宮本輝のレビュー一覧

  • 地の星―流転の海 第二部―(新潮文庫)

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    松坂と伊佐男の確執を軸に郷里での生活がテンポよく綴られている。
    全体的な感想としては第一部とさほど変わらず、松坂の人間性の魅力が感じられる作品だった。改めて、松坂の人生哲学には倣うべきところが多くあると感じた。

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    2024年08月25日
  • 幻の光

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    人の死と官能がいいタイミングで出てくる。
    意外と表題作よりその後の作品の方が好きだった。
    解説の「画面は全体に暗色なのに、表面というより底の方から、どこからともなく一種の明りがうかびあがってくるような絵にぶつかることがある。」この通りの一冊だった。

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    2024年08月23日
  • 灯台からの響き

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    ネタバレ

    良かった。とても良かった。

    板橋で中華麺屋を営んでいた康平は、妻を亡くして2年、店も閉め、本を読んで焼酎を飲むだけの生活をしている。近所には幼馴染みもいて、気楽に生活しているが、ある日『神の歴史』という本に挑んでいると(実に難解な本でなかなか読めなかった)、30年前に妻に届いた葉書が挟んであった。灯台めぐりをしたと書いてある差出人に覚えはなく、「あなたをまったく知りません」と書いた返信をしたはず。なぜ?
    康平の日常にちょっとしたミステリーが入ってくる。

    これを機に康平は灯台めぐりを始めるのだが、私だけではないと思うが、62歳の康平に、我が夫を重ね合わせてしまうw
    私は生きてるけどねw でも

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    2024年08月20日
  • 灯台からの響き

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    久しぶりに、宮本輝さんの文庫を購入。妻を亡くした料理人の灯台巡りに、訳あって若者が参入。老いて行く主人公を、若者が生きる欲求で引っ張って、前を向いて生きなければならないことを痛感する内容。

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    2024年08月16日
  • 流転の海―第一部―(新潮文庫)

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    起承転結の転をひたすら詰め込んだような内容だが、中だるみのない読みやすい本だった。
    熊吾の感情の描写が丁寧で、彼の力強いキャラクターに魅力を感じた。先見の明と決断力によって人生を切り開いた彼の生き様は、時代が変わっても見習う部分がある。

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    2024年08月14日
  • 春の夢

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    ふと死にたくなったり、ふと生きたくなったり、人は簡単に生死を扱うときもあるけれど、生きることは、そんなに容易くない。正解も解らない中で、意味など知ることもなく、ただ生かされている、そんな風にかんじる時もある。
    でもキンのように、いつか自由になることを夢見て生きていいんじゃないかなぁ。
    ただ生きてることの尊さ。力強さ。
    それだけで、誰かを突き動かす原動力になったりすることもある。
    「春の夢」ってきれいな題だなぁ。読み終わって、余韻に触れた時の題1の感想がこれだった。

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    2024年08月09日
  • 優駿(下)

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    競馬の小説だと紹介され、初めて読んだのが中学生の頃だったと記憶している。馬の物語というより、大半が人の物語であり、面白いとかんじなかった。

    20年ぶりに読んだ今回は、この本の面白さを感じた。馬の物語ではありながら、人の物語であったからである。

    多くの人の願い、祈り、欲望その他色々な人生を乗せて馬は走り、その走りに人は魅了され、また、人生が変わったり、何かを乗り越えるきっかけとなる。

    そんな、競馬の本質というようなものが本書には描かれており、非常に楽しく読むことができました。

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    2024年08月05日
  • 灯台からの響き

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    日本人に昔からある心の温かさが詰まった話だった。同じ商店街の幼なじみの、遠慮ない物言いなんだけど優しさ。生活にいっぱいいっぱいだった頃には出来なかった、子供達との触れ合い。ずっと底の方にある思いやりに感動した。

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    2024年07月31日
  • 春の夢

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    ネタバレ

    なんとも感想が難しい。
    1982年、のちにバブル経済とよばれる好景気の直前が舞台でしょうか。
    中途半端に過去なので、ちょっとした違和感がすごく気になってしまう。

    主人公は大阪の大学生だが、父が亡くなる直前に残した借金のため、京都にほぼ近いようなはずれのボロアパートに暮らし、ホテルのボーイのアルバイトで生活している。
    借金取りに追われ、母親とも別れて身を潜めて暮らしているが、時々ちょっと贅沢だな、と思う部分もある。
    贅沢をする、というのではなく、例えばホテルで出る賄いを食べずに帰るとか、お金を借りる相手をわざと怒らせて借りずに返すとか。
    そんな場合じゃなかろう?って思うのだけれど。

    生活の糧

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    2024年07月10日
  • 森のなかの海(上)

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    上下共通レビュー さらさらした小説であっという間に読み終わりました。宮本輝さんの小説はいつもそんな感じ、スピード感があるというか、読みやすい文章というか、とにかくさらっと読めました。疲れているときにさらっとお茶漬けを食べたくなるように、たまに読みたくなります。世界中の恵まれない子どもたちがたくましく生きて欲しい、そしてそのために自分に出来ることがあればしたいと思いました。

    阪神淡路地区を大地震が襲った日、36歳の女性の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した女性は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り

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    2025年12月03日
  • 森のなかの海(下)

