宮本輝のレビュー一覧
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松坂一家の長い物語が終わった。9巻。文庫本で5000ページくらいか。感想を書き切ることは到底不可能と知り、読み方について少し書いておきます。一冊目は、知人からのオススメで読んだ。もちろん存在は知っていたし、宮本氏の「優駿」や「螢川」「泥の川」などを読んできた。僕が高校生の頃に1番読んだ作家だった。
二冊目を読むまでは少し時間を空けた。他の本も読む。同じようにして、一冊読んでは、海外ミステリーを読んだり、旅行エッセイを読んだりと、インターバルに別の本を挟んで読んだ。なんだかんだで、約2年読み終えるまでかかった。
感慨というか、なんというか、もうこれ以上に読むものがないのだという虚無感というか、
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ネタバレ惜しい本を、読み飛ばしていた。
が、単行本が出た2015年は、まだ読書生活を復活させてなかった頃だった。
しかも、2011年の新刊『三十光年の星たち』を読んで、宮本輝ともちょっと距離を置こうとしていた時期にも重なる。その『三十光年の~』のレビューの冒頭には、こう記してある。
「宮本輝も齢をとったな、と思わせる一冊だった。佐伯という老人を通して今の若者世代に説教したいことをちりばめたような何とも後味の悪い印象。」
その少し前の作品あたりから、金持ちな老人が出てきて話を引っ張りまわすような感じがあり、うすうすと感じていた説教臭さ、関西の親戚の叔父貴がいかにも言いそうな、蘊蓄や御宣託が -
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1980年を舞台にした作品のため、登場人物の言葉や作中における表現内容に古さを感じるところがあるが、これも今までの宮本作品と同様に良い味を出している。
主人公を含めた同居人4人全員がどうしようもなくお人好しで、自分よりも他人を優先する性格の持ち主であるがゆえに、自分自身との葛藤、同居人との衝突を繰り返す。しかし、これらの出来事を通して、若かった4人が一回りも二回りも大人として成長する姿は『青が散る』に通じるところがある。
お人好しすぎるのもどうかなと思うが、そういう人間なのだと諦念にも似た感情でもって作品を読んでいた。主人公らに同情したり、共感したりする場面はほとんどなかったと感じる。
最後に -
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感想
熊吾のパワフルでむちゃなところは眉をひそめるところがあるが、なぜか目が離せない。
熊吾や音吉などの人物評や人間こうあるべしみたいなやり取りはそのまま納得するものではないが、その人物のこれまでの体験や人生を通して知ったことを聞いているようで面白い。
あらすじ
流転の海、第二弾。
熊吾は宇和島に帰り、2年が経った。
田舎では幼い頃に喧嘩した増田というヤクザに出会い、因縁をつけられたり、妹の不倫相手のどうしようもないヒモ男の世話や、網元の和田を議員にする相談など、忙しい日々を過ごしていた。
そんな中、辻堂が裏切った井草が金沢で結核を患い、死にかけている。親友の中国人の周の愛人であっ -
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ネタバレ良かった。とても良かった。
板橋で中華麺屋を営んでいた康平は、妻を亡くして2年、店も閉め、本を読んで焼酎を飲むだけの生活をしている。近所には幼馴染みもいて、気楽に生活しているが、ある日『神の歴史』という本に挑んでいると(実に難解な本でなかなか読めなかった)、30年前に妻に届いた葉書が挟んであった。灯台めぐりをしたと書いてある差出人に覚えはなく、「あなたをまったく知りません」と書いた返信をしたはず。なぜ?
康平の日常にちょっとしたミステリーが入ってくる。
これを機に康平は灯台めぐりを始めるのだが、私だけではないと思うが、62歳の康平に、我が夫を重ね合わせてしまうw
私は生きてるけどねw でも -
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ネタバレなんとも感想が難しい。
1982年、のちにバブル経済とよばれる好景気の直前が舞台でしょうか。
中途半端に過去なので、ちょっとした違和感がすごく気になってしまう。
主人公は大阪の大学生だが、父が亡くなる直前に残した借金のため、京都にほぼ近いようなはずれのボロアパートに暮らし、ホテルのボーイのアルバイトで生活している。
借金取りに追われ、母親とも別れて身を潜めて暮らしているが、時々ちょっと贅沢だな、と思う部分もある。
贅沢をする、というのではなく、例えばホテルで出る賄いを食べずに帰るとか、お金を借りる相手をわざと怒らせて借りずに返すとか。
そんな場合じゃなかろう?って思うのだけれど。
生活の糧