宮本輝のレビュー一覧

  • 潮音 第四巻

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    西郷、大久保、岩倉等々、有名人の名前や寺田屋事件、大政奉還、西南戦争の実際の事件は数多登場するが、あくまで架空の人物川上弥一を中心にした富山の薬売りの庶民の眼から見たお話。激動の時代に翻弄される庶民の姿が非常に良く伺える内容で、新たな幕末物語が垣間見え面白かった。一つ気になったのは、京都の干物屋の若狭屋の話はどうなったの?というところ。弥一のお陰でお店が立派になったと主人が言ってるので、一体どういう事か聞きに行こうと思ったきり、最後まで若狭屋は登場しなかったように思うが。見逃したかなあ?

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    2026年01月12日
  • 血脈の火―流転の海 第三部―(新潮文庫)

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    宮本輝の流転の海シリーズの第三部。
    戦後の復興期の昭和20年代の大阪。愛媛の田舎を離れ事業を起こそうとする中年男性家族のフィクション。全てが順調な人などおらず、何かしらの負い目、十字架を背負っている登場人物たちが織りなす含蓄ある台詞の数々。
    「人間というのは、つまるところ、矛盾だらけの奇っ怪な心にひきずり廻されるものなのだ」
    「人間、転げ落ちだしたら、あっとういまや。俺らは、そんなやつらを食い物にする稼業なんや」
    「俺は物事をいつでめ中途で投げ出すという性癖ぎある(中略)子供が、おもちゃに飽きるように、積み上げてきた積み木を崩して、別の物へと走って行く…」皆が貧しかった時代ながらも何とか前を向

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    2026年01月10日
  • 道頓堀川

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    多くのビルが立ち並び、ネオンがあちこちで輝き、食事やお酒、女を目当てに、さまざまな人間が集まる活気渦巻く道頓堀川エリア。

    しかし対象的に、本作が焦点を当てるのは、そのネオンの光をも吸い込むかのような、黒く澱んだ道頓堀川と、そこで生活を営む人間の悲しさや儚さである。

    読み進めるうちに、昭和のミナミへとタイムスリップしたかのような感覚に陥り、静かに物語へ引き込まれた。

    いわゆる「面白い小説か」と問われれば、そうではないのかもしれない。ただ、何故か余韻の時間が非常に長い小説である。

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    2026年01月04日
  • 錦繍

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    ネタバレ

    何故か解説の「書くことによってだけ辛うじて伝え得る悔恨を、哀惜を、思慕を綴ったような便り」の所で涙が出てしまいした。正にその通りです。

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    2025年12月28日
  • 潮音 第一巻

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    宮本輝さんの作品は、読みやすくて好きです。
    初の歴史もの長編小説と言うことで
    本の装丁も素敵でした。

    2作目も早く読みたくなります。

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    2025年12月27日
  • 灯台からの響き

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    audible⭐︎
    康平さんの作る中華そば食べたいなぁ〜っとずっと頭から離れずにいた。
    話の中にでていた、出雲日御碕灯台は14年前に主人と旅行で行った場所だった。灯台の中の螺旋階段を登った記憶やお店、景色を思い出した。
    心温まるお話しだった。

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    2025年12月27日
  • 灯台からの響き

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    宮本輝さん著「灯台からの響き」
    著者の作品は数十年前に「優駿」「青が散る」は読んだ事があるが最近は全く読んでいなかった。
    最新作の「潮音」は複数巻の作品で久し振りに読むのには重いと感じ、比較的最近の読み易そうなこちらの作品を選んでみた。

    物語は読書家である主人公康平の未読の本「神の歴史」の中に一枚のハガキが挟まっている所から始まる。何十年も前に妻に届いた際、何も知らないと言った灯台がイラストされたらハガキ。その妻は2年前に病気で亡くなってしまっている。
    何故このハガキを亡き妻はこの本の中に挟んだのだろうか?
    重たくはないが先が気になるミステリー風なタッチで描かれていく物語だった。

    その灯台

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    2025年12月27日
  • 潮音 第三巻

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    これまでやる気の塊のような弥一だったが、まさに「魔」がさしやる気が失せてしまうという超スランプに陥った。死というものに取りつかれるとまさにこんな感じになり、人によっては自ら命を絶ってしまうようになる。弥一最大の危機を迎え、更には富山の薬売りが明治のご一新により過渡期を迎える。弥一はこの危機をどうやって切り抜けるのか?四巻が楽しみになる展開である。

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    2025年12月26日
  • 優駿(下)

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    行ったり来たりしながら長い時間をかけて読んだ。登場人物たちの関係をうまく頭の中で描き切れなかったせいで、この物語の良さをじゅうぶんには理解できていないようで悔しい。またいつかきちんと時間をとって読み直したい一冊。とはいえ、馬小説のよさがギュッと詰まった一冊であることはとても伝わってきた。人間のために、人間の手によって作られるサラブレッドという特殊な動物を前にすると、私たちは悠久の時の流れに想いを馳せたくなるものらしい。私たちが自然の中でどう生きてきたかということ、そしてこれからどう生きていくのかということを、真摯に見つめる物語だった。

