宮本輝のレビュー一覧

  • 錦繍
    『錦繍』 著者:宮本輝 / 出版:新潮社

    ----------------

    2024年現在で1番没頭して読めた本『錦繍』

    昭和60年に発行された本書は、古いながらも
    男と女の恋愛観や貞操感をみごとに表現しています。

    ざっくりとした内容。離婚した男女が10年振りに
    奇跡的にであい、そこから文通...続きを読む
  • 錦繍
    なんという読み応えのあるお話なのでしょう。読み終わった後の心の充実感が半端ない上に、二人の生きる強さに圧倒される。亜紀と年齢が同じなだけに、経験の深さと人物の醸成のされ方が凄いと思ってしまった。10年以上歳が離れてるように思う。

    あの事件の真相は何だったのか、という単純な話じゃなかった。

    あの事...続きを読む
  • 優駿(下)
    感想
    読み進めていくうちにどんどん続きが気になる展開だった。オラシオンという馬にかけた様々な人々の夢を見た。最後の最後まで分からない展開にシビれた。

    ノーザンダンサー、プリンスリーギフト、ボールドルーラー、ダビスタ思い出す。種付けの方法が原始的なのにびっくりした。また、種付けが不発に終わるとお金が...続きを読む
  • ドナウの旅人(下)
    お母さん(;;)
    余韻が素敵すぎる、出会えてよかった作品。
    ドラマ?があると知り、見てみたいと思ってます
  • 野の春―流転の海 第九部―(新潮文庫)
    現在松坂熊吾ロス状態。
    37年かけた小説が遂に完結。37年ですよ、完結を待たずに亡くなった方もいらっしゃるでしょう。筆者自身も申し訳なかったとインタビューに答えておりました。そう思うと私は運が良かった。
    偶々この小説を知ったのが50歳になった昨年で、第一部の感想にも書きましたが、主人公松坂熊吾も同じ...続きを読む
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)
    ついに8巻まで読んだ。長かった。あと一冊で終わりかと思うと、とても寂しい。
    登場人物の何人かのことは忘れてる。
    仕方ない。
    でも何十年もかけて書かれた長いものがたりを、ぼくは二年かけて読んでいる。駆け抜けるような速さなのかというとそうでもない。
    ぼくは読むのが遅い。

    話は、中古車センターを立ち上げ...続きを読む
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    北朝鮮へ日本人が自ら行くような時代があったのかと、驚いた。市井に根付いた歴史観を学べるのも本書の魅力ではないだろうか。ついに6巻。毎度、面白い。
  • 水のかたち 下
    一つの茶碗を手にしてから人との縁や繋がりが広がり続けて、様々な人と接する事や様々な事が日常に起こるけれど主人公は自分という尺からは無理をして逸脱せずに、常に自分というものを大切にしている。主人公はその素晴らしさに気がつかないが友人はそれを感じて影響を受けて、人生の捉え方や生き方が変わっていく。
    人と...続きを読む
  • 水のかたち 上
    人と人とが何故の縁で出逢い、そしてその時を境にそれぞれの川が合流して新たな畝りを形成していくように時は流れる。
    キャノンボールアダレイのジャスを聴きながら、早苗の純粋で清い心に心打たれ、上は終わり。
  • 星々の悲しみ
    中学の国語の教科書にて「星々の悲しみ」が載っていたのがキッカケでした
    他のストーリーも含めて珍しい経験ですが無くはないよね、というストーリーという印象です

    個人的に非現実的な設定のストーリーは面白くて当然、日常をどれだけ面白く書けるかを期待しているタイプなのでこの作品は私に合っていて非常に面白かっ...続きを読む
  • 三十光年の星たち(下)
    よかった
    内容に感動したというより
    文章に心打たれた

    上巻より付箋だらけになってびっくり
    忘れないうちに書き出そうと思う

    私はあることに修行中(⁈)の身

    教わり導かれる立場として
    教え導く方々の言葉が沁みた

    人との出会いが
    人生を変える

    よい出会いをしたい
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    在日朝鮮人と言われた人々の暮らし、思想、逞しさが伝わってきた。毎回のように、重厚なテーマが物語の根底に流れていて、読み応えがある。
    人間性を形作るのは環境。まさにその通りだと思う。特に子供の時分はその影響力が計り知れない。良い環境とは何か。考えるきっかけにもなった。
  • 三十光年の星たち(下)
    憧れることを諦めた人がこの作品を読むと、胸がちくちくすると思う。少なくとも私はそうだった。
    若さとは愚かであることではなく、愚かしいほど純粋であることをわからされた。私は少なくとも、今はそのような歳ではないし、そのような人との出会いもない。主人公をあえてアラフォーの成年を選んだのは、宮本輝本人が苦労...続きを読む
  • 焚火の終わり 下
    人に秘められた謎を快楽の燃料とし、聖なる何かを生み出す。主人公の2人にとってはそれは出生の謎であり、自分たちは血のつながった兄妹なのか、ということで、ふくよかに支配され、残忍な愛撫を返す、深い快楽の関係につながるわけだが、謎が謎のままにしたい、でも知りたい、という葛藤と揺らぎを辿り、結局そこを明らか...続きを読む
  • 三千枚の金貨(下)
    「20年待てない人はたかがしれている。」というような意味のセリフがあったが、趣味で盆栽をしているせいかこの時間の長さへの精神的な捉え方は考えさせられたし、忘れられない言葉になりそうです。
    宮本輝さんには人生を教わる事がとても多いけれど、草原の椅子だったか、他の作品だったか忘れけれど、「男は耳をしっか...続きを読む
  • 三十光年の星たち(上)
    宮本輝さんの作品にはいつも感動させられます。今の自分が主人公の立場だったら、この状況から逃げてしまうだろうと思いながらも、逃げなかったらこうなっていた話が書かれている気がしました。下巻が楽しみです。
  • 錦繍
    過去が今を作り、今でさえ未来の何かを担っている
    宇宙のカラクリ
    人の業とは?を考えた。

    どの主人公の顔も姿も街並みもリアルに感じ取ることができる一気読み系の作品だった。

    哀しい出来事、進む時間、
    自分の気持ちと向き合うにも時間が必要だなとも思わされた
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    自尊心より大切なものを見つける。
    自分で実際に見聞きしたものだけを信じる。
    心根の腐るような言動はしない。
    何が起きても、大したことはない。
    主人公から我が子へ送る言葉が、心に響く。
    些事にとらわれず、我が道をひたすらに突き進む主人公の生き方が、かっこいい。
    妻が喘息にかかっている情報を得ても、すぐ...続きを読む
  • 錦繍
    開成中高の国語教諭が中学生時に同校国語教諭から勧められた、という話から手に取ったもの。
    あらすじを見て期待出来ないと思っていたが、やられた。昭和の小説らしい文章の美しさに。言葉選びのセンスと両者の奥ゆかしさが、か弱く心に響く。
    宮本輝氏の舞台はいつも自分に身近なところであり、風景が重なっていく中で、...続きを読む
  • 錦繍
    素晴らしかった。有名な往復書簡の小説。

    かつての夫と、蔵王のゴンドラの中で偶然再会をし、長文の手紙のやり取りが始まる。

    10年前になぜ離婚しなければならなかったか? 
    納得しないまま別れることになったある事件。
    その真相と、10年間の空白を手紙が埋めていく。

    お互いに過去を見つめ直し、呼び起こ...続きを読む