中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

990円 (税込)

4pt

誰かを好きになる。これは能動か受動か。好きになろうとしたのでもなければ、好きになるよう強いられたのでもない。自分で「する」と人に「される」しか認めない言葉は、こんなありふれた日常事を説明することすらできない。その外部を探求すべく、著者は歴史からひっそりと姿を消した“中動態”に注目する。人間の不自由さを見つめ、本当の自由を求める哲学書。時代を画する責任論を新たに収録。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「免責が引責を可能にする」
    この一節に私はしびれた。

    なにかミスがあると、世の中では「責任をとれ!」という話になる。言い換えれば「このミスを犯す意志を持ったものは誰か?」というお話。本書では、このような「意志によって根拠付けられる責任」を「堕落した責任」と呼ぶ。

    責任とは、そういうものではない。

    0
    2025年12月04日

    Posted by ブクログ

    「読んでて難しい」「難解だ」と感じる人ほど(少なくとも私はこちら側だと思う…)、「能動↔︎受動」の言語に基づく思考体系に浸かってしまっているということなのでしょう……


    中動態について、言語の歴史やスピノザ哲学など、あらゆる側面から國分先生の哲学論が展開されていきます。難しくても読み終えて初めて「

    0
    2025年11月09日

    Posted by ブクログ

    斎藤環さんが紹介されていたので読んでみたのですが、この夏一番の読書になったように思います。

    中動態の「世界」とタイトルしているように、中動態をめぐっての哲学や言語学の先人達を批評していかれているからです。大変ではあったのですが、書き手の丁寧な記述で、ポイントを繰り返し確認しながら、読み進めることが

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    主体と行為について、能動態や受動態だけではなく、中動態の視点で解釈することで、意思や責任について捉え直すことができる

    言語学や哲学の議論の一般書として、また意思や自己責任を通じて感じる生きづらさや孤独感に対する問いかけとして、興味深く読むことができた

    主体と行為の関係については、龍樹(ナーガール

    0
    2025年08月25日

    Posted by ブクログ

    出版当時から書評をみて気になっていた本を、ようやく文庫で読みました。
    言語学の世界を入口に、これほど豊潤で人間的な世界を再発見するなんて。
    途中、言葉の歴史を推察し、意思と言葉の関係を定義し、哲学を読み直し。
    古代の人に意思はなかったという主旨の本があったが、その曖昧さも払い。
    一度見えなくなった世

    0
    2025年07月12日

    Posted by ブクログ

    やはり最高に面白い。単行本版を読んでから数年の間に國分功一郎さんの著作も『暇と退屈の倫理学』『責任の生成』『言語が消滅する前に』『目的への抵抗』などなど読んできていたので本書の議論についても新たな気づきや理解が深まるところが多かった。補遺も國分さん自身が思考を深め、進めてきているから社会的な実践に関

    0
    2025年06月23日

    Posted by ブクログ

    中動態の世界を読んで、明日生きやすくなる哲学というより、今自分が置かれてる状況と感情を正確に捉え直したくなる哲学だった

    また今後の人生で、受動態や能動態を認識した際に、中動態を意識せざるを得ないインパクトを自分にもたらした

    0
    2025年06月07日

    Posted by ブクログ

    行為する、されるといる能動と受動の対比には人の「意思」が中心にそえられる。「意思」それは、過去を担う「記憶」との対比として未来を担う器官とする考えであり
    過去からの断絶を前提とする。行為の責任の帰属先を明確にするためにもその考えが必要な社会が現代である。しかし過去からの断絶とは本来的にありえない概念

    0
    2025年09月21日

    Posted by ブクログ

    能動態-受動態の対立する枠組みで物を考えることは現代人にとって至極当たり前のことに感じられる。しかしながら、歴史を遡ると言語にはより古いところに能動態-中動態という対立軸があった。
    能-受の対立に強く結びつく意志と責任の概念が、能-中の対立のもとで批判され、意志概念の不可能性が明らかになる。
    さらに

    0
    2025年08月11日

    Posted by ブクログ

    「意志」とは何か、という哲学的なテーマを、〈中動態〉というかつてあった文法的な概念から読み解いていく。現在当たり前となっている〈能動態⇔受動態〉だけでは説明がつかないことも、中動態という概念が加わることで絡まった紐が解れる。「暇と退屈の倫理学」同様、このほどけていく過程を楽しめる一冊です。

    英語で

    0
    2025年07月14日

中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

國分功一郎 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す