宮本輝のレビュー一覧
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読み始めて、四合院造りの大家さんの話なのかと思ったら、途中でいきなり30代女性視点に変わり、あまり共感できない女性だなぁと思いながら読んでいたら、彼女の家族となかなか芯の強い祖母の話になり、祖母の話がメインなんだなぁと思ったら最後は取ってつけたようにまた大家さん視点になり、ちょっと消化不良。
90歳で正式な晩餐会を開くおばあさんの話が面白かったから、その余韻のまま終わってほしかったような気がする。
吃音の話もいきなり入ってきた気がするし。なんとなく書きたい題材を2,3合体させた感が否めない感じでした。
個人的には端渓の硯、国行の懐刀、アンティークのカテラリーと比べると、半纏だか綿入れってのは大分格差があるなぁなんて思いました。嫁はつらい(笑)
そして、個人的には息子一家と孫のみで二人いる娘が参加しないってのも不思議な感じ。まぁ二人とも海外だから出来なかったという設定だけれども。なんかなぁ~。女親と娘の方がつながりは強くないのかなぁなんて、個人的には思ったりしました。
メニューの中で食べてみたいなぁと思ったのはキャビアでした。おいしそう。少病少悩は確かに理想とする生き方だなぁと思いました。 -
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金井徳子は90歳の誕生日に、家族を招待しての晩餐会を企画する。
豪華絢爛の晩餐会。
そこに至るまでの徳子の人生が…
16歳で出征真近の学生との結婚、そしてその夫の戦死。16歳での決断。
金井健二郎との出会い、教師としての人生。
そこには苦難、情熱溢れる教師生活が。
徳子の晩餐会のために、教え子たちが…
徳子の人生、すばらしい。
特に清彦亡き後、徳子の教師への思いを後押しし、バックアップをした朝倉家があったからこそ、今日の金井家がある。
そして、そんな徳子の子どもたち、孫たちもみな
いい人間ばかりで、徳子の教育が素晴らしかったんだと感じる。
金井家、ほんとにいい家族だった。
徳子の健二郎への感謝ははかりしれない。
健二郎とともにどんなに晩餐会に出たかっただろうか。
徳子の人生と金井家の人々でよかったような気がするが…
三沢家の話は必要だったのか⁇
晩餐会後の金井家の話をもう少し期待していたような自分がいる。
綾乃と棚田のこれからや、春明のK2商会のことを。
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文庫が出版されてすぐに購入した本
好きな作家の小説だけど遅々として進まず
それはたぶん、取り扱う内容にあまり興味が湧いてこなかったからかも知れない
晩餐会、端渓の硯、書道、源氏物語、ゲランの香水、ブガッティのチョコトルテ、シャトー・マルゴー、ペトリュス、、どれも自分には縁がなく最後まで興味がもてなかった
唯一,四合院造りの住居には興味がもてた
どんなものかネットでも調べてみた
確かに中国の映画とかに出てきそうな感じがした
内容は晩餐会へ向かって金井家の人々の日常が淡々と進んでいくだけだった
主催者の90歳になる徳子さんの過去は凄まじかったけど、戦争を経験しているのだから当然と言えばその通りである
それと本編の最初と最後に登場した三沢家の人々の話は興味深かった
父と子はどのように和解するのか,もう少し先を知りたくもあったが、「よき時を思う」ということで、ちょうど終わり方もよかったのだと思った
それぞれの家族の行く末が楽しみで、それがよき時ということなのかなぁと
余談ですが
宮本輝の小説で1番好きなのは『約束の冬』
宮本輝を知るきっかけになった本
約束した二人はどうなるんだろうと思いながら、最後まで興味深く読み進められた
時を経た後での出会いが素敵だった記憶がある
最近では『灯台からの響き』
妻の残した遺品の謎を追うストーリーにドキドキワクワクした
『草花たちの静かな誓い』も面白かった
アメリカの叔母さんが残した遺産だなんて
それだけでワクワクした
今回のストーリーはそういった謎のようなワクワク感がなかったからあまり興味がもてなかったのかもしれない -
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宮本輝氏の小説には苦手意識があったのだが、本書は意外に面白かった。今まであまり好きでなかった理由はわざとらしさであった。
本書のテーマは、長い年月をかけて取り組むべきことを見いだせ、であろうか。人生終盤に入ったベンチャーキャピタリストが若いアントレプレナーたちに融資を続けてきて、まさにその人たちが人生終盤に差し掛かるときに、答え合わせができる。
主人公はさえないフリーターの青年であるが、彼のやさしさからこの老人に見込まれ、大きな仕事を依頼される。彼の周りの人たちもみないい人たちばかりだ。舞台は京都ど真ん中。
正直な感想は、こんな情けない人生を歩んできた青年に、ここまでのことができるかなと疑わしい。逆に言えば、ここまでできる青年ならこれまでの人生ももう少し何とかなっていたのではないか、と言える。また、途中話があちこちに飛ぶが、それがほとんど回収されないまま話が終わる。もとは連載小説だったということだが、内容にして長すぎるという印象だった。
かなり辛らつになってしまったが、会話が多く軽快。流行りの食べ物の描写に力を入れるというポイントも抑えている。価値観はアップデートされていないが、モチーフは現代風になっているので昔の作品と比較して読むのも面白いかもしれない。 -
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「ロイヤルファミリー」を読んで、馬繋がりのこの本を再度手に取った。学生の頃、これを読んで痛く感動し、「名作だーっ」と叫んだ記憶がある。で、いまもう一度読んでどうかというと‥あれ?それほどでも?という読後感。
