宮本輝のレビュー一覧
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超大作を何年もかけて読みました。
熊吾と彼を取り巻く人間それぞれが実に人間味あふれていて魅力的である。
特に豪傑な熊吾の言葉の端々には深く胸に刺さるものがたくさんあった。若い頃から人を魅了し惹きつけるそして怖いものなどない熊吾も、老いるにつれ様々なことがうまくいかなくなり熊吾の人生の最期は私の心情としてはなんとも複雑で悲しい終焉であった。どんな強い偉大な人間もちっぽけであっけないものだなと。
妻である房江には同じ女性として同情と芯の強さに畏怖の念を持つ。可愛らしい。
登場人物がたくさんすぎて感想はキリがないのでこの辺にしておこう。
熊吾の言葉は読み返して書き出して、人生の訓にしたい。 -
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ネタバレ戦後直後の貧しい日本。小さな食堂の子の信雄が、船上で売春をして糊口を凌ぐ家族と交流を持つ。
信雄の目を通して売春を見つめさせられた。
それは、世間では卑しいとされ、軽んじられるが、信雄にはなぜだか分からない。
売春が道徳的非難に値するかどうかは色々な意見があるけれど、今日も子供がご飯を食べれるように、親が自分を顧みずにお金を稼ぐことのどこが低俗なのだろうか。
信雄は、平然と蟹を燃やす喜一を見て、その垣間見える狂気に戦慄を覚える。
母は、自分ら子供が飢えないために身体を売り、侮蔑される。そんな世間は、自分は飢えろというのか。自分がいなければ母は軽んじられることなく幸せな生活を送ることが -
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まさに宮本輝小説の真骨頂、日常生活の中で経験する様々な出来事を通じて感じる人生の機微を見事に表現していて、普段忘れていた感情をしみじみと思い起こされた。
文庫本最後にある木内昇さんの解説文が言い得て妙だと思いますので記載させてもらいます。
「この空気の中にずっと浸っていたいと願う気持ちが、残りのページが次第にすくなくなるにつれ、否応なく高まっていった。」
「一見なんら問題もないように見える人も含めて、誰しも抱えているものがある。当然ながらすべてが理想通りに整っている人などいないのだ。それを忘れて、相手を上辺だけで判じて、人と比べたり羨んだりすることの、なんと無益なことだろう。」 -
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大学生の時、友人に勧められて読んだ「優駿」「青が散る」が深く心に染み渡り、青春時代のもやもやとした思いや生きている中でふとしたことで感じる縁や運命的なことを重ね合わせ、その後、事あるごとに読み返しています。
宮本輝さんの小説は、心の中に鬱屈した感情も抱えつつ、様々な事柄や周囲の人たちに翻弄されながらも、人生に向き合っていく心の根のきれいな主人公を丁寧に描いていて、生きることの大変さとそれでも生きていくことの意味を考えさせられて生きる勇気と人生の深さや豊かさを感じられるので30年来の愛読者です。
吉本ばななさんとの対談の中からお二人に通ずる人生観に触れられて、何かとても爽やかで幸せな気持ちになり -
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『流転の海』全巻で毎日芸術賞
とうとう第九部まで読み終わってしまった。
達成感というより、まだ読み続けたいという思いが強い。
1巻目を読み始めた時は、熊吾に対する嫌悪感が強く、すぐにリタイアするものと思っていたが、宮本輝の読みやすい文章にも助けられ、ゴールインしてしまった。
数多くの裏切りにも会い、晩年は落ちぶれてしまった熊吾だが、無償の親切を施した、たくさんの人たちから、大将、大将と慕われたことも事実。
また、幼少の頃から、さまざまな悪所(ストリップ劇場、競馬、祇園のお茶屋、キャバレー、パチンコ屋など)を連れ回され、熊吾なりの人生訓を教え込まれ、人生勉強をさせてもらった伸仁(宮本輝)が -
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書簡体が心地良いです。
別れた男女の偶然の再会が、
過去を引き釣り出し
どうにも堪えられない思いが
手紙を出すという行動にかわり
互いに過去を責め合い
やがて過去を追い越す。
2人の手紙のやりとりに
胸にくるものがあります。
作品とは関係ないですが、
私も転勤先で偶然、学生時代の同級生と同僚として再会し
驚いて声を掛け合ったのですが、以降なぜか避けられて
いる気がします。初日がピークで、漫才の出オチみたいだなと
思ってます。
宮本輝さんは初めて読みましたが、
文章がするすると流れているようで、
一旦読み始めると苦もなくページが
進みます。
古本屋で買った文庫本に、元の持ち主のメモが
栞が -
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宮本輝さんの本を読むと、ちゃんと生きていこう、自分も周りも大切にしよう、と思う
はんなりとした関西弁の会話が心地よく、私の勝手な印象では、経済的にも精神的にも豊かな人物が、その財産を有意義に、そしてあたたかく使うお話 が多い気がします
この小説も90歳のファンキーなおばあちゃんが、350万円を一晩、いや、数時間でサイコーにステキな使い方をするお話
その親族たちもみんな、ちゃんと正しく育ってきた人たちばかりで、それぞれチャーミング!
心根の卑しい人が1人も出てこないところもほんと好ましい
宮本輝さん、時々無性に読みたくなります
そして、“ちゃんとしよう!”と思います