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    2025年12月25日
  • 長流の畔―流転の海 第八部―(新潮文庫)

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    とうとう、あと1巻まで来た。
    熊吾の浮気が遂にバレた。家族に謝りに行くまでは良かったが、また逆ギレして妻と子供に暴力をふるった。謝って簡単に許される問題じゃないだろ。読んでいて、またしても頭にきてしまった。
    しかし最後は、房江が熊吾に見切りをつけて生まれ変わり、いきいきしている姿が描かれて終わった。
    ラスト1巻では、よりを戻さず房江の人生を生きる終わり方にしてほしいな。

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    2025年12月23日
  • 優駿(下)

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    20年前に読んだ時は、涙を流しながら感動した。
    今回はそこまで、感動できなかった。
    自分が多田さんより年老いたせいか、当時の印象よりチャラいな、こんなだったけかな。と。
    とはいいつつ、やっぱり良書であることにはかわりないと思う。濃ゆい。

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    2025年12月20日
  • 潮音 第二巻

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    富山の薬売りから見た寺田屋事件、禁門の変が非常にリアルに描かれている。読み手として、まるで自分で見たような感覚になるのは、やはり著者の表現力の素晴らしさにあると思う。寺田屋を近くの旅籠の二階の布団部屋から見張ったなどという表現は恐れ入る。新しい視点の幕末ものとして非常に興味深い。

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    2025年12月11日
  • 錦繍

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    初めは有馬に対する嫌悪感と不信感しかなかった。

    でも、有馬さんからの手紙を読み進めていくうちに、彼の波瀾万丈な人生に寄り添い始めてしまう。
    亜紀もしかり。

    読み始めた時とは違う感情が最後には込み上げてきて、2人の再会とこれからの人生に美しさが見えた。

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    2025年12月08日
  • 螢川・泥の河

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    螢川は、素晴らしい情景が見事に浮かんできて息を呑んだ。どちらも少年の感受性が絶妙に描かれていると思った。

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    2025年12月04日
  • 錦繍

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    NHKラジオの朗読にて
    石田ゆり子さんと松尾スズキさんによる朗読

    夫の不貞によって別れざるを得なかった2人。
    しかも相手の女性が心中を計り、夫のみ助かった。
    思いがけないところで偶然再会したことにより、本当は今でもかつての夫を愛していることに気づく。

    裕福な家で育ったあきさんの、でもあまり幸せではない人生が切ない。

    往復書簡によって続くやり取りに、今では感じられない「間」があって、それがよかった。

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    2025年12月01日
  • 錦繍

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    別れた元夫婦の偶然再会したことによる、手紙の往復書簡で物語が進む。愛し合っていたのに別れ…二人ともなかなかの波乱万丈な人生でした。
    これからの人生も交わることがないのだとわかっているけれど…それでも愛し合っているのだなぁと感じ切ない物語でした。蔵王 ダリア園 ゴンドラ 知っているからなのか、郷愁を感じ読み進めました。

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    2025年12月01日
  • 錦繍

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    電話の普及により手紙が減った
    携帯電話の普及により電話が減った
    未来に向けての元夫婦の書簡のやりとりが書かれている
    手紙とは相手にそろそろ届いたかな?というワクワク感を
    返事が来るかな?というドキドキ感を
    時間がその感情を与えてくれている
    今はタイパといって時間短縮を求められるが
    書簡には相手に気持ちが良く伝わる・記憶に残る等デジタルには無い価値があると思う
    この小説は昭和に書かれたものであるが私自身に書簡の良さを再確認させてくれた

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    2025年11月30日
  • 花の回廊―流転の海 第五部―(新潮文庫)

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    熊吾は還暦。伸仁は10才。
    華々しい生活を取り戻すことはできないが、熊吾らしい時代を読む力で少しだけ道が切り開かれる。
    伸仁は相変わらずの天真爛漫さで、学校では煙たがられながら、蘭月ビルで経験値を積み重ねていく。
    あとがきで蘭月ビルの人々の話はこの後の話に外せないと言っていたので、どう繋がっていくのかが楽しみである。

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    2025年11月30日
  • 錦繍

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    別れた2人がばったり会ったことから手紙のやり取りが始まり、その手紙だけで物語が進みます。
    2人の人生を手紙でなぞるのですが、2人ともなかなかの波瀾万丈ぶり。2人の人生を読み進め、他人事なのに自分事のようにしみじみしてしまいました。

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    2025年11月27日
  • 約束の冬(下)

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    上下巻通して、透明感のある文章で楽しく読むことができました。

    最後、このふたりは一緒に生きていくんだろうなーという感じで終わってて、個人的には終わり方も良かったと思う。

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    2025年11月25日