• 田園発 港行き自転車 下
    ネタバレ

    幸せな主人公

    読む人によって誰が主人公になるかは、変わってくるのだろう。
    タイトルを見る限りそれは直樹ではないような気がするが。

    社会と親族の荒波を乗り越えてきた直樹の実力と人を見抜く力は凄いのだが、平岩によってこの登場人物の多くは、幸せと成功を掴む。なんという大きな人間であろうか。
    そして、それによって奇しくも自分自身か最高の人生へと昇華されていく。
    彼にとっては幼くして亡くなった息子の分身でもある佑樹と2人で歩く至高のひととき。
    自身が生涯をかけて取り組んだ仕事を、はからずも1番認めてくれた佑樹との会話。そのシーンがしっかりと読者には見えたのではないだろうか。

    それにしても、直樹はなんと幸せな人なの

    #笑える #泣ける #感動する

    0
    2024年09月16日
  • 田園発 港行き自転車 上
    ネタバレ

    えにし(縁)の不可思議

    何という素敵な本!
    何度も泣きました
    何度も笑いました
    そして
    何度も幸せになりました

    佑樹のような誰にでも好かれる人に
    海歩子のような聡明な人に
    夏帆のような心優しい人に
    千春のように素直な人に
    平岩のような実直な人に
    私はなりたい
    次々に出てくる主な登場人物全てに憧れます

    宮本輝様
    1日でも長生きしてください
    まさに更賜寿命!!
    どうか1冊でも多くの'奇跡'をこの世に残してください

    #ハッピー #泣ける #深い

    0
    2024年09月16日
  • よき時を思う
    ネタバレ

    あり得ないほど豪華な誕生日会

    徳子お祖母ちゃんを見ていたら、教師が崇高な仕事だった頃を思い出す。
    いつの間に、教師は何を言っても許される不満の捌け口へと化していったのだろう。
    そして、その原因は……?

    ここに登場する幾人もの教え子たちは、徳子先生への恩を決して忘れない。
    生命の奥底で、感謝の念が静かに時を待っていたのだ。
    時や場所を隔てても、お互いを思う美しすぎる愛が、まるで千穐楽のような90歳の誕生日会(晩餐会)へと螺旋のように絡み合いながら集まっていく。
    そして、玉木シェフの読み上げる手紙は、私は何度も読み返し、何度も嗚咽した。
    嗚呼、人に励ましと勇気を送る教師という仕事のなんと誇り高きことか!
    そして、その愛情に応

    #笑える #泣ける #深い

    0
    2024年09月16日