宮本輝のレビュー一覧

  • 幻の光

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    少し怖いような、それでいてじんわりと優しいような気持ちになる。
    神がかり的でなく、日常の中に潜む奇妙な出来事は何かを暗示して、読み手である私をもさらっていくようだ。

    時代背景と関西が舞台であることも、私には懐かしさと哀愁を感じさせる。

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    2011年05月14日
  • 約束の冬(上)

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    ネタバレ

    実は、下巻まだ買ってません。


    でも、空を飛ぶ蜘蛛の話、ちょっとこれはびっくり。

    面白かった。


    でも・・・
    話が淡々と進みすぎるんですよね。

    なんか、パッションが無い。

    でてくる人がみんな、性善説を絵に描いたよう無い人ばかりで、毒がある人がいない。
    それがなんか、味気ない。

    まぁ、宮本輝の作品って、悪人らしい人はあんまり出て来ないんだけどね。

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    2011年05月12日
  • 焚火の終わり 上

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    ネタバレ

    宮本輝の作品のわりには・・・近親相姦がテーマって!しかも、同性愛まででてくるなんて!と、ちょっと驚きました。。。

    でも、なんかそうなるんじゃないかなぁ・・・と途中から思っていたから、そうなったときにはちょっと嬉しかったけど。

    後半も楽しみ!

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    2011年05月12日
  • 避暑地の猫

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    初版が1985年。再読。誰の言っていることが真実なのか。貴子の可憐さがどろどろな別荘での出来事との対比で際立つ。修平の母親の表裏の乖離が受け入れ難いところあった。久保家の人々が、布施家の人々も、著者が好んで使う「魔」という隘路に迷い込み軽井沢の地で翻弄されていく。とても悲しい物語だ。

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    2011年05月10日
  • 約束の冬(下)

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    2000年10月から2001年まで1年間『産経新聞』に掲載され、2003年に単行本として出版された作品。

     主人公の留美子は22歳の時、7つ下の少年から10年後の結婚を申し込まれる。10年の歳月を経て、かつての少年とその家族との付き合いがはじまっていく。

     率直に言って、前半にふくらませたストーリーを後半で回収しきれていないように感じた。進めば進むほど話が拡散し、何を言いたいのかつかめないまま終わってしまった感がある。無駄な描写よりはストーリーの構築の方に力を入れて欲しかった。

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    2011年04月24日
  • 約束の冬(上)

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    2000年10月から2001年まで1年間『産経新聞』に掲載され、2003年に単行本として出版された作品。

     主人公の留美子は22歳の時、7つ下の少年から10年後の結婚を申し込まれる。10年の歳月を経て、かつての少年とその家族との付き合いがはじまっていく。

     率直に言って、前半にふくらませたストーリーを後半で回収しきれていないように感じた。進めば進むほど話が拡散し、何を言いたいのかつかめないまま終わってしまった感がある。無駄な描写よりはストーリーの構築の方に力を入れて欲しかった。

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    2011年04月24日
  • 胸の香り

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    これはすごい、というような作品はない。どれもが静かに頭の中で響き続けるような滋味深い短編集。本自体とは関係ないが、解説の「小説家は修羅」という言葉が気に入った。

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    2011年04月04日
  • 避暑地の猫

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    う~む。マジで誰か解説してほしい。主要人物の心情や言動の脈絡がわからないというか、矛盾を感じるというか、最後は???の連続でした。期間をおいて読んだので、理解が足りなかったか。
    ・株買い取りは秘密裏のはずが、地下室を暴露するとはどういう料簡?
    ・父はいつ知った?知った後の心の変化の軌跡は?あと無口になった理由も理解できず。
    ・母の真意は?最後の驚愕の事実との関連性は?二重取り?(これ一番のなぞ)猫?
    ・主人公は少し激しすぎやしないか?(笑)
    ・姉をそそのかしたのは?自ら?正体は猫?蛇?
    ・刑事はなぜわかったのか?勘?(笑)
    などなど、他にもありますが・・・、ネタバレにならないように奥歯に挟まっ

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    2011年09月03日
  • 人間の幸福

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    宮本輝は終わりに行くまではおもしろいのに、最後でちょっと拍子抜けしてしまうところがある。一人の中年女性の殺害事件が軸ですが、これはミステリー、というものでもない。人間ドラマを描いている、という方が正しいかな。

    前半と後半で色がだいぶ違います(阪神大震災の影響とか…)。
    説教くさいと言えばそうだけど、喫茶店のオーナーのくだりはなんとなく好きです。

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    2011年04月19日
  • 人間の幸福

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    ネタバレ

    長らく読んでいた宮本輝さんの「人間の幸福」
    やっと読み終わりました。
    内容や展開とタイトルがどう繋がって行くのかが
    中盤くらいまでは読めなかったのですが
    最後までたどり着いてみると作者の言わんとすることが
    分かってきたような気がします。

