宮本輝のレビュー一覧

  • 水のかたち 上
    宮本輝の作品には、いかに多くの心根の正しいたちが出てくるのだろうか。
    石椀のお金と手文庫の手紙のこれからが、とても気になる。
  • 新装版 命の器
    エッセイの中に出てくるお父さんの記述が気になりました。流転の海を読んでいるから余計かもしれません。宮本輝さんの名作が、何をきっかけに書かれたのかもわかって興味深かったです。
  • 春の夢
    私と主人公の哲之を重ね合わせながら読みました。30年以上前に、父の事業が行き詰まり、夜逃げ。一家離散しました。当時、私は26歳、とりあえず友人のアパートに転がり込み、武庫之荘の4畳半一間、共同トイレ共同風呂のアパートに住んでました。日々、債権者が来ることに怯えながら過ごしていました。小説の中に出てく...続きを読む
  • 水のかたち 下
    物語以前に宮本輝の文章が好きである。
    読んでいると、ほっとして気持ちが温かくなる。
    この物語も主人公は恵まれた女性だが、「水のかたち」を柔らかく醸し出すために存在しているようだ。
  • 慈雨の音―流転の海 第六部―
    昭和34年.伸仁は中学生になった。ヨネの散骨、香根の死、いくつもの別れが熊吾達に飛来する。生の祈りに満ちた感動
  • 人生の道しるべ
    なんか言葉にはできないけど、この2人の考え方がわかった気がする。
    なんだろう。
    こんな回転の早い時代だからこそ、時がゆっくり流れる対話が必要だと思う。
    またじっくり読みたい。
  • 水のかたち 下
    宮本輝は書きたいものをたくさん心に持っていると以前読んだことがあるが 彼は後半の想像を絶する過酷な引揚げの話を後世に伝えたくて この本を企画したのではないか?
    だから あえていつも口元が笑っているように見える 春のような雰囲気のおばさんを主人公に持ってきて 恵まれすぎる暖かいお話で舞台の準備をしたの...続きを読む
  • 花の回廊―流転の海 第五部―
    昭和32年。松坂熊吾大阪房江と空きビル。10歳の伸仁は尼崎の欄月ビルの叔母に預けられる。朝鮮人が多く壮絶な人間模様に巻き込まれる。大規模な駐車場経営に乗り出す。3人一緒の生活
  • 天の夜曲―流転の海 第四部―
    昭和31年中華店食中毒大阪から富山へ。共同経営者煮え切らなく単身大阪へ。踊り子西条あけみと関係。中古車販売順調に見えたが部下が資金持ち逃げ。息子伸人仁を富山に残し大阪へ。高度成長期
  • 星々の悲しみ
    シーンのイメージが、ぶあって出てくる。手で触れそうになるくらいの、イメージ。印象的なシーン大好きなシーンが沢山
  • 私たちが好きだったこと
    主人公たちに対する作者の優しい目線を感じます。ご自身の患われた病気の描写は経験したこと故の説得力があります。ある作家が、自分の作品の受験問題に取り組んで、点数が低かったという逸話は、宮本さんの経験だったのではないかと記憶しています。面白い作品でした。
  • 流転の海―第一部―
    ワタシにとっていい作品は世界に没頭できる作品。ここにはちゃんと世界と人生が描かれている。ワタシは熊吾の人生に参加し始めたんだと思う。続きが気になって仕方ない作品に久々に出会えた!2巻を昨日買っておいて良かった~!読みます。
  • 人生の道しるべ
    宮本輝は「錦繍」を読んで感激し大好きになったけど、それ以降彼の作品を何も読んでないのでこれから読んでいく予定。
    吉本ばななと宮本輝の対談ということで、迷わず手に取った。
    宮本輝の本を読みたくなったし、吉本ばななはカルト小説家になりたかったのかなどと色々ふむふむしながら読んだ。
    彼らの作品読んでる人じ...続きを読む
  • 人生の道しるべ
    なぜ小説を読むのか、そしてこのお二人の作品が好きなのかを再確認した。
    若者への考察や死生観、健康についてと共感すること、なるほどと思う数々の言葉。
  • 流転の海―第一部―
    20年前から、何度となく再読している作品。まだ続いているシリーズも楽しみにしている大ファンです。
    久しぶりにはじまりの流転の海を読んでみると、熊吾の粗暴ぶりにちょっとついていけない感じが自分のなかで芽生えていてびっくり。
    こういう親父いるよね・・から、こんな親父駄目だよ。。に気持ちが傾いていました。...続きを読む
  • 三十光年の星たち(下)
    面白かった。

    読み終わった後、すがすがしい風を感じるような小説だった。

    うまくいかないことを、自分には向かないといって逃げ出すことは簡単。ただ、そのあとには、たぶん何も残らない。


    躓いても、ゆっくりでも
    一生懸命に、ひたすらに、楽をせずに働き続けた先に
    本当に人生が始まるのかも。

    60歳ま...続きを読む
  • 避暑地の猫
    読み始めると、この不思議な世界にすぐにひたってしまう
    軽井沢の霧の中で、坂を転げるように危険な思考に落ちていく
    なんども読んでいて、経過も結果もわかってはいるけど
    それぞれの人たちの気持ちを考えると苦しく悲しくなる
    また、違う夏に読むんだろうなと思います
  • 三十光年の星たち(下)
    上巻に続き下巻も良かった。仁志の生き方って羨ましいと思う。実際の親には勘当されたが、平蔵と出会ってどんどん自分の良い面を引き出せていると思う。生きる事につまずいた時に読み返す素晴らしい物語だ。宮本輝、素晴らしい。
  • にぎやかな天地(上)
    きっかけはあるちょっとしたひとこと、だったのだけど、迷いつつ入手、読み始めたらはやかった。文章というか文体がなじむのかな?宮本輝さんの作品はたぶん、二回目。使ってある言葉や表現が自分に近い感覚がある。そうしたささいなことが嬉しくなったりして・・・

    内容が濃いので言語化するのがむつかしい。
    まだ下巻...続きを読む
  • 三十光年の星たち(上)
    優駿以来何十年ぶりに宮本輝の作品を読んだ。 やっぱりいい小説を書くなぁ。まだ上巻だけなので結末は分からないが、若者が再起へ向けて頑張っていく姿が良く描かれていると思う。 下巻も楽しみ。