黄落(新潮文庫)

黄落(新潮文庫)

693円 (税込)

3pt

4.0

還暦間近の夫婦に、92歳の父と87歳の母を介護する日がやってきた。母の介護は息子夫婦の苛立ちを募らせ、夫は妻に離婚を申し出るが、それは夫婦間の溝を深めるだけだった。やがて母は痴呆を発症し、父に対して殺意に近い攻撃性を見せつつも、絶食し自ら命を絶つ。そして、夫婦には父の介護が残された……。自らの体験から老親介護の実態を抉り出した、凄絶ながらも静謐な佐江文学の結実点。(解説・櫻井よしこ)

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黄落(新潮文庫) のユーザーレビュー

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Rated 4 stars out of 5
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    Posted by ブクログ

    94歳の父と、87歳の母を抱えて暮らす主人公、トモアキと妻の蕗子。

    主人公が小説家であり、仕事場が家であるという点で、他の要介護者を抱える家庭とはすこし環境が違う。
    この主人公は、両親と「スープの冷めない距離」というには遠いがそれほど離れていない距離で暮らしている。そして、週に一度は顔を出して

    0
    2011年01月27日

    Posted by ブクログ

    主人公は還暦間際の夫婦。92歳の父、87歳の母の介護を巡る物語。生活上の様々な問題や人には言えないような心情が、非常に生々しく描かれています。年老いた両親への嫌悪感、介護疲れからうっすらと両親の死を願ってしまう様子など・・・。仮に人からそういった愚痴を聞けば、親に対してそれはひどいと思ってしまってい

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    2014年01月05日

    Posted by ブクログ

    50代後半の老夫婦が、90歳を超えた両親の介護を行う、いわゆる老老介護の物語。
    20代のころは、5年後10年後の計画を立てるとき、自分ひとりだけの未来の姿を想像するだけでよかった。しかし30歳になった今は、5年後10年後の両親の年齢・健康状態も、不確定要素として自分の未来に組み込んで計画しなければな

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    老人介護文学。

    一度読んだらいいと思います。
    いまの時代、だれしも、こういう将来が待っているんじゃないかな。

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    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    訃報を知り、過去(2007年12月17日)の読書メモ

    *****

    12月も終わりだというのに、ことしはやっと銀杏が黄葉して散っている。さすが陽に映えるさまは美しいけれど、落ち葉のかさこそ鳴るはもの悲しい。

    『黄落』の書き出しの「こんにちでは六十五歳以上を老人というから、わたしはまだ老人の部類で

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    2020年11月03日

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