宮本輝のレビュー一覧

  • 新装版 命の器

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    命の器、というタイトルから、真面目なエッセイだと思っていたが、そうでもなかった。


    色々な雑誌に掲載されたエッセイなので、
    シリアスなのあり、軽いものありで
    バラエティに富んでいる。


    特に前半のエッセイはら読みやすく、かつ
    なるほど…とら思うことも。


    著者のエッセイ第二弾

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    2025年05月28日
  • 夢見通りの人々

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    タイトルから判断して、人情あふれる商店街の人たちの心温まる短編集なのだろうと予想していたが、中身は全く違っていた。
    夢見通りとは名ばかりで「その名称にそぐわない人間たちばかり」の黒い人間模様が展開される。

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    2025年05月19日
  • 螢川・泥の河

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    泥の河は昭和30年の大阪、蛍川は昭和37年の富山が舞台。
    高度経済成長が始まる直前の時代背景。生まれた頃なので記憶にはないが、なんとなく懐かしい雰囲気がする。

    普通なら純文学系は手に取らないのだけど、たまにはこういうのもいいか。

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    2025年05月09日
  • 三十光年の星たち(下)

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    この作家は何気ない日常生活をうまく物語にする(例:流転の海)ちょっと終わり方に感動がなかったのが残念

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    2025年05月05日
  • 潮音 第三巻

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    明治維新の詳細が把握でき良かった
    潮音第四巻、潮音の題名の由来等がわかるのかな
    時代のどこで終結するのだろうか

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    2025年04月16日
  • 螢川・泥の河

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    戦後の貧しかった日本の描写が、少し気持ちを暗くさせる。考えさせられることは多い良書。読むタイミングが大切。

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    2025年02月16日
  • 夢見通りの人々

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     夢見通り商店街に住む一癖も二癖もある人々の悲喜こもごもの物語を集めたオムニバス形式の短編集です。

     夢見通りは戦後の闇市から発展した商店街。そこに暮らす住人はよく言えば人間味がある、悪く言えば癖が強い、腹に一物どころではない物を抱えた人ばかり。オムニバス形式で少しずつ進んでいく物語は、話によって主人公が変わるものの、ちょくちょく里美という男性が登場する。お人好しで、巻き込まれ体質の独身会社員。周りの住民たちに振り回されつつ、今日も彼は彼ら彼女らと世知辛く生き辛い世の中を泳いでいる。

     今作を手に取ったのは、この著者宮本輝さんの文章が読みたくなったためです。この方の文章は独特の魅力があるように感じています。
     今作も、何とも複雑で入り混じった人間模様を淡々と書き綴っているようで、人の感情や背負ったもの、ある種の業のようなものを感じさせるお話がたくさんありました。登場するキャラクターの個性が強く、現実にいたら嫌厭してしまいそうなレベルで決してお友達になりたい類ではない彼らなのですが、彼らなりにそれぞれの人生を生きてきたことを感じさせられます。
     他人事と笑うことも、共感して泣くこともできませんが、上手くいくことも報われないことも含めて、こういうものが人生なのかもしれないな、としみじみ感じました。

     つい癖になるような書き手様なので、またどこかでこの作者の作品を読んでいると思います。

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    2025年02月04日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    ドナウ河に沿って旅を続ける
    街並みや人との出会い
    どれも旅先ならではの出来事
    日常であり非日常



    途中まではとても好きだった

    最後の
    結末の部分は別のかたちがよかった

    個人的な意見ではあるが

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    2025年01月30日
  • 螢川・泥の河

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    風景描写がそのまま登場人物の心情を表す、お手本みたいだ。螢川の描写は特に美しい

    蛍の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞い上がっていた。

    土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。
    北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。

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    2025年01月15日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    人生は流転
    第4部は人生においては陰を描かれたものかな
    どんな人生にも陰と陽、影と日向があるというのを読み終わって考えた
    陰の時どうするかかな

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    2025年01月03日
  • 人生の道しるべ

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    当時若き作家の吉本ばななと往年作家の宮田輝の雑談書。中でも気になったのが「若い人が『名作に出会っていない』ことで精神的に大人になっていない」と言う。読書が減りネット情報が主の世界に大人になる為の精神的な感情などが欠けていると言う。子供の時に出会う著名な本は必ずや何かの時の礎になり心の支えにもなるはずだ、と言う。それには大人が教えてこそ出会いがあると思う。(その大人に名作との出会いがなければ、話が始まらない)

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    2024年12月26日
  • 森のなかの海(上)

