡る世間。。。ばりにいろいろ事件が起きます。

    なぜ読んだのか?
    それは、今住んでいる地元を描いた本で、前から読んでみたかったからです。
    土地に関する描写は、「あっ、あの道か」「あのバス停ま

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    2021年12月21日
  • 星々の悲しみ

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    わりと初期の宮本輝の短編集。何とも地味な話が7編。喫茶店に掛かる絵画を盗んじゃう「星々の悲しみ」や「西瓜トラック」のようなちょっと日常離れしたことが起こるのはまだしも、「火」なんか、なーんにも起こらない。起こるかと期待させといて起こらないようなもの。それなのに、何ともいえない深さを感じる(←「何ともいえない」なんて何てずるい表現)。
    深さとは、こんな何でもないことを書き上げる筆力のようなものだろうか。当たり前っぽい日常のひとこまを切り取ったような作品世界に、何でもないことのよさ、何でもないもののなかにある豊かさのようなものを感じているのだろうか。
    読みながらふと似てるなと思ったのは向田邦子の書

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    2021年12月15日
  • 草花たちの静かな誓い

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    久々の宮本輝です。
    昔ほど浸ることができないのは年のせいもあるのか…
    「ドナウの旅人」の影響でを卒業旅行先にドナウ川を選んだほど、かつては宮本輝の、特に海外を舞台にした小説や紀行文に影響うけました。

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    2021年11月27日
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)

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    熊吾や信仁とはそれぞれ年令、年代、世代が違いますが同じ時代を生きています。
    まさしく「人に歴史あり」です。

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    2021年11月27日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    P158 熊吾曰く
    「また先の心配ばっかりしちょるんじゃろう。心配したら心配したとおりに事が運んでいくぞ」
    P373 房江思す
    先のことを心配したからといって、その心配が杞憂に終わったりはしない。心配すればするほど、その心配は心配したとおりになっていく。
    第九部へ。

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    2021年10月31日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    久方ぶりに続き、読んだ。
    忘れてたこともたくさんあって、
    読んだけど思い出せてない。笑

    熊吾もおじいになったなあ〜
    糖尿で死ぬなよ。借金、伸に残すなよ。
    でも60来ても、向こう気の強さ、憧れるわ。
    欲しいわ、それ。ください。

    房江も年をとって図太くなって。
    熊吾にもっも思いやりや温かい言葉があれば、まだ救われるのに、開き直りの危うさが感じられて怖い。

    伸は頼もしい〜。
    伸のシーンだけはほっこりする。
    もう怪我しませんように‥。可愛い。

    結構、読むのに時間を要した。
    流転の海は揃えてから読むことをお勧めします。

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    2021年09月23日
  • 愉楽の園

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    読ませる一冊

    430ページにもわたる分厚い本を、一晩で読ませられてしまった。
    面白い!タイの王家の血を引く自分を愛してくれる男と、何処の馬の骨ともしれぬ、自分を確かに愛してくれるかもわからない男との狭間で揺れに揺れる美女。

    それは、タイの喧噪とうだるような暑さと、独特のスパイスの香りとともに水の都バンコクで繰り広げられるひとつのラブストーリーである。

    人の心と決断の礎のはかなさ

    この作品では、人の心/決心・・・意思決定プロセスが非常に面白く描かれている。

    一つの意思決定=「行動が起こされるにあたっての基礎となるモノ」が、実は非常に心許なく、時としてわき上がるような人いきれに気圧されて

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    2024年05月29日
  • 焚火の終わり 下

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    ネタバレ

    宮本輝が好きな読者はこの著書にどんな評価なのだろうか?

     たしかに禁忌の異母兄妹恋愛を興味本位でなく、愛の根源として描き、なおかつミステリアスな魅力も醸している。惹き付けられ、読み終えるまで本を手放せない盛りだくさんのおもしろさはさすが。

     でも、ミステリー、ゴシックロマンとして読んでしまう平凡なわたしには、はぐらかされた感じが残る。つまり、本当に異母兄妹かどうかがこの物語に絶大な雰囲気を与えているので、どうしてもその謎解きのつじつまを求めてしまうのだ。結末や解説を求めては雰囲気が壊れるのだけれど。ついね。

     そして、背景は島根県、強い風がふく岬の上の茶室風古屋。兄妹はそこでの焚火が大好

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    2021年08月24日
  • 森のなかの海(上)

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    阪神大震災が絡んではいるがあまり関係ないかな? 多くの遺産をタダで他人に渡した女性の謎が解き明かされていく話。

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    2021年08月18日
  • いのちの姿 完全版

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    ~2021.08.05
    最後の「櫁柑山からの海」が好き。
    子供のころの、今とは全く異なる、あの暑さを思い出した。

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    2021年08月06日
  • 水のかたち 下

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    自分を自分以上のものに見せようともしないし、自分以下のものにも見せようとしない、自然で素直でおっとりと話す、おそらく目立つ美人と言うわけでもないのだろうが、男女問わず人を惹きつける魅力のある、50歳の主婦・志乃子。
    そう言う「善き人」は「善き人」を引き寄せるのだろう。沙知代も早苗も、夫・琢巳も魅力的な人達だ。そうして縁や出会いによって、それぞれの人生がまた新たな扉を開いていく。一見穏やかながら、50を過ぎてからまた人生が動き出す志乃子や沙知代には、希望のようなものをもらえるし、心地の良い作品だった。

    『自分以上のものに見せようとしない。自分以下のものにも見せようとはしない。』
    『自分を、自分

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    2021年08月02日
  • 約束の冬(下)

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    上巻のような先を読みたい感じはなく

    登場人物が多く
    中途半端な感もあり…

    作者らしい表現が好きなので、完読

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    2021年06月18日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    ここにきて夫婦それぞれの運命、生き方がガラッと変わってしまった。
    やましいことは隠し通せない。うん、うん、そうだよね。

    最終巻、家族の絆は修復されるのか?熊吾が最期をむかえるのか?

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    2021年06月12日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    息子の危なっかしいところはだいぶ落ち着いてきたが、親父は懲りないというか、ますます人間臭さを強く放ってくる。

    修羅場に直面した時の、熊吾の一貫した肝のすわりかたはすごい。自業自得感は否めないのだけど。

    望んでいないけど、そろそろ夫婦関係に一大事か?

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    2021年05月29日
  • 避暑地の猫

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    十七歳、それは、大人と子どもを使い分ける狡さ……。

    「俺、軽井沢で生まれ育ったんです」

    酔っ払いに絡まれ怪我を負った男が、突然、十五年前の出来事を語りだす。
    軽井沢の別荘の持ち主と別荘番の二つの家族が繰り広げる、悍ましい愛憎劇。

    十七歳の主人公の青々とした性への欲望と、母と姉に漂う淫靡な気配、
    どうしようも無い怒りからの、暴力的な行動…「霧のせい」…退廃への逃避

    残るものは虚無

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    2021年05月22日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    中古車販売会社「中古車のハゴロモ」の取り扱い規模も人員も増やし商売が軌道に乗ってきた熊吾は森井博美と再会し歯車が狂ってくる。従業員の不審な動きに気付いた熊吾は借金を抱えたまま窮地に陥ってゆく。

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    2021年05月02日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    全巻完結と聞き何年ぶりかで復活再読。大阪に戻りモータープールの管理人として働く松坂熊五一家。
    余部鉄橋からのヨネの散骨、飼犬ムクの出産と仔犬ジンベイの世話、伝染病にかかった飼鳩の世話、再び余部鉄橋からの解放。日々成長する伸仁の言動に心震わせられる。

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    2021年04月29日