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    上下共通レビュー さらさらした小説であっという間に読み終わりました。宮本輝さんの小説はいつもそんな感じ、スピード感があるというか、読みやすい文章というか、とにかくさらっと読めました。疲れているときにさらっとお茶漬けを食べたくなるように、たまに読みたくなります。世界中の恵まれない子どもたちがたくましく生きて欲しい、そしてそのために自分に出来ることがあればしたいと思いました。

    阪神淡路地区を大地震が襲った日、36歳の女性の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した女性は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り

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    2025年12月03日
  • 三十光年の星たち(上)

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    佐伯の強引さに最初はついて行けず
    つまらないかもと思ったのは杞憂に終わった

    鍼灸の専門家
    焼き物の専門家
    料理の専門家等
    修行が必要な職業が出てくるに伴い
    心に響く文章が飛び込んできた

    読書感想文を書く訳でもないのに
    付箋を貼りながら本を読んだのは初めて

    後で書き抜こうと思う

    下巻に続く

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    2024年03月30日
  • 星々の悲しみ

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    それほどドラマティックなことが起こるわけでもなく(表題作は割とドラマティックかも)、実際に有り得そうな薄暗い日常が淡々と、容赦なく描かれる。
    しかし不良馬場のラストは世の中そんな上手く行ってたまるかと言わんばかりの容赦なさで唖然としてしまった。
    作者は実際に結核で療養していたそうなので、そこで見たものの影響が大きかったりするのだろうか。
    ジュンク堂でやっている本音屋で購入したらこの本だったのだけれど、当たり引いたと思う。

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    2024年03月25日
  • 灯台からの響き

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    いいお話しでした 何年かしたらまた読みたいと思わせ 宮本さんの他作品も読みたくなる あと引き小説です

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    2025年04月26日
  • 螢川・泥の河

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    螢川・泥の河どちらもとても良かった。特に泥の河(太宰治賞)は個人的にとても好きだ。
    流れるように読めるけど、心理・情景描写がその流れを邪魔することなく綺麗におさまっているのが凄いと思った。『田園発 港行き自転車』で富山を舞台にしていたのだが螢川も富山であった。出身地を見ると関西なため、富山が好きなのかなと思っていた。が、解説を読むとどうやら著者は幼い頃、富山に一年間住んでいたことがあるとのこと。一年間だけで小説の舞台に度々登場するくらいなのだから、富山で得た色々は宮本輝にとって特別なものだったのだろうか。
    とにかく良い小説だった。

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    2024年03月12日
  • 灯台からの響き

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    町のラーメン屋の主人が、亡き妻に送られてきた知らぬ名前からのハガキの謎について、探し妻への思いをより深める話。
    派手さは全くないが、出てくる人物が皆等身大であったかい。
    流石、宮本輝!
    ほっこりしました。

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    2024年03月03日
  • 五千回の生死

    購入済み

    文章に濁りがないというか綺麗でこの方の作品をもっと読んでみたいと思った。私の頭が足りなく、オチが理解しにくい話もあった。

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    2024年02月20日
  • 満月の道―流転の海 第七部―(新潮文庫)

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    松坂一家のドタバタ劇は続きます。
    60代で立ち会上げた『中古車のハゴロモ』は無事軌道に乗り、むしろ拡大していく彼の商才は大したもんではありますが、またいつものように女絡みで一波乱ありそうでワクテカ状態です。65歳でもギンギンですね、よ!松坂の大将!私も亜鉛摂取して大将に負けないぐらい頑張りマッスル。

    第四部で別れた女(西条あけみ)に偶然出逢ってしまい、焼け木杭に火で5秒で合体、あひゃ、これは言い過ぎか、彼女のヒモ野郎(893屋さん)に手切れ金を渡し、再び失楽園の世界へ・・・

    以前経営していた中古車販売で社員にお金を持ち逃げされて結果会社を畳んだ松坂の大将、またやらかします。信頼して

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    2024年02月10日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    解説に記載の通り、「人とは単彩一色ではなく、万華鏡のようにさまざまな面を見せる」ことが熊吾や熊吾が関わる人々から感じられる、人間味溢れる物語です。

    3部では、伸仁の成長も感じられ、熊吾も親として成長を喜ぶ親子愛が感じられるシーンが多く、温かい気持ちになりました。
    特に、最後の伸仁が火事に巻き込まれたかもしれないと熊吾が嗚咽を出して泣くシーンは心打たれるものがありました。

    周英文と麻衣子など、親子の繋がりの深さや愛情を感じられ、家族とは何かを深く考えさせられます。
    そばにいるから分かるわけではない。血が繋がっているから親や子として認められるわけでもない。

    複雑だけど、それでも家族。
    熊吾の

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    2024年02月07日
  • 水のかたち 下

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    ごく普通の生活をしていた主婦が人との繋がりによって自分の幸せを広がっていく、ありそうでありえない物語の後編。
    主人公は自分の力で引き寄せたのではない様々な事柄は、その生き方によって、自ずと引き寄せられていく、その生き方は相手に合わせて変化しながらも、結局は変わらない信念のようなものによって繋がっていくのだと伝えてくる、そんな話だった。そうした生き方を表したタイトルの言葉は、作者の思いが込められているのか、まあわかるような、そうかなぁというところもありか。
    朝鮮半島からの過酷な脱出の物語は、ストーリーの中で重要な要素ではあるけど、これはこれで別の話の方が良かったのではないかなとも思う。
    作者あと

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    2024年01月28日