宮本輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ解説をよんでいて、宮本輝の小説には、自殺というテーマがよくでてくることを知った。
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ほかの小説にもよく出てくる自殺のモチーフである。
自殺といっても、自殺した当人よりむしろ、すぐそばで誰かに自殺されたものは
どうするかという問題である。
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読んでいると、死よりも、生きるためのすべをかいてあるように思えた。
死なないで、生きるためにこうして!って生きることへのヒントがちりばめられている
ような気がした。
最近樋口裕一先生の本で、知的な思考は訓練で身につく。と学んだが、
自分を好きになること、これも訓練で身につくのか!と思った
自分を好きでいる訓練は、生きるために必要。
生きることは、自殺しないことではないと思う。
アドラーでいう、他者からの承認欲求を求めて他者の人生を生きることも、
自分自身を生きることではないと思う。
自分の人生を生きるためには、自分のことを大好きでいる訓練が必要。
失敗しても大好き!ということは大事だけど、自然と大好き!っていえるような
行動を増やしていきたいと思った。 -
Posted by ブクログ
そんなアホな、と、言いたくなるような何もかもがうまく行き過ぎ、世間は狭いというか、あっちもこっちも実は知り合い、って。
でもずんずんと読み進むことができる。
そうだ、私は嫉妬しているのだ。ほぼ同い年のこのヒロインに。絶対に私とは真逆の資質を持ったこの50女に。
たまたま気に入った茶碗がすごい逸品で、大金が手に入ったり、その縁で趣味の良い喫茶店を始めることになったり、もうすべてのことが良いほうに良いほうにと回り始めるのだ。
だけど、私はいつも思う。こういう「運」はただの偶然などではないのだ。その人の持つ徳や資質が呼び寄せるのだ。だから私には絶対にそんな運はめぐってこない。きっと死ぬまで。それを再確認するのはちょっと辛い作業でもあるけれど半世紀も生きているとそんなことでもがいたり奮起したりはしないのだ。
致し方なし。というあきらめの境地だけである。
「横尾文之助」氏が実在の人物であり彼にまつわる逸話が実話であったことはこの本を読んだ中でいちばんの収穫で興味深いくだりであった。なにせ、文中に出てくる地名は私の故郷でもあるのだからより身近に思い入れを持ったとしても不思議ではない。 -
Posted by ブクログ
1993年に刊行したものの、新装版。
こういう情報は見える所に書かれていないと困る。
なかなかに、濃いなー。
青春小説と言っても、爽やかさだけではないのだ。
痛みとか苦味が一筋心に残って、そのまま大人になってしまうような、ドロッとした青春小説(笑)
なぜか「駅」という小説に惹かれた。
オジさんが、ある駅の景色を憎み、訣別をするためにお酒を呑んでいる。
それは、愛する妻の病気や不倫相手が自分の子供を産み、養育費を払いにやってきた間、ずっと見てきた景色であった。
彼の妻が亡くなった後、不倫相手と再婚し、二人の子供もそのことを受け入れている。
一方で何かが欠けない間は幸せだったはずのオジさんの気持ちには、変化が生じていた。
彼の憎しみとは、何なのだろう。
そこに、かつてのオジさんを彷彿とさせるような青年が混ざり、オジさんの話の顛末を聞き終わると、二人、無言のエンディングを迎える。
青年は今、何を考えているのだろう。
読む側に、書かれてある以外のことを随分と多く想像させるすごい作品だった。
「真夏の犬」
「暑い道」
「ホット・コーラ」
「階段」
「力道山の弟」
「チョコレートを盗め」
「赤ん坊はいつ来るか」
「香炉」所収。 -
Posted by ブクログ
宮本輝さんの作品、久々に読んだかも。
富山に行って愛本橋を見てみたいなぁ、と素直に思わせる作品。でも徒歩にしろ自転車にしろ結構勾配がきつくて大変そう… 黒部と併せていつか行ってみたいなぁ。