    うちの母はよく夜に車で走っていると
    こんなことを言っていました。
    あの家一軒一軒にそれぞれの家庭があり、暮らしがある。
    窓から灯りが洩れているのを見ると
    その家族の生活を想像してしまう。と…

    ひとつとして同じ家族の生活はなく、
    ひとつとして同じ人生はなく、
    当たり前なのですが人生感も価値感も恋愛感も性癖も違う
    人間が何億とこの世で生きているのです。
    だから

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    2011年02月08日
  • 人間の幸福

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    強引なところ(この人は昔からそうだった。最近気づいた)、ご都合主義のところもあるが、読み物として面白かった。人にとって幸福とはなんだろう。自分の子供のころ感じていた「幸福感」のくだりは、納得がいった。それが、損得の無い、本当の幸福感なのかも。

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    2011年01月26日
  • 生きものたちの部屋

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    珠玉のエッセイ。小説の背景になるような著者の私生活が垣間見られるが、難しそうな人なんだなーとも思わされた。

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    2010年12月15日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    熊吾の勢いは、すっかり落ち着いてしまった感がある。3部ごろまでの熱い人情よりは、還暦を迎えた人間に相応しい、ひっそりとした情感が漂う。

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    2019年01月16日
  • 葡萄と郷愁

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    文章は流石、きれい。

    しかし、二人の女性について
    交互に話を進める必要はあったのだろうか?
    時間軸以外に二者に関連はなく、
    『凝った設定にしてみました』
    という感じしか受けなかった。

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    2010年11月09日
  • 避暑地の猫

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    借本。
    著者の本はこれが初めて。
    ねっとりとした感じや、場面の耽美さが、頁をめくるのを加速させてく。
    人の魔の感じが凄い。ゾワゾワする。
    著者の違う本も読んでみたくなった一冊。

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    2012年12月29日
  • 約束の冬(下)

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    ちょっと意外な結末。少し物足りない終わり方。
    でもやっぱり、宮本輝さんの作品の世界観と人物はとても好き。

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    2010年10月24日
  • 花の降る午後

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    フランス料理店のマダムに訪れる恋と災難。
    いろいろと葛藤はあるのだろうけれど
    それさえも優雅に見えてしまううらやましい境遇です。
    悪い人たちの力関係がよくわかっていません。
    結局松木とかどうなったんだろう。

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    2010年08月29日
  • 月光の東

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    ちょっと読みにくかった。男性の自殺に絡んで、謎の女性を追いかける、というのが話の筋。けれど、この作品は謎解きについては熱心ではない(?)、というか、そこに主眼を置いている作品ではないです。謎の女性を追う、という点で同じような筋で東野圭吾さんの『白夜行』と、宮部みゆきさんの『火車』を思い出した。ある意味、ありふれたプロットなのかもしれない。けれど、この作品は謎の部分については結局わからないままで、むしろその謎の女性、塔谷米花に関わった人々の過去と現在に焦点をあてています。なので、ミステリー的なエンターテイメント性はあまりないです。これは、自分が作者に肩入れしすぎなのかもしれないけれど、ある側面か

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    2011年07月17日
  • 葡萄と郷愁

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    外交官との結婚を迷いながらきめた主人公。
    好きじゃない男性を、一緒に暮らしながら、少しずつ好きになる。
    女性はまず日々の暮らしに満たされなくてはならないから。
    この作品を読んだ当時は、私もそんなことが簡単にできてしまうと考えていた。
    マスカットを一房くれた幼なじみの男の子。汚い部分を見ても、出会った頃の光が失われても、私ならずっと一緒にいたいと願う。
    時間は流れる。いいようにも、わるいようにも。
    女性の幸せと、おかれた環境、時代、時間…考えてしまう作品でした。

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    2010年08月16日
  • 星宿海への道

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    タクラマカン砂漠の村から、自転車とともに消息を絶ってしまった兄。
    血のつながらない弟が彼の過去に迫っていくうちに、自分の知らない間に兄と将来を約束していた女性と兄の子どもとも出会う。
    いつも兄との間に“溝”のようなものを感じていた。
    いったいに兄の過去、人生とはなんだったんだろうか・・・。

    過去を追って、いなくなってしまった人の人生に迫る話。近くにいたはずなのに、いつも遠くに感じていた。人間って、結局は理解し合うことは難しいのかな、ってやっぱりなんだかドンヨリしてしまうのよね。

    ただお兄さんが、その過去を抱え込みながら、前を向いて歩いていこうとしていたんじゃないか、っていう終わり方のような

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    2010年08月15日