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足が速いことしか取り得のない、フツーの小学六年生だった俺。特別に不幸ではなかったけれど、“未来に夢を抱く”ことなんて諦めていた。あいつらと出会うまでは――「ハッとする描写、レベルの高い全体図、そして、とても感じのいい読後感」選考委員・恩田陸氏イチ押し! 少年少女のひと夏の友情を描く、希望あふれるデビュー作。
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Posted by ブクログ
子供の頃の約束は、たいていいつの間にか忘れ去られてる。
「いつまでも友達でいようね」「絶対忘れないよ」純粋な思いでかわされた約束も、いつしか膨大な時の流れの中に埋没していく。
私も転校生だったから、水沢日菜の気持ちが自分のことのように思える(彼女はもっとしんどい人生の重荷を背負っているけど)。
誰かと積極的に関わることから遠ざかっていた彼女が、ジュンペイとヨウタに出会って友達の楽しさを思い出す。3人の別れのシーンはとても切なかった。きれいごとを言わないヒナが、その年で人生の真実を知ってしまっているヒナが悲しかった。
小説の構成としてはありきたりなのかもしれないけど、私はこういう「後日譚」の構成が好きだ。あの子がこんなふうになったのか、と時間の流れを俯瞰しているような感覚になれるから。
ラストの、3人の再会の予感を感じさせる終わりがよかった。すうっと爽やかな風が吹いたような気がした。なんだか涙が溢れて止まらなかった。
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小説・文芸
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