宮本輝のレビュー一覧

  • 三千枚の金貨(下)

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    「20年待てない人はたかがしれている。」というような意味のセリフがあったが、趣味で盆栽をしているせいかこの時間の長さへの精神的な捉え方は考えさせられたし、忘れられない言葉になりそうです。
    宮本輝さんには人生を教わる事がとても多いけれど、草原の椅子だったか、他の作品だったか忘れけれど、「男は耳をしっかり洗わないといけない」というようなセリフも覚えていて、読んだその日から今に至るまで耳を洗わなかった日はない。

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    2024年04月06日
  • 三十光年の星たち(上)

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    宮本輝さんの作品にはいつも感動させられます。今の自分が主人公の立場だったら、この状況から逃げてしまうだろうと思いながらも、逃げなかったらこうなっていた話が書かれている気がしました。下巻が楽しみです。

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    2024年03月05日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    自尊心より大切なものを見つける。
    自分で実際に見聞きしたものだけを信じる。
    心根の腐るような言動はしない。
    何が起きても、大したことはない。
    主人公から我が子へ送る言葉が、心に響く。
    些事にとらわれず、我が道をひたすらに突き進む主人公の生き方が、かっこいい。
    妻が喘息にかかっている情報を得ても、すぐに連絡をせずに、目の前の雑事をさらっと片付ける姿がなんだか心に残った。

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    2024年02月29日
  • 約束の冬(下)

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    色んな大人がいて、それぞれ意思があって約束がある。約束は守るという至極当たり前のことをできる大人になりたい。逆に言えば守れない約束はしない。律することもできれば破ることもできる。力を入れるより抜く方が難しい。

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    2024年01月07日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    登場人物が多く、ごちゃごちゃしている話なのに、すっと頭に入ってくる。まさに映像が思い浮かぶような物語。主人公の主義主張が好きなんだよなぁ。今の時代にはそぐわない、もしかしたら古い価値観と言われてしまうかも、でも芯が通ってるように思う。次も読もう。

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    2024年01月03日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    第一部に引き続き、一気に読んでしまった。
    主題がありすぎるんだけど、ごちゃごちゃしてない感じがすごい。次も楽しみ。

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    2023年12月14日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    長編第一部
    宮本輝の父親を描いたとされる自伝的小説。
    豪放磊落、しかし、決して完璧でない、むしろどこか精神的な病を患っているかのような主人公の在り方に、とても惹かれた。今の時代には、おそらく受け入れられないであろう。だからこその憧憬かもしれない。魅力的で人間臭いキャラクターが多数登場。続きが楽しみ。

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    2023年12月10日
  • 草花たちの静かな誓い

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     久しぶりに宮本輝さんの本を読みました。私のおススメの作家さんの一人です。私が勝手にイメージする宮本輝さんの本に登場する主人公は、①それなりの教養を備えている、②運を持っている、③自分を引き上げてくれる出会いや人とのつながりがある、の三つかな。なのですごく羨ましくて、自分もこんな人物になれたらいいなと思いながら読むことが多いです。
     「草花たちの静かな誓い」は、もし読者が宮本輝さんについてなんの予備知識も無しに読むことになったとしたら、たぶん「ミステリーかな?」と感じてしまうかもしれません。でも本のタイトルはミステリーっぽくなくて「あれ?」と思うかも。そこが宮本輝さんらしいのですが。
     この本

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    2023年11月09日
  • 螢川・泥の河

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    丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸
    人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が
    子どもの視点を通して不器用に映し出される
    忘れた頃にまた読み返したくなる一冊

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    2023年11月01日
  • 草花たちの静かな誓い

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    ネタバレ

    泣いた。
    読んでて本を伏せたくなるような辛い場面もあったけどキクエさんの娘を思う強さと優しさに胸が熱くなった。
    娘さんを逃した後結婚生活を続けるところも、どうしてと思う反面、
    娘と娘を引き取ってくれた夫婦に危害が及ばないよう、事件の波風がたたないようにすることと、夫を監視するためだったんだろうなと思うとすごく理解できる。

    私自身、3歳の娘の子育て中で子どもを手放すことがどんなに辛いことかわかるので、キクエさんの英断の凄さがわかる。

    最後空想で美しい庭の中でのキクエさんと娘さんの抱擁が描かれるがそのシーンで涙が止まらなかった。

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    2023年10月21日
  • ドナウの旅人(下)

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    ネタバレ

    主人公4人を軸とし、その他脇役の人々の心情や背景が丁寧に描かれ、一人一人の人生はまるでドナウ河のようだと思わせた。

    絹子には最後まで嫌悪感を拭いきれなかったが、彼女は最も身勝手で最も幸福な人生を歩んだのだろう。
    シギィとペーター2人の王子様争いが見たかったなと思った。

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    2023年10月09日
  • 螢川・泥の河

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    確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。
    今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗
    幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品

