宮本輝のレビュー一覧
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ネタバレ宗教観や、社会体制の違いを超えて、生きるとは、を考えさせられた。
最愛の息子を自らの過失で死なせてしまった宇野。妻とは離婚し、ほかの家族との関係も思わしいものではなかった。社会的にも理解を得られず、成り行きでギリシャに生きる。ギリシャで結ばれた女性、エフィーとの間に生まれた子は、死んだ息子の生まれ変わりであるが、同時に新しく共に歩む女性との間に生まれた新しい命でもある。主人公の中でこの2つの思いは矛盾しない。このことは、一神教の価値観のみでは理解が難しいと思われるが、単純に輪廻思想でもなく、両方を体験し、咀嚼したあとに得る納得なのではないか。生命はマッチをつなぐ薄いロウ(永遠=今)をつなぎ続け -
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ネタバレ「泥の河」… 昭和30年。戦争の影はまだ残り、河は汚く、みんな貧しい。子どもたちも汚いし厳しいことが多いけれど、今の子どもたちとは次元の違う何か大切なものを持っているように思えてしまう。最後、姉妹の舟を追いかけるお化け鯉は、その大切なものが去っていく象徴だったろうか。
「螢川」… ★5。自分のボキャブラリーではこのよさを表現できない。人の生と死、子どもであることからの決別、恋、大人として生活の責任と不安、どうなるかわからない将来への覚悟、等々。短編であってもいろんなことが描かれ胸に残った。よかった。
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久しぶりの再読。内容を忘れたと思っていたが、読みながら思い出してきた。初 -
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ネタバレ父親の借財から逃げる大学生の哲之と母。
暗闇の中、大阪の古いアパートの柱に打ちつけた蜥蜴。
大学で出会った純真潔白な陽子。
アルバイト先のホテルで出会った数々のボーイ。
京都で日本庭園や茶室のある家屋に住む沢村。
それぞれのストーリーを描きながら一つの話にまとめ上げていく宮本輝の技量の凄さ。
大阪の古いアパートの泥臭さと、京都の洗練された伝統的な風景の相対する描写が面白い。
それは、借財に追われる哲之と、金持ちお嬢様の陽子にも通ずるものがある。
最後に蜥蜴のキンの釘を抜くシーンは、爬虫類の体液まで鮮明に描かれていて、身の毛がよだった。
哲之と陽子の夜の描き方が大学生の青春らしくて良かった。
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若い頃、宮本輝さんが大好きでほぼ全ての作品を読んできたのですが、『幻の光』だけはまだ読んでいませんでした。たまたま手にとって見ると、一編目が私の馴染み深い奥能登を舞台にしているとのこと。実は毎年、能登へお墓参りに行っているため、作中に出てくる曽々木海岸の情景もよく分かり、描写がとてもリアルに心に迫ってきました。収録されている他の作品もすべて「生と死」をテーマにしており、宮本さんならではの美しい方言を用いた抒情詩のように描かれています。それは、すっと心の深いところに溜まっていくような感覚です。暗い影がベースにありながらも、その中にほんの少しだけ確かな光が見える、そんな宮本文学の魅力を、改めて深く
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素晴らしい作品。この一冊で男女の関係だけでなく、過去と未来、生と死、人間の背負う業など数々の事を考えさせられた。お互いの手紙によって物語が進んでいくという形式が時の流れと心情の変化を上手く運んでいた。この作品にだいぶ喰らってる。
人間には業があり、それに沿って人生が展開していく。人によってはその業は決して容易いものではなく受け入れがたいものかも知れない。ただ諦めて自死を選ぶのではなく、その業を受け入れた上でイマを必死に生きることで未来へと歩みを続ける。
「生きていることと、死んでいることは、もしかしたら同じことなのかもしれない」この宇宙の、生命の不思議なのカラクリはまだ俺の人生では理解でき