宮本輝のレビュー一覧

  • 水のかたち 下

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    上巻に続いて下巻を読んだが、下巻の方が話の展開があったせいか読みやすく、テンポ良く読めた。
    しかしながら最後までなんとも言えない「偽善的」な「いい話」がむずがゆく心地よく読むことは出来なかった。
    結局、何が言いたかった話なのかもよく分からず、敷いて言えば因果応報的な話なのだとすれば、あまりにただ長いだけの小説だったと思う。

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    2016年01月04日
  • 星々の悲しみ

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    「星々の悲しみ」をはじめとした7作の短篇集。 何れも、青年主人公と彼を取り巻く人々の生死から、「生きること」の意味や理由、運命について考える契機となります。

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    2015年12月31日
  • 星々の悲しみ

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    『森のなかの海』や『花の降る午後』のような柔らかく優しい、女性みたいな文体に慣れていたせいか、『星々の悲しみ』の男くさい文体に驚いた。
    短編集ではあるが、一篇一篇がとにかく重く、読んでいて苦しくなる。でもその苦しさがまた生々しくて良かった。
    筆者はやはり男性だったんだなと改めて思った。
    こういう文体も結構好きだなぁ。

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    2015年12月06日
  • 水のかたち 下

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    一気に読んではしまったのだが、どこか都合の良すぎる展開の物語で、だから何、という感じがしてしまった。
    こういう運の良いだけの人生も世の中にはあるのかもしれないけど……、この主人公の女性は自分で何ひとつ努力して得ているわけじゃないのよね。うーん。
    一気に読んで面白くなかったわけじゃないのだが、好きではないってことだな。

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    2015年11月29日
  • 水のかたち 上

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    女版「三十光年の星たち」って感じです。内容としてはあまり評価は良くないですね。もっと事件性やハプニング感が欲しかったです。新聞書評で見て文庫化を楽しみにしていた分ちょっとがっかりでした。

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    2015年09月28日
  • ドナウの旅人(上)

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    ドイツから昔の東ヨーロッパ共産圏への旅の一端を味わうことができる、奇妙な関係をもつ2組の男女の物語。刻一刻と人物の気持ちやストーリーが展開されていくので、読んでいてかなり引き込まれます。 早速下巻も読んでみます。

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    2015年09月21日
  • にぎやかな天地(上)

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    豪華本を作る 編集および職人 舟木は、
    独身 32歳だった。
    阪神大震災の 9年後。

    父親は、まったく 理不尽な形で 死んだ。
    舟木は まだ3歳だった。
    姉は 5歳で 現在は 看護士をしている。
    母親も 病院に勤めている。

    祖母につながる トーストというパン屋の大前美佐緒に
    一方的に 恋心を抱く。
    そして、そのつながりが どのように展開するのか?

    発酵食品の ルーツを探りながら 
    それを 豪華本の 題材とする。

    和歌山 熊野に 醤油の発祥があるという話は
    なんとなく ときめくものがある。
    鮎鮨、サンマ鮨、なれずし。
    発酵食品って 奥が深い。 

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    2015年08月12日
  • 海辺の扉(上)

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    ギリシャという想像し辛い国の話なのでなかなか話に入っていけず。物語自体は良かったのですが、やや平板過ぎかなと思いました。

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    2015年08月10日
  • 森のなかの海(下)

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    ふーむ。最後まで マロングラッセの作り方が
    わからなかったなぁ。
    蒸して 繰り返し はちみつにしたすことで
    作り上げる。
    でも、スパイスは何を入れたのだろうか?

    半田葉鬼の 人生が とうとうと 語られた。
    昭和元年うまれの 人生は
    時代という制約でほんろうされている。
    まぁ。おじいさんに近いのだから
    そんなことを 問題にしてもしょうがないことだが。

    阪神大震災によって 親を失った
    子供たちは 確実に 成長する。
    そのなかで 希美子も 癒されて 自信を持っていく。

    魔風が 陶器の世界に飛び込み
    漫画家、モデル そして 炊き込み屋。
    たくさんの可能性をもって 鳥は すだつのである。

    森の中

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    2015年08月05日
  • 森のなかの海(上)

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    阪神大震災の当日 1995年1月17日。
    仙田希美子は、旦那とケンカして、別の部屋にいた。
    それが、震災のヒガイを受けないですんだ。
    しかし、夫の奇妙な行動から、
    夫が守ろうとしているのは、私ではないことに気づく。

    離婚に踏み切るとともに、
    奥飛騨に住む毛利カナ江とのつきあいから
    毛利カナ江の遺産を受けとることに。
    そして、ふたりの息子たちとすむことにした。

    森の中に その家はあり、
    楠と藤蔓がからみあった巨大な大木 が鎮座していた。
    その巨木は ターハイ と呼ばれた。
    そして、沢山の栗の木。
    毛利カナ江は、マロングラッセを 作って貯蔵していた。
    また、ドイツに住んだことがあり、西岡と言っ

