宮本輝のレビュー一覧
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久々の宮本輝氏の作品。10年くらい前まではよく読んでいたけど、最近は上巻の途中で中断してしまうようなことが多くて。これは久々に貪るように読み、マーカー片手に線をひきまくりました。宮本氏の作品には得てして佐伯さんのような人物が出てくることが多いような。何もかも見透かしたような感じ、人生の指針を与えてくれるような。実際には自分はそんな人物には出会えないので、主人公にかけられた言葉を咀嚼して自分に当てはめて、未来を見据えようと感じさせてくれる。私が今、このタイミングでこの本を読んだ。これもまた必然なのだろう。人生を変えるかもしれない、もしかしたら変わらないかもしれない、決意を迫られている今。
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Posted by ブクログ
伸仁が 小学生高学年になる。
それにしても、熊吾、房江の生活がすごい。
電気のないビルで生活する。
外の水道水でシャワーをする。
撤退を潔くする熊吾が残ったものはわずかだった。
60歳をむかえている。
タネをまいたものが少しづつ返されるのであるが。
大きな事業をするには、たりない。
伸仁は、蘭月ビルに住む 妹のタネと寺田が住む家庭に預ける。
蘭月ビルの住人は 朝鮮人を初めてとして、貧乏な人が多い。
そして、訳ありの人である。
ゴーリキーの「どん底」を思い出させる。
関西の特徴がよくでている。
戦後の混乱期から、ある意味では 朝鮮人というのが
独特の意味を持っていた。差別と言う言葉の対象でもあ -
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この本を読みながら、読んでいるとずいぶんと疲れる本だ。
と感じることだ。
宮本輝の父親を モデルにして
戦後の波乱期のなかで 50歳になって 子供を授かって
子供と妻のために 郷里に戻り
そこで、自然と健康を取り戻させようとする 松坂熊吾の
父親として 生きていく姿 がある。
伸仁は まだ4歳で 不確かな自己の中に
閉じた人生をおくっている。
房江も 鮎を手で捕まえるという 妙技があるなかで
田舎伝説ができて、噂になるほどの美人であるが。
イメージとして 樋口可南子を思い出した。
宮本輝は この本を通して 日本の昔からある 道徳と躾を
克明に刻んでおこうとしているんだなと思った。
その -
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中学時代に本小説のドラマをやっていた。主演は石黒賢(確か彼のデビュー作)。そして佐藤浩市、二谷友里恵、川上麻衣子らが出ていた。松田聖子の「青いフォトグラフ」が主題歌で毎週楽しみにしていた。
いつか原作を読んでみたいと思い、6年ほど前にようやく読みました。
ドラマは関東が舞台だったけど、原作は関西なんですね。ドラマも良かったけど、原作もとても良かった。
椎名燎平が大学の4年間、テニスを通して成長していく姿が描かれている。夏子への片思い。良いです。最後はとてもせつない。でもでも何度でも読み返したくなります。読み終えて本を閉じると「青いフォトグラフ」が聞えてきます。