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    2023年10月08日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前巻から、打って変わっての空気感。
    人生何が起こるかわからない。変転、流転は、常のものか。
    その中でも、変わらぬ己の特質がもたらす陥穽。

    行というものの大切さなども、物語の伏流の中で描かれる。
    銀行の空気や、ふとした瞬間に熊吾が思い出す、戦死した戦友たちへの申し訳ないという思いなど、今の時代に失われた日本の文化や教えというかなんというか、知恵?なのかを、うっすらと、されどさり気なく、伝えてくれる。

    伸仁の成長と、熊吾の衰え、そして暗雲立ち込める展開。
    最晩年にでも、破滅的な転落が起こりそうな予感。

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    2023年10月01日
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―(新潮文庫)

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    時代の息吹を感じられる。
    歴史的な経緯を庶民のその時大阪にいた人間として追体験できる。
    生半可な現代史よりもリアル。学問では、知ることのできないもの、知覚できないものを、表現している。文学というフォーマットで表現できるものがあることの実例かも。

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    2023年09月24日
  • 三十光年の星たち(下)

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    仕事にどう向き合っていくかを考えさせられた。
    とてもいい意味で、3年で1人前という考え方が覆される。自分がどんな大人になっていきたいか、どんな生き方をしていきたいかという、大きなことを問いかけてくれる本。
    20代で出会えて本当に良かったな。
    人生の分岐点で、必ずまた読み返すだろうな。

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    2023年09月20日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    凄惨な人間生活。
    熊吾の激しさ(暴力と経済力)が、そして運が回復してきたように感じる。
    それと対になる、蘭月ビルの人々の生活。破滅的な生き方をする者、他人の生き血を吸う者、そうした生活の中でも文化的に精神的に生きる者、ぐれずに育つ子供たちの純真さ。
    人間と人間の打ち合いの中で鍛えられる伸仁。

    コンプラや、多様性、パワハラはなどなどは、大切なことだが、他方でこうした人間との打ち合いによる鍛え方の機会をなくすのかも知れない。だが、果たして、人間のそんなものが無くせるはずもなく、綺麗事とお題目だけで、楽園を実現することもできない。自分の中にも、そうした闇はあるし。自覚できない中で。。
    そうした人間

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    2023年09月19日
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―(新潮文庫)

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    自尊心より大事なものを持たねばならない。

    富山へ移った松坂一家。
    様々な苦難が降り注ぐ。
    その中で、地味溢れる言葉に溢れている。

    徐々に苦しくなる熊吾と家族。追い詰められて来ているが、その中でどう生きていくのか。。

    熊吾のパワーが落ちて来ている感じもある。
    そして、人間の悪意や行動も、善悪ではなく、一つの自然現象なのかも知れない、という印象が浮かぶ。

    後書きで、今後の描かれる内容にも期待が高まる。どの様なことが生じるのか。早く次が読みたくなった。

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    2023年09月17日
  • 青が散る(下)

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    ネタバレ

    主人公は大学でスポーツに打ち込み友人たちに囲まれ、一見リア充のようにも見えるが、本気で惚れた女には言いたいことの半分も言えない、今の何者でもない自分に対する不安にただ今はテニスに直向きに打ち込むしかないという部分にはいじらしさや青春の影を感じた。
    主人公はその潔癖さ故に結局は夏子を受け入れず、主人公だけが最後まで若者だった。しかしそれも直ぐに喪われてしまうのだと思うとなんだか切なくなった。

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    2023年09月13日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    人間を具に、描いていくとこういう小説になるのか。
    テーマが分からないと思っていた。夫婦、親子、商売、戦後の社会、人間関係、親子関係、恋愛、任侠、などなど色んな要素が描かれていく。どの表象も、人間がおこすこと。自らの意思であったり、抗えない環境や抑えられない衝動だったり、そんなもの全てがごった煮である人間(ジンカン)の中で、人間(にんげん)がどう生きていくのか、子どもを育てる親も人としてどういう存在なのかが、描かれていてる様に感じる。
    そうして人間を見つめていくと、今流行りのダイバーシティ&インクルージョンに通ずるセリフが出てきたり、人情は哲学の範疇に何故入っとらんのかという言葉が出てき

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    2023年09月12日
  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    人間の複雑さ、極まれり。ゴタゴタとした中で、徐々に熊吾が、房江の人物が立ち上がってくる。

    感動的な場面があったかと思うと、裏切る様に短絡的に動く熊吾。支離滅裂で、非常に賢いところと、非常に愚かなところと。様々な感情と側面が同じ人間の中に同居しており、そんな人間が集まって、すったもんだしている。

    いっ時の言動は、大事だが、それらは表層的なものであり、それらを生み出す性分、変えられない業が人間にはあるということか。

    作中で、宿命、環境、自分の中の姿を見せない核という、三つの敵について熊吾が考察するところが秀逸。人間の言動は、意識的なものだけでなく、これらによって影響制限を受けていることを、自

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    2023年09月10日