宮本輝のレビュー一覧
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全四巻。
富山の薬売りから見た幕末、明治を描きながら
“富山の薬売り”の実態も描かれている。
私の父は富山出身なので 微かに小さい頃その関係の薬が我が家にあった記憶が。
“富山の薬売り”の話は とても興味深く読ませてもらった。干し昆布が密貿易によって唐薬種と交換されていたこと。富山から薩摩まで片道35日、往復70日もかけて それこそ“薬を売る”為に “薬売り”たちは 歩き通したことなどなど。
主人公 川上弥一のドラマチックな人生を通して描かれていく。
幕末、明治の頃の話も 知っているのは 真正面から描かれた歴史。武士ではない一商人側から見た、見えた幕末、明治も興味深かった。
それにしても -
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昭和から令和への人生一代記。感情の安定した朴訥とした語り口。宮本さんのお人柄もそうなのだろうか?
光太は舞鶴にやってきた。すき焼肉800gと5つの種を預かって。舞鶴には姉の皐月ちゃんがいて、なぜかというと喘息持ちで祖父母に預けられていたのだ。プロパンガスが来て、風呂に取り付けられる。
ツルばあちゃんの誕生日に皐月と光太は木を植える。皐月はヤマボウシ、光太はコブシ。五老ヶ岳に登る。ここからの舞鶴湾の眺めが一番美しい。父母がやってきて駅まで迎えに行く。父は新車を買うという。父は日野ルノーを購入、事務所と工場を整備して、7人雇う。
伊勢湾台風が来て、一帯は停電になり、皐月の喘息発作が治らなくて -
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超大作を何年もかけて読みました。
熊吾と彼を取り巻く人間それぞれが実に人間味あふれていて魅力的である。
特に豪傑な熊吾の言葉の端々には深く胸に刺さるものがたくさんあった。若い頃から人を魅了し惹きつけるそして怖いものなどない熊吾も、老いるにつれ様々なことがうまくいかなくなり熊吾の人生の最期は私の心情としてはなんとも複雑で悲しい終焉であった。どんな強い偉大な人間もちっぽけであっけないものだなと。
妻である房江には同じ女性として同情と芯の強さに畏怖の念を持つ。可愛らしい。
登場人物がたくさんすぎて感想はキリがないのでこの辺にしておこう。
熊吾の言葉は読み返して書き出して、人生の訓にしたい。 -
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ネタバレ戦後直後の貧しい日本。小さな食堂の子の信雄が、船上で売春をして糊口を凌ぐ家族と交流を持つ。
信雄の目を通して売春を見つめさせられた。
それは、世間では卑しいとされ、軽んじられるが、信雄にはなぜだか分からない。
売春が道徳的非難に値するかどうかは色々な意見があるけれど、今日も子供がご飯を食べれるように、親が自分を顧みずにお金を稼ぐことのどこが低俗なのだろうか。
信雄は、平然と蟹を燃やす喜一を見て、その垣間見える狂気に戦慄を覚える。
母は、自分ら子供が飢えないために身体を売り、侮蔑される。そんな世間は、自分は飢えろというのか。自分がいなければ母は軽んじられることなく幸せな生活を送ることが -
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まさに宮本輝小説の真骨頂、日常生活の中で経験する様々な出来事を通じて感じる人生の機微を見事に表現していて、普段忘れていた感情をしみじみと思い起こされた。
文庫本最後にある木内昇さんの解説文が言い得て妙だと思いますので記載させてもらいます。
「この空気の中にずっと浸っていたいと願う気持ちが、残りのページが次第にすくなくなるにつれ、否応なく高まっていった。」
「一見なんら問題もないように見える人も含めて、誰しも抱えているものがある。当然ながらすべてが理想通りに整っている人などいないのだ。それを忘れて、相手を上辺だけで判じて、人と比べたり羨んだりすることの、なんと無益なことだろう。」 -
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大学生の時、友人に勧められて読んだ「優駿」「青が散る」が深く心に染み渡り、青春時代のもやもやとした思いや生きている中でふとしたことで感じる縁や運命的なことを重ね合わせ、その後、事あるごとに読み返しています。
宮本輝さんの小説は、心の中に鬱屈した感情も抱えつつ、様々な事柄や周囲の人たちに翻弄されながらも、人生に向き合っていく心の根のきれいな主人公を丁寧に描いていて、生きることの大変さとそれでも生きていくことの意味を考えさせられて生きる勇気と人生の深さや豊かさを感じられるので30年来の愛読者です。
吉本ばななさんとの対談の中からお二人に通ずる人生観に触れられて、何かとても爽やかで幸せな気持ちになり