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    2015年08月02日
  • 彗星物語

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    ネタバレ

    義父と夫、長男、長女、次女に次男、夫の妹にその子供が二人、さらには犬が一匹。
    そんな大所帯に今度はハンガリーからの留学生がやってきた。
    ボラージュという名前の留学生は、城田家がすべてのお金を工面して大学に通わせるという。
    決して裕福ではない城田家の中に、金銭、そして人種の違いというひずみができ問題を引き起こす。

    人の考え方というのは本当に色々で難しいなとは思うけれど、ボラージュの考え方には時折腹が立つ。
    日本人の気質とは違うからかなーと思いつつ、日本人の登場人物にも腹立たしいところはあるので、難しい話だ。

    自分を犬だと思っていないフックがいい味を出しているのだが、どうしてラストはこうしたん

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    2015年07月25日
  • 優駿(上)

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    ネタバレ

    競馬という賭け事をテーマにしたということ、善玉と思っていた久美子や、多田に癖がありそう、ということが分かって、読むのを止めた。

    この作家の後年作はあまり面白くない。

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    2015年06月23日
  • にぎやかな天地(上)

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    嫁さんから面白いよと紹介された 宮本輝作
    「にぎやかな天地 」(上下巻)。
    本の装丁家の主人公が発酵食品の本を作るにあたって、
    長い年月をかけて出来る発酵食品のさまを取材することで、
    自分の仕事や生き方を見つめ直し再出発するストーリー。
    ということで、発酵食品の味噌を作りに教室に行って来ました。^_^

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    2015年06月08日
  • 三十光年の星たち(上)

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    「現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい」
    佐伯はそこでひと呼吸置き、
    「きみは後者だ」
    と繰り返した。


    「これも偶然やないんですか?」
    と仁志は訊いた。
    「なんでもかんでも、すべてのことに意味があるんだよ。きみはこれからそれを思い知っていくよ」

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    2015年07月06日
  • 星宿海への道

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    ネタバレ

    中国で消息を絶った義理の兄探しをするために、弟がいろんなツテを辿って、その兄に知られざる半生に触れていく。この手の失踪者の足跡をたどるヒューマンミステリーみたいのが、平成の宮本輝作品に多いが、類作同様やや凡作の感じが否めない。

    出だしは印象的なのだが、途中、ペースが落ちる。
    物乞いをしていた実母を失い、その実母を喪わせた原因のある家庭で養われながらも、決してひねくれていない兄。第一章の家族愛は涙をそそるのだが、関西特有のいぎたないチンピラとか娼婦とか、この人の作品にテンプレ的に出てくるあたりや、特にヤマもなく伏線もなく淡々と進む筋書きに飽きて、一旦投げ出した。

    母への思慕が深いのはわかる。

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    2015年05月06日
  • 優駿(上)

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    競馬、競走馬に関連するさまざまなことが少しばかり見えてきた。その中で色んな人間模様や人生などがうごめく。幾つかの気になる事がどのように進展していくのか気になる。下巻に期待したい。

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    2015年05月07日
  • 焚火の終わり 下

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    謎が謎のまま終わるのは余韻を残す意味でもアリだと思うのですが、宮本輝さんの作品にしては入り込めなかったなあ。
    作者さんの言いたいことや、書きたいテーマは何となく判るのですが、先がどうなるのかというドキドキ感がなく、あまり山も谷もなくあっさりと終わった感じ。
    二人の恋愛に障害がないからなのかな?
    兄妹かもしれないという点が最大の障害といえばそれまでですが……。
    周囲がみんな茂樹と美花に理解があり過ぎのように感じた。
    少年の頃から美花に恋していたとか、茂樹さんの亡くなった奥様が気の毒。
    この作品が書かれた頃、まだDNA検査は一般的な時代ではなかったのかな?
    DNAを調べれば兄妹かどうかなんて一発で

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    2015年04月15日
  • 月光の東

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    ネタバレ

    ★2.8ぐらい。
    宮本輝作品にしてはイマイチ。

    自殺した友人の足跡をめぐる中年の技術者と、その友人の妻とが交互に自己語りする形式。友人の死に絡む、宿命の女の過去が明らかになっていく。

    肝心の友人の死の真相がうやむやのまま終わってしまいミステリーとしては不発。美しいタイトルだが、作中のモチーフとしては弱い。ただし、夫に先立たれて精神錯乱に陥った母親の再生物語として読めば感動できるかも知れない。

    後書きで著者の家庭の事情を知った後だったら、なぜこれを書いたのか理解できるんだが…そういう裏事情を知らないといけないものは、どうなんだろう。

    筆者は自分と同じ背景を持つ人を励ましたかったのかもしれ

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    2015年03月27日
  • 焚火の終わり 上

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    ネタバレ

    近親相姦は美しい恋愛なのでしょうか?
    でも、この作品は美しい物語になっています

    異母兄妹の茂樹さんと美花さん
    本当の父親は誰なのか先が気になります

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    2015年03月21日
  • 三十光年の星たち(上)

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    坪木仁志は、無職で貧しくさえない生活を送っているが、近所の老人佐伯平蔵から金を借りたのをきっかけに彼の運転手のアルバイトをする。仁志の純粋さを見込まれ、佐伯の奇妙な仕事を引き継ぐこととなった。2015.2.7

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    2015年02月07日