宮本輝のレビュー一覧
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馬を作るとはどういうことか。それを育てるとは、持つとは、乗るとはどういうことか……。その営みを真っ向から見つめる作品だった。競馬とは、もっと優れた馬を手にしたい、もっと儲けたいという人間の欲によって作られる人為的なものだが、肝心の馬だけは自然の摂理とは切っても切り離せないところにあるという、絶対に乗り越えることのできない壁の高さを感じた。
馬にかかわる作品を続けて読んできているが、どうしてこんなにも熱量の大きな作品が多いのだろう。取り憑かれてしまうほどの魅力を馬は持ち、馬主、生産者、調教師とそれぞれのもとに業はめぐり、ドラマが生まれるからか。下巻でオラシオンがどんな活躍を見せてくれるのか楽しみ -
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ネタバレ読む前
愛し合っていた2人が、ただすれ違って誤解してしまったがために離婚したけれど、手紙を通して再び相思相愛になる話
なのかなと勝手に思っていた
でも読んでみたら、思っていたよりもちゃんと不倫していたし、有馬さんは思ってたよりもダメな男やった
お勧めしてくれた方がこの本を読んだ感想として、「ちゃんと言葉にしないとすれ違う」というようなことを言っていたからこそ、そう思ってたのかも?
その意味を、ただ「事実を伝えること」みたいな意味合いで受け取っていたのだけど、この小説を読んでみて、実際にあった出来事は受け止め方に差はあれど大きな変わりはなく。
でも「お互いがしっかりと本音を伝え合うこと」で、 -
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まだ何者にもなれない若い苗木達
それを支える為に添え木になる人生の先輩達
この物語には何度も「三十年」と言う言葉が出てくる
「十年でやっと階段の前に立てるんだ。二十年でその階段の三分の一のところまでのぼれる。三十年で階段をのぼり切る。そして、いいか、のぼり切ったところから、お前の人生の本当の勝負が始まるんだ。その本当の勝負のための、これからの三十年間なんだ。そのことを忘れるんじゃないぞ」
何事にもせっかちだと言われ、すぐに答えを求める今の若者にはなかなか理解できない言葉かもしれないなぁ…
今日は10月8日
実は三十数年目の結婚記念日です♡
長いような短かったような…
支える添え木が -
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女にも逃げられた無職の若者に手をさしのべたのは、金貸しの老人だった。若者の再生を通して人生の意味を感動とともに描く巨編。
何も知らずに宮本輝
おびさんの「泥の河」の方ね
上下巻で700ページ弱…
初めての宮本輝には丁度良い長さ♪
文章が関西弁…京都弁か。
心地良い文体と激烈な出来事が起こることもない
青年と金貸老人のやり取り
上巻読み終えるのに何度も睡魔に負けた笑
つまらないからじゃないのです!
面白いけど眠くなるって初めて!
宮本輝マジックか( ̄▽ ̄)笑
さあ坪木仁志よ!
気合い入れて働いて働いて働いて働いて
叱られて叱られて叱られて叱られて
30年後のお前を見せてくれ!!
下巻へ -
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流転の海、全九部中第四部。
今回は富山編。
富山の中古車業者に懇願され、妻子ともども富山に引っ越すが、着いた日の大雪に始まり、一家には受け入れがたいことばかり。早々と富山に見切りをつけるのだった。
今も、富山では宮本輝は北日本文学賞の選者になっていたり、室井滋が館長をつとめる「高志の国文学館」でも大きな扱いを受けている。また、近年でも富山を舞台にした小説を何冊も書いているが、この『天の夜曲』を読むと、決して富山を手放しで賛美しているわけではない。
特に、母の房江など、これといった理由もないのに体調を崩したり、一日も早く大阪に帰りたいと思っている。
しかし、宮本輝がモデルの伸仁は、ここでも -
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宮本輝さん、読んでないシリーズ。夏休みにゆっくり浸りたかったのですが、とっくに通勤電車に揺られながらの日常で対峙。
大作「流転の海」に通ずるものがありました。「泥の河」、「螢川」どちらも著者の過ごした土地、経験からくる感じがしたけどどうなのかな。
ある家族のお話しが、胸に迫る宮本輝作品がやっぱり大好きだ。
まだ読んでないシリーズを続けよう。
「螢の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞い上がっていた。」
見たこともないのに絵が浮かんでくるのだから、、、凄いなぁ