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    阪神淡路大震災で家が倒壊したところから、怒涛の日々が始まる。妹の友人の話を思い出した。三十代で娘を連れて離婚。再婚した直後に癌が発覚。お亡くなりになった。娘は、新しいお父さんでも実の父親でもなく、母親の妹、つまり娘から見た叔母さんが引き取った、というもの。人生どこでどうなっていくか、わからないものだなあ。下巻も借りよう

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    2024年12月01日
  • 青が散る(上)

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    何かのおすすめ?で読もうとした本

    親しみのある関西、また実在する場所も交えてで
    かなり読みやすい

    大学時代の、なんとも何をするかと言う日々と
    それに合わせた恋、友情

    昭和の本だが今も変わらない気持ちになる
    たぶん、どの時代も変わらない青さがあるのでは

    下巻も楽しみたい

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    2024年11月25日
  • 星宿海への道

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    黄河の源泉の湖の星宿海。出口にはひょうたん形の湖がある。行方不明の雅人探しではなく、雅人の真実を追求する。物乞いの親子というのは重い。最後に行方が分かれば良かったが…

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    2024年11月18日
  • 幻の光

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    先日、映画館で「幻の光」が「能登半島地震 輪島支援 特別上映」と冠され、1995年の公開から29年の歳月を経て、デジタルリマスターにて上映されるということを知り、鑑賞して参りました。
    本作が宮本輝さんの作品であること、映画化されたこと、主人公の女性を演じられている俳優のお名前くらいは知っている程度の認識でした。ストーリーや舞台として能登が登場すること、また監督を是枝裕和さんが務められ、これが長編映画デビュー作であったことなどは今回知ることとなりました。
    古き日本の風景に「あるもの」を纏わせた絵画のような美しい映像に圧倒される映画でした。
    そして、ぜひ原作も読んでみよう、と手に取った次第です。

    生まれ育った尼崎で結婚し、初めての子供が生まれて三ヵ月目に夫が突然亡くなってしまった記憶を胸奥に秘め、奥能登の板前の後妻として平穏な日々を過ごす女性の内面の葛藤を描いたお話です。

    主人公、ゆみ子の前夫は、本当に唐突に亡くなってしまいます。状況としては、電車の運転士が言うには、線路の上を電車の進行方向を向いて歩いていて、急ブレーキも空しく轢かれたと。

    先ほど、映画の説明の中に思わせぶりに書いた「あるもの」というのは、はっきり記すと「死の陰」のようなものです。衣類にも(子供の衣服までも)寒色を多用し、尼崎でもそうですが、舞台が能登に移った後も、日本海の荒波が、墨色の曇天が、風景が「あるもの」を纏っているようで、そう感じるからこそ、スクリーンに余計なものをそぎ落とした陰翳のような美しさがある気がしました。小説の活字からもそういった趣が溢れ出ます。

    希死念慮、という言葉があります。文字通り「あるもの」に惹かれる思考・感情を指す言葉なのかな、とぼくは解釈しています。
    知り合いに言われたことがあります。
    「あるもの」にすっと惹きつけられる瞬間は誰しもにある、その程度の違いこそあれ。

    主人公はずっと、なぜ前夫は「あるもの」に惹かれてしまったのか考えます、そのことがもしかしたら喪失からの混乱や悲しみの日々を支えていたのかもしれません。
    でも、主人公の生きる世界は大切な人を喪ったことで変わってしまったのだと思います。

    冬の朝の目の覚める冷たい空気をぴしゃりと肌に感じるような、そんなお話でした、説明が下手くそですね、ごめんなさい。
    映像の記憶が、活字を目で追う補完をしてくれて、今作は先に映画を鑑賞したのが吉と出た気がします。

    そして、おそらく、この映画の再上映の企画が発表された後、能登に豪雨による災害が起こりました。
    被災地にどう向き合うか、そして未知の災害が自身に降りかかった時の準備を考えようと改めて思います。

    本書は、ほかに3作、短い物語も収録されている短編集ですが、表題作が群を抜いて存在感を放ちます。
    本格的な冬の訪れの前に心身共に暖かくして読んでいただきたい一冊です。

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    2024年11月12日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    感想
    今回は熊吾と房江の視点それぞれから交互に物語が語られる形式。

    夫婦の周りにはどうしようもない人が多いが、自分たちが呼び寄せているのか?時代のせいなのか?なかなか安穏な日は訪れなさそう。

    そんな激動の中で、息子の伸仁は病弱ながらも花札や賭けマージャンなどよからぬ方向へ。


    あらすじ
    熊吾は大阪に戻り、56歳、伸仁は小1になっていた。

    熊吾は新しくテントの接着剤と中華料理屋、雀荘の事業を始める。

    丸尾の隠し子がいる愛人が亡くなり、浦辺ヨネに城崎で小料理屋をやらせてことなきを得る。

    周の子供の麻衣子は井手と結婚したが、井手の不倫に怒って、家出し、別れる。

    妹のタネが母親を連れて無理矢理上京する。懲りずにヤクザものの男を作り、店を始めるが上手くいかない。母親のヨネは伊予に帰りたいのとボケが始まり、徘徊するようになり、遂には行方不明になる。

