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Posted by ブクログ
最後にアーレントが出てくるのは反則でした。これによって、前著『目的への抵抗』の続編的な立ち位置だと最後に再確認できました。
前半の論文パートはライトな哲学好きには少し難しいお話でしたが、後半の講話部分で再読したような感覚になり、理解が深まりました。
話変わって個人的な出来事です。僕はただ本が好きで、その中でも哲学とか社会学、修辞学を好んで読んでいます。それをある日知人に言ったところ、「それを読んでどうなりたいのか、生きづらいのか」などと言われました。理由の分からない不快感を感じたものの、その時は上手く答えられませんでした。ただ本著でそれが少し分かった気がします。僕は目的はなく、ただ読書が楽しい、学問を修めることが楽しい(享受、あるいは第三象限)のです。それが知人には目的がなく、ただ読むという行為に納得が見出だせなかったのでしょう。今ならキメ顔で「じゃあ君はなぜコーヒーを好んで飲むのかい」と質問返しができる気がします。
今述べたのは軽めの事象ですが、この状態を笑って過ごせるのは現代が平和だからなのかもしれません。終盤に著者は警鐘を鳴らしました。第三象限が汚染される危険性です。田舎の僻地で日々を勤しむサラリーマン(僕)にすらその危険が迫っていました。資本主義の思想的な侵食は、思ったより深刻なのかもしれません。
最後には「経験」「習慣」という2つの概念の登場で幕を閉じました。「目的」「手段」から一歩距離を置き、次はどういった展開を見せてくださるのか。楽しみです。(第三象限) 素敵な一冊でした。
余談ですが部数を飛ばしている『暇と退屈の倫理学』といい、國分先生のご著書はテーマが違えど論旨が一貫しており、とても読み易いです。若林さんとの共著も楽しみです。
Posted by ブクログ
國府先生、これはかなり難しかった。何回も行きつ戻りつしてやっと一周読みましたが理解が追いつかない。。。
私なりに理解したところによると、目的を持たない快(酒やタバコをを嗜むような)が、現代では目的に蝕まれつつある=純粋に行為自体を快楽として受け取る余裕がなくなってるよ、っていう警鐘なのかなと思いました。実際私も酒びたりのときが一時期あり、現実から一瞬でも思考を切り離す道具として酒を飲んでいたなぁと今は思います、当時は美味しいから沢山飲んでると思い込んでましたが(病)。
前作の新書より具体性が上がってるのについていけない自分の理解力のなさに悲しみを覚えつつ、一方で凡人がついていけないレベルの内容でも平易な言葉で何回も何回も丁寧に説明して書いてくださる國府先生の姿勢に、そこに痺れる憧れる〜!となってしまう一冊です。おすすめです、帯の先生の写真もかっこいいし!
Posted by ブクログ
(著者にとっても意外かもしれないが)間違いなく、かつてなく四半期の数字目標が厳しく喧伝される現代ビジネスの中で、マーケターはじめ、ブランドづくりに関わるすべての人間にとって、必読の一冊だった。
凝り固まった思考の根本OSを、一発ガツンと、叩きのめして、UPDATEしてくれる。
目的ー手段の関係が当たり前のように叩き込まれる商売人の思考回路において、自らが作るモノやコトを、手段から解き放つのは非常に難しい。
でもそれこそが、現代社会が抱える病理に、いやそんな小難しい話を抜きにしても、シンプルに、「よりよいものづくりに勤しむ」ためにこそ、欠かせないはずだという直観に、出会えたような気がする一冊。
この本はじめ、『暇と退屈の倫理学』以降、國分先生の議論には感動を覚え、勉強しているものの、憎き存在として描かれる文化産業こそ、まさに私の本業。ぼくら商売人は、どう生きるべきか?非常に難しい難題。この本でも、やっぱり文化産業は悪役。でも、悪役にだって、抗い方はあるんではないか?
むしろ、作り手として、楽しむ心を促す方向で、腕を振るうことができるのではないか?そんな予感を得られた。國分哲学、もっと恥肉にしていきたい。
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