宮本輝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
宮本輝さんの作品、久々に読んだかも。
富山に行って愛本橋を見てみたいなぁ、と素直に思わせる作品。でも徒歩にしろ自転車にしろ結構勾配がきつくて大変そう… 黒部と併せていつか行ってみたいなぁ。
群像劇なので章が変わるごとに登場人物が入れ替わり、この人は誰で、どの人とどういう関係なんだろう?と混乱しました。特に京都の小松関連の人間関係が頭に入ってこなくて大変でした。宮本さんは不倫関係には反対だけれども生まれてきた命は平等に尊いものだ、という事を書こうとしたのかな、なんて思いました。
個人的には舞妓さんや芸妓さんの芸事をナマで見た事が無いので偉そうな事は言えませんが、やっぱり水商売だよなぁなんて思 -
Posted by ブクログ
2人の女性にモノ思う。
愛する人に裏切られた女。
愛する人を失った女。
哀しいけど、この物語では、
前者のほうが幸せと思ってしまう。
希美子はまだ先がある。
それもきっと明るいものが。
そう信じたいし、辛い試練だって、
未来のための過程だったのだと思う。
反対にカナ江は‥。
未来がないひとだから、よけい哀しいのか。
まわりの大人に騙されて、
愛するひとたちを失って。
罪とは言い難い罪を背負って孤独に生きた。
もっと心をさらけ出して、
泣いたっていいし、傷つき傷つけてもいい。
だって、生きてる時じゃなきゃできないもの。
行き場のない痛みを抱え、ひとり耐え忍んだ。
しんみりしてまう。 -
Posted by ブクログ
さすがと言いますか、読み始めると引き込まれてしまいます。やはり宮本さんの文章は私の波長に合うようです。
しかし、アウトラインを書こうとすると悩んでしまいます。息子と母親の再会の物語。両親の離婚に隠された秘密。このあたりがメインストーリーなのですが、その他に"十七歳の少女の目の前での自殺"および"内なる女性"というもう二つの流れがあります。少女の自殺は伏線として意味のあるものですが、あまりに扱いが大きすぎるように思えます。更に内なる女性については、この設定が何故必要だったのか理解に苦しみます。
もう一つ、私が宮本作品から離れ始めた理由−−物語りの流れと -
Posted by ブクログ
このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響 -
Posted by ブクログ
よねかの思い出を探る旅は、そのままよねかに引き寄せられた男たちを振り返る旅であった。美しくかつ強い女性であったよねかはまた、人間の業を強烈に意識した女性であった。傍目からみるよねか像とは異なり、付き合った男たちは結局その心の美しさに思いを馳せ、卒業していくのだ。
杉井と加古がそれぞれの立場で過去を振り返っている。それぞれ独り語りや日記の記述でその振り返りを綴るわけだが、国内は北海道から糸魚川、大町、岡山、海外ではヒマラヤ、パキスタン・カラチ、パリとそのスケールは非常に大きい。スケールの大きさと登場人物それぞれの、繊細に変化する心の動きが合わさりきわめて立体的、重層的な物語構成を感じた。
しかし