    熊吾はプロパンガスの事業に目をつけて、元妻の兄で警察を退職した杉野を誘い、事業を起こす。

    台風で倉庫に保管していた接着剤がダメになり、テント工業を畳むことにする。銀行が急に融資を渋り出す。背後に岩井亜矢子がいることに気づく。

    プロパンガスは資金繰りが苦しく、共同出資者の杉野も商いに向いていない。そんな中、自分の糖尿病が発覚する。

    杉野と合わない熊吾はプロパンガスの事業から身を引き、きんつば屋とカレーうどん屋を始める。

    その頃、港湾労働者の近江丸が炎上して、アル中の亭主焼け死ぬという事件が起きる。伸仁もその事件に関わっており、ショックを受ける。

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    2024年09月28日
  • 草花たちの静かな誓い

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    ネタバレ

    ロス在住の叔母(菊枝)が日本滞在中に逝去したという知らせ。相続人である甥の弦矢は莫大な遺産を手に入れる。
    5歳の時に病死したはずの叔母の娘レイラが、実はスーパーで連れ去られ、行方不明になっていた。少しの望みにかけ、弦矢は調査会社の優秀な探偵ニコとともに27年間封印されていた真実を追う。

    菊枝は幼児愛者の夫から娘を守るため、誘拐と偽って、信頼しているマクリード夫婦に彼らの娘として育ててもらっていたのだ。
    大事な一人娘を手放さなければならなかった菊枝の気持ちは、想像を絶する。
    夫やまわりの人達にも嘘をつき続けなければならないなんて、生きた心地がしなかっただろう。もっと他のやり方はなかったものか。

    菊枝は、愛する娘を手放し、離婚することもなく人生を終え、幸せな人生だったのだろうか。後に残った素晴らしい庭とこだわり抜いて造った豪邸を玄矢に託すことで、少しは報われたのかなと思った。
    そしてマグリード夫妻も玄矢からの連絡でメリッサに真実を告白するきっかけを得て、全てがうまくまとまることを願う。

    アメリカでは子どもの行方不明者が年間80万人にものぼるという。日本で一人でも子供が行方不明になったら、大変なニュースになるのに、アメリカでは珍しいことではないということか。

    アメリカのランチョ・パロス・ヴァーデスの広大な自然やオルコット家の管理された美しい花々で彩られた庭の風景が魅力的に描かれている。
    アメリカに一度だけ行ったことがあるので、その時感じた雰囲気を思い出しながら、読み進めた。日本とは何もかもスケールが違う。
    とても丁寧に地形を説明しているが、地理が苦手なので、いまいち頭がついていかなかった。

    現代作家の中では今のところ、宮本輝が一番好きなので、文章は自分に合っていてとても読みやすかったが、淡々としていて、完読するのに時間がかかった。

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    2024年09月27日
  • 草花たちの静かな誓い

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    自分の故郷であるロサンゼルスの知っている地名やモノがでてきて懐かしい気持ちになった。主人公ゲンヤの人間味があるハートフルな一面が好印象で、読んでいるとき穏やかでいられる。が、内容自体は幼女の失踪事件で重くモヤモヤする部分もあった。物語の真相を知っていくにつれ、ちょっとしたショックも受けるが話は素直におもしろかった。また、解説にもあったが「ゲンニコ」タッグの作品をもっと読んでみたい。

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    2024年09月17日
  • 睡蓮の長いまどろみ(下)

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    今回は人としてあまり好きでは無い種類の人間がたくさん出てきた。その為か宮本輝の本を読み終わった時にいつも感じる満足感は無かった。男性の性表現が要所要所にでてきて、なんとなく馴染めなかったし、主人公の産みの母も溢れ出すフェロモン的な物が嫌だと感じた。

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    2024年09月06日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    相変わらずの少しだけ良い生活を送るおじさまが主人公の話。
    所々男性にしかわからないのだろうな、と言う表現がでてきて、その辺りはとばしたりしながら読みました。しかし、作者にとってはその辺りが結構大切な部分だったのかもしれないと下巻を最後まで読んでわかりました。ストーリーはそれ程動くことはなく、鈍行列車のような読み口でしたが、やはり宮本さんの本は旅行がしたくなりますね…

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    2024年09月06日