群像劇なので章が変わるごとに登場人物が入れ替わり、この人は誰で、どの人とどういう関係なんだろう?と混乱しました。特に京都の小松関連の人間関係が頭に入ってこなくて大変でした。宮本さんは不倫関係には反対だけれども生まれてきた命は平等に尊いものだ、という事を書こうとしたのかな、なんて思いました。
個人的には舞妓さんや芸妓さんの芸事をナマで見た事が無いので偉そうな事は言えませんが、やっぱり水商売だよなぁなんて思ってしまいます。芸事だけを売るとはあるけど結局はお大尽をもてなすサービス業だし、そこにまっとうでない要素が付随する事も多々ありそうだしなんとなくまっとうな感じがしない。以前は花形職だったスチュワーデスの名称がフライトアテンダンスとなり今ではそれほど人気の職業ではなくなったように、職業にも時代ってものがあるんだろうな、とも。昔ながらの遊び方が出来る粋人ってのも段々居なくなってるだろうしなぁ。会社のお金で接待だ何のと遊んでいた時代が終わって遊び方が小規模になったなんて嘆く声もあるかもしれませんが、自分なんかからすると当然じゃないの?という気にもなります。
高校教諭が綺麗な舞妓見習いを生徒に教えるってのもなんだかなぁ…。それは青春…なのか?アイドルに恋してるって事なのかもしれないけどそれで良いのかなぁと女性の自分には少し引っかかるものがありました。特に14歳の彼が恋い焦がれてもあまり良い結果にはならないんじゃないか?なんて正直どうなのよ?と思ってしまいました… あと、作中に上用饅頭って出てきましたがこれ、薯蕷饅頭と違うのかなぁなんて思いましたよ。 -
Posted by ブクログ
2人の女性にモノ思う。
愛する人に裏切られた女。
愛する人を失った女。
哀しいけど、この物語では、
前者のほうが幸せと思ってしまう。
希美子はまだ先がある。
それもきっと明るいものが。
そう信じたいし、辛い試練だって、
未来のための過程だったのだと思う。
反対にカナ江は‥。
未来がないひとだから、よけい哀しいのか。
まわりの大人に騙されて、
愛するひとたちを失って。
罪とは言い難い罪を背負って孤独に生きた。
もっと心をさらけ出して、
泣いたっていいし、傷つき傷つけてもいい。
だって、生きてる時じゃなきゃできないもの。
行き場のない痛みを抱え、ひとり耐え忍んだ。
しんみりしてまう。
なんだろなぁ、ツライ。
もう、この気持ちを払拭するには、
希美子に強く生きてもらうしかない。
あとは、なんかギャル達が多すぎ〜と思った。
子供の存在も薄かったし。
実は、宮本輝にしては、めっちゃ時間が
かかったのです。
途中読むのやめようかと思ったのですが、
完読できて良かったです。
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Posted by ブクログ
さすがと言いますか、読み始めると引き込まれてしまいます。やはり宮本さんの文章は私の波長に合うようです。
しかし、アウトラインを書こうとすると悩んでしまいます。息子と母親の再会の物語。両親の離婚に隠された秘密。このあたりがメインストーリーなのですが、その他に"十七歳の少女の目の前での自殺"および"内なる女性"というもう二つの流れがあります。少女の自殺は伏線として意味のあるものですが、あまりに扱いが大きすぎるように思えます。更に内なる女性については、この設定が何故必要だったのか理解に苦しみます。
もう一つ、私が宮本作品から離れ始めた理由−−物語りの流れと無関係な"世間に対する怒り"−−が少し顔を出してるようです。
もう少し整理すれば、綺麗な作品になったろうに。そんな気のする作品です。
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Posted by ブクログ
このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響を及ぼすことにはなるし、読み応え、というよりは、起伏はそこまで欲しくないけど退屈しすぎないという点でするすると読める話を期待する人にはよいと思う。