宮本輝のレビュー一覧

  • 田園発 港行き自転車 上

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    ネタバレ

    物語の舞台が東京、京都、富山に跨り、登場人物もやたらと多くて、相関図がいるほど。さらに、普通なら省かれる脇役一人一人のエピソードまで事細かに描かれているから、何が何だか状態で混沌としてくる。

    それでも、入善市の田園風景、黒部川の流れ、立山の姿、旧街道の街並み、風を受けて走り抜ける自転車のスピード感は十分に富山の魅力を伝え、やっぱりその地を旅したくなるのは間違いないし、京都の花街の風情ある佇まい、芸妓の世界の伝統を守り抜く女たちの強さと美しさにも惹かれた。

    だけど、死亡した賀川直樹には最後まで魅力を感じられなかった。有り体にいえば、養子で婚家に居場所がなかった婿が、京都で羽を伸ばして若い子に

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    2018年09月30日
  • いのちの姿 完全版

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    ネタバレ

    宮本輝の小説の主人公や舞台の設定と重なるような、宮本さんの子供の頃の実体験。少しビックリしたような、でも、だからこそ、読者の心に響く、深い話になっているのかも、とも思いました。

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    2018年08月26日
  • 私たちが好きだったこと

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    不思議な関係。
    語弊を恐れずに言えば、不安神経症の人の相手は大変だと思う。
    なんとも胸が苦しくなる展開。
    ーーー
    工業デザイナーを目ざす私、昆虫に魅入られた写真家のロバ、不安神経症を乗り越え、医者を志す愛子、美容師として活躍する曜子。偶然一つのマンションで暮らすことになった四人は、共に夢を語り、励ましあい、二組の愛が生まれる。しかし、互いの幸せを願う優しい心根が苦しさの種をまき、エゴを捨てて得た究極の愛が貌を変えていく……。無償の青春を描く長編小説。

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    2018年08月20日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    酔っては女房を殴り飛ばす男が、憲法を、日教組、歌舞伎、俳句、日米安保等々を熱く語る。この熊吾、得体が知れなく、どう理解すれば良いのか?

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    2018年08月15日
  • 私たちが好きだったこと

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    ひょんな成り行きで共同生活を送る事になった。男女4人の物語。
    4人とも他の人の為に四苦八苦してばかりいる、お人好しなのですが、純粋に人がいいばかりでなく、それぞれクズい部分も持っているんですよね。
    そんな彼らに、次から次へと色んな事が起こり、それによって傷つけ合ったり、絆を深めたりして過ごしてゆく「あー、人間ドラマだなァ・・。」という感じの小説でした。

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    2018年08月01日
  • 五千回の生死

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    息子が「読み終わったから読む?」と貸してくれた本。
    短編集だったので隙間の時間に読めました。
    昔の大阪が見えるようなお話でした。

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    2018年07月02日
  • 月光の東

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    ネタバレ

    解説をよんでいて、宮本輝の小説には、自殺というテーマがよくでてくることを知った。
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    ほかの小説にもよく出てくる自殺のモチーフである。
    自殺といっても、自殺した当人よりむしろ、すぐそばで誰かに自殺されたものは
    どうするかという問題である。
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    読んでいると、死よりも、生きるためのすべをかいてあるように思えた。
    死なないで、生きるためにこうして!って生きることへのヒントがちりばめられている
    ような気がした。

    最近樋口裕一先生の本で、知的な思考は訓練で身につく。と学んだが、

    自分を好きになること、これも訓練で身につくのか!と思った
    自分を好きでいる訓練は、生きるために必要。

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    2018年06月11日
  • 水のかたち 下

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    そんなアホな、と、言いたくなるような何もかもがうまく行き過ぎ、世間は狭いというか、あっちもこっちも実は知り合い、って。


    でもずんずんと読み進むことができる。

    そうだ、私は嫉妬しているのだ。ほぼ同い年のこのヒロインに。絶対に私とは真逆の資質を持ったこの50女に。

    たまたま気に入った茶碗がすごい逸品で、大金が手に入ったり、その縁で趣味の良い喫茶店を始めることになったり、もうすべてのことが良いほうに良いほうにと回り始めるのだ。

    だけど、私はいつも思う。こういう「運」はただの偶然などではないのだ。その人の持つ徳や資質が呼び寄せるのだ。だから私には絶対にそんな運はめぐってこない。きっと死ぬまで

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    2018年06月08日
  • 三千枚の金貨(下)

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    金貨を埋めた芹沢由郎の生い立ちが丁寧に書かれていく。金貨が見つかるのかという所が一番興味のあるところだが、サラリーマンの生活、子どもの頃の苦い思い出など、いろいろからみ合って重厚な物語になっている。

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    2018年04月28日
  • 三千枚の金貨(上)

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    金貨が本当に見つかるのかが興味のあるところだが、金貨を桜の木の根元に埋めたという人物はまだ謎ばかり。

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    2018年04月28日
  • 田園発 港行き自転車 下

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    宮本輝さんの作品、久々に読んだかも。
    富山に行って愛本橋を見てみたいなぁ、と素直に思わせる作品。でも徒歩にしろ自転車にしろ結構勾配がきつくて大変そう… 黒部と併せていつか行ってみたいなぁ。