というのは、「ロイヤルファミリー」のドラマをNetflixで観はじめ、それがまた感動的な作りで毎回泣いてしまい、内容がごっちゃになったからだ。
しかも設定が似通ってるし。早見さん、「優駿」のオマージュで小説書いた?と思うぐらいリンクする。馬主の社長さんには愛人がいて子供まで作ってる。そしてその子に馬を譲るところまでいく。(優駿の方の子は譲られる前に死んでしまうが)。また、いずれの馬主も自分の社から身を引く。そしてその馬主の心に寄り添う秘書が存在する。「ロイヤルファミリー」には泣き虫妻夫木、「優駿」には冷たく冷めた人格を自認するピノキオ(木)こと多田。そして自由奔放な娘がいる。
ただ、「優駿」には騎手の内面に触れる部分がある。自分が乗っていた勝ち馬を他の騎手に取られた時、その騎手に乗り方のコツは?と聞かれ、腹いせにその馬が嫌がる方法をワザと教えた。そのためにその馬も騎手も事故死し、その後彼は苦しむことになるのだ。
オラシオンは強い。実力だけでなく運も強い。最初から最後まで安定の強さで安心して読めた。
時代を感じる部分もある。気の強い馬主の娘を牧場の息子が平手打ちした。今の時代じゃアウトだし、そんな男は願い下げだけど、この娘は何故か彼に惹かれていくんですな。
タクシーの運転手が車酔いした娘に「解放したげましょか。この辺にはホテルあるし」なんていやらしく口説く場面もある。アウト〜! -
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オーディブルで聴きました。
久々に真っ当な作品で口直ししたいと選びました。まあ、間違いない。急展開もどんでん返しも伏線回収もないけれど、しみじみいいお話。
〇〇だぜ、っておじさん同士の会話であまり聞いたことない。東京育ちのおじさんたちの会話ってこんな感じなのかー。
出てくる人が皆コミュニケーション能力高い。初対面の人同士の会話とは思えない。宮本氏の親戚の集まりはこんな感じなのかもしれない。会話が高尚すぎる。
蘭子が命令したことは、真っすぐでピュアな高校生だからこそできたことなのだろうと思う。普通のおばさんにはできない。
敬礼は警官とか自衛隊のイメージがあったけれど、悪くない、というかいいなと思った。 -
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ネタバレではないと思うけどどうだろう
高校3年の夏、読書会の課題図書のひとつが「星々の悲しみ」だった。自分ではきっと手に取らない本だったけど、短編集を買って1度は通しで読んでたと思う。15年くらいぶりに読んでみたけどあの時と感じ方はどう変わったかな
現国の教科書に載ってそうな、小劇場で観る芝居みたいな短編集。
短編のどれも、死にまつわる話が多かったと思う。解説読んでなるほどと思ったけど、主人公はどれも大人になる手前の人物で「成熟するまでの過程」が描かれていた。派手さはないけど、匂いがするようなリアルな生活の描写の中に生と死(「まだ死んでない」と「死」)が描かれてると思った。
星々の悲しみ
有吉と交わした最期の「またな」の瞬間に垣間見たものはなんだったのか、たぶん初めて読んだときは掴めなかった気がする。今は命の儚さとか、死にむかう人間が直面する簡単には言い表せない悲しみとかなんじゃないかと思える。
西瓜トラック
自分が主人公と同じくらいの年頃でこういう性の生々しいものに直面したらちょっと人格形成歪んだかもな…とおもうんだけど、またあいつに会えたら一万円の事を報告しておきたい、ていう部分には少年らしい穏やかな誠実さと爽やかさを感じた
最後は物悲しい感じでまとめられてるけど
北病棟
火
気持ち悪いけどなんかわかる。
火をみている時だけが快適なのちょっとかわいそうだけど安全基地があっていいね 放火魔になるわけじゃないなら穏やかに生きてってほしいわ 完全に古屋サイドの気持ち
小旗
父の死(借金まみれで自分と母を「もう捨てた」と言って若い女と住んでた)に際してもどこか無気力な青年と旗を振るだけの仕事を一生懸命にしてるモブの対比がすごい
蝶
日常のなかにある不思議体験て感じでよかったな
少しずつ落ちていく鱗粉、電車の揺れで羽ばたいているように見える蝶
終わり方も好みだった 小劇場の芝居みたいだ
不良馬場
主人公、友達の奥さんと不倫してたんかーい から始まる生と死の対比の構造だなと思った
片や友人の妻と肉体関係持ってニューヨークへの栄転まで決まってる生命力のある主人公と、一方で2年間も閉鎖的な結核病棟で過ごしている友人
最後に転倒して骨折した脚の折れ口で自分の胸を突いてしまった馬、荒々しく動いていて噴き出した血の勢いで鼓動を感じさせるけど、きっとこのあと死ぬんだろうな(競走馬は骨折したら殺処分にすると聞いたことがある)
病棟内にも「死」と「まだ生きている」が転がっている
これは完全に私事だけど、今年の4月に祖父が90歳で亡くなって 長く一緒に暮らしていたからまだ全然さみしいし後悔もたくさんあるのだけど
老いとか衰えって、目の当たりにするのが嫌だったりする
それは単にセルフケア能力が落ちて「ちゃんと顔あらいなよ」「ちゃんと歯みがきなよくさいよ」みたいなのもあったけど、活動的だった祖父の活気がなくなっていったりするのを実感するのも嫌だったんだよな
自分の両親、義理の両親がこれから老いていくときもう少し近い距離で頻繁に気にかけたいなって思う
徐々に訪れる死(老い?)というものは、想像していたより生臭くて醜悪なんだね
でもその鼻をつまみたくなるような避けたいような嫌な感じ、1個乗り越えて「歯磨き手伝って良い?」とか「温タオル作ったからちょっと顔だけ拭こう」とかさせてもらうと
あの時少し手伝わせてくれてありがとうって思えたりもするんだよな