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「楽しむ」とはどういうことか? 『暇と退屈の倫理学』にはじまる哲学的な問いは、『目的への抵抗』を経て、本書に至る。カントによる「快」の議論をヒントに、「嗜好=享受」の概念を検証。やがて明らかになる、人間の行為を目的と手段に従属させようとする現代社会の病理。剥奪された「享受の快」を取り戻せ。「何かのため」ばかりでは、人生を楽しめない――。見過ごされがちな問いに果敢に挑む、國分哲学の真骨頂!
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Posted by ブクログ
最後にアーレントが出てくるのは反則でした。これによって、前著『目的への抵抗』の続編的な立ち位置だと最後に再確認できました。 前半の論文パートはライトな哲学好きには少し難しいお話でしたが、後半の講話部分で再読したような感覚になり、理解が深まりました。 話変わって個人的な出来事です。僕はただ本が好きで...続きを読む、その中でも哲学とか社会学、修辞学を好んで読んでいます。それをある日知人に言ったところ、「それを読んでどうなりたいのか、生きづらいのか」などと言われました。理由の分からない不快感を感じたものの、その時は上手く答えられませんでした。ただ本著でそれが少し分かった気がします。僕は目的はなく、ただ読書が楽しい、学問を修めることが楽しい(享受、あるいは第三象限)のです。それが知人には目的がなく、ただ読むという行為に納得が見出だせなかったのでしょう。今ならキメ顔で「じゃあ君はなぜコーヒーを好んで飲むのかい」と質問返しができる気がします。 今述べたのは軽めの事象ですが、この状態を笑って過ごせるのは現代が平和だからなのかもしれません。終盤に著者は警鐘を鳴らしました。第三象限が汚染される危険性です。田舎の僻地で日々を勤しむサラリーマン(僕)にすらその危険が迫っていました。資本主義の思想的な侵食は、思ったより深刻なのかもしれません。 最後には「経験」「習慣」という2つの概念の登場で幕を閉じました。「目的」「手段」から一歩距離を置き、次はどういった展開を見せてくださるのか。楽しみです。(第三象限) 素敵な一冊でした。 余談ですが部数を飛ばしている『暇と退屈の倫理学』といい、國分先生のご著書はテーマが違えど論旨が一貫しており、とても読み易いです。若林さんとの共著も楽しみです。
國分功一郎3冊目 現代社会の危険を哲学を使ってここまで分かりやすく表現できる人が他にいるんか。カントの哲学を理解するのは困難でも、著者の噛み砕き方が素晴らしい。手段に囚われた日常から解放される豊かな享受の快が無くなっていくと、主体の破壊に帰結する
アツい。國分さんのお話は、胸に刺さる。 目的、手段、主体が形成される機会が奪われるということ。資本主義がもたらす弊害など。 本当にそうだな、と、実体験から腑に落ちるお話が多い。 いい本だった。國分さんの他の本も、読んでみたいな。
暇と退屈の倫理学からの続き。一冊飛んでこの本を先に読んだけど全然大丈夫だった。前半後半に分かれてるけど、まずその考え方が響いた。まず書いて完成すると話ができる。文章にするから話せる。この考え方は良い。学びだ。 本の内容としては、いつもながらかなり理解に苦しんだ。哲学書っていつもそう。読んで苦しむ。読...続きを読む後頭からしばらく離れない。それがまた良い。今回も同じ。 この本は生きる目的を失いつつある、40〜50代におすすめ。折り返し地点を過ぎた我々は何かを楽しむことを忘れている。そこに明確な線引きがない。難しいな。心に正直に生きるのは難しいと思う。
流石によく整理されている。タバコについてのカントの記述が読めるのは大変良い(多分道徳的にも、ある意味では背徳的にも)。ただ國分さんこんなの書いてるってことはよっぽど人生楽しくないと考えていたのかなと勘繰ってしまう。いや、楽しくなくても考えるのが楽しければそれでいいのだけど! タバコの良さを論じるカン...続きを読むトがタバコをやったとは想像し難い。國分さんがタバコを吸うかは知らないが、こういう人は多分考えるのが好きなので吸わない気がする(無論勝手な想像だが)。アレントのチェスの手段化の話も読める。
國府先生、これはかなり難しかった。何回も行きつ戻りつしてやっと一周読みましたが理解が追いつかない。。。 私なりに理解したところによると、目的を持たない快(酒やタバコをを嗜むような)が、現代では目的に蝕まれつつある=純粋に行為自体を快楽として受け取る余裕がなくなってるよ、っていう警鐘なのかなと思いまし...続きを読むた。実際私も酒びたりのときが一時期あり、現実から一瞬でも思考を切り離す道具として酒を飲んでいたなぁと今は思います、当時は美味しいから沢山飲んでると思い込んでましたが(病)。 前作の新書より具体性が上がってるのについていけない自分の理解力のなさに悲しみを覚えつつ、一方で凡人がついていけないレベルの内容でも平易な言葉で何回も何回も丁寧に説明して書いてくださる國府先生の姿勢に、そこに痺れる憧れる〜!となってしまう一冊です。おすすめです、帯の先生の写真もかっこいいし!
人生に目的手段の連関がある程度必要なのも事実だが、享楽の快という単なるそれ自体を楽しむことを意識して過ごしていきたいと感じる、とても良い著書だった ただ、消費社会の原因が資本主義にあるかのように述べられてることには