    群像劇なので章が変わるごとに登場人物が入れ替わり、この人は誰で、どの人とどういう関係なんだろう?と混乱しました。特に京都の小松関連の人間関係が頭に入ってこなくて大変でした。宮本さんは不倫関係には反対だけれども生まれてきた命は平等に尊いものだ、という事を書こうとしたのかな、なんて思いました。

    個人的には舞妓さんや芸妓さんの芸事をナマで見た事が無いので偉そうな事は言えませんが、やっぱり水商売だよなぁなんて思

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    2018年03月15日
  • 森のなかの海(下)

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    2人の女性にモノ思う。


    愛する人に裏切られた女。
    愛する人を失った女。

    哀しいけど、この物語では、
    前者のほうが幸せと思ってしまう。

    希美子はまだ先がある。
    それもきっと明るいものが。
    そう信じたいし、辛い試練だって、
    未来のための過程だったのだと思う。


    反対にカナ江は‥。
    未来がないひとだから、よけい哀しいのか。
    まわりの大人に騙されて、
    愛するひとたちを失って。
    罪とは言い難い罪を背負って孤独に生きた。
    もっと心をさらけ出して、
    泣いたっていいし、傷つき傷つけてもいい。
    だって、生きてる時じゃなきゃできないもの。
    行き場のない痛みを抱え、ひとり耐え忍んだ。

    しんみりしてまう。

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    2017年12月24日
  • 森のなかの海(上)

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    震災から繋がる、繋がる。
    ああ、こうなるのね。

    だけどまだ、感動はない。

    いろんな登場人物を忘れないようにしてる。

    どうなるのかな、
    女性のストーリー…?

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    2017年11月29日
  • オレンジの壺(上)

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    本当に久しぶりの宮本輝です。一時は嵌まってたんですけどね。
    なんだか何も解決しないまま投げ出されたような読後感です。謎が謎を呼ぶミステリー仕掛けで話を引っ張って行くのですが、最期に何も謎が解決せぬまま「それで良いんだ」と終わってしまいます。
    一方メインテーマである主人公・佐和子の成長にしても、最初からさほど魅力がないようにも思えないし、最後になって魅力的になったとも思えない。なんだか何が書きたかったのか判りにくい作品です。
    とはいえ、読んでるうちは流石に読者を引き込ませる美味さを感じるのですが。。。

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    2017年11月08日
  • 月光の東

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    著者の作品として複雑な内容だった。主人公の女性をめぐる男達の出逢いと葛藤。加古の死は謎は?読者に想像を委ねる、そういう手法なのだろう。2017.11.8

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    2017年11月08日
  • 睡蓮の長いまどろみ(上)

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    さすがと言いますか、読み始めると引き込まれてしまいます。やはり宮本さんの文章は私の波長に合うようです。
    しかし、アウトラインを書こうとすると悩んでしまいます。息子と母親の再会の物語。両親の離婚に隠された秘密。このあたりがメインストーリーなのですが、その他に"十七歳の少女の目の前での自殺"および"内なる女性"というもう二つの流れがあります。少女の自殺は伏線として意味のあるものですが、あまりに扱いが大きすぎるように思えます。更に内なる女性については、この設定が何故必要だったのか理解に苦しみます。
    もう一つ、私が宮本作品から離れ始めた理由−−物語りの流れと

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    2017年10月30日
  • オレンジの壺(上)

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    離婚したばかりの佐和子が亡き祖父から残された日記帳を読み、祖父の隠された過去の真実を求めてパリへ旅立つ。
    読みやすい文章で祖父の生きていた時代へと誘われる。

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    2017年10月24日
  • 彗星物語

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    このような大家族ものはともするとキャラクター小説になりかねないが、この作品はそんなことなかった(強いて言えば飼い犬くらいか)。
    文化の違う人が一人、この大家族に入り込むのであるから当然事件は起きる。ただ、昼ドラのような超絶ドロドロ事件でもなく、あっというどんでん返しも起こらない。さーっと読んでいるとそこまで気にしなくても・・・なんという瞬間もありそうなくらいである。しかしそこで生活する人にとってみれば大きなこと。この世の中の大ぜいにとっての事件なんてそんなものだろう。所詮他人にとっては自分の身に降りかからないことについては他人事なのだ。
    大事件は無いにしろ、この留学生が結局この家族に大きな影響

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    2017年09月25日
  • ドナウの旅人(上)

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    インターネット上で高評価だったので、試しに買って読んでみたのですが、とても満足しています。

    この作品で中欧、東欧に興味を持ちました。
    読んだ当時は大学生で、道雄という「不思議な雰囲気を醸し出す青年」に憧れて、あぁいう雰囲気の大人の男になりたいと思っていました。

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    2017年08月19日
  • 道頓堀川

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    決して恵まれた環境でないながらも、自分の腕や感覚を信じて生きなければならない。そんな人々で溢れている話。
    貧困だからといって終始悩みに埋め尽くされているような悲しい話というわけでもなく、かといって力強く前進していく、という話でもない。ビリヤードの腕だったりコーヒーの腕だったりファンの多いゲイボーイやストリッパーだったりなにかひとつ特技はあるけれど、それでも何かに依らずに生きていけない。それを自堕落的な生活様態を送る者を出さずに表現しているところは見物。

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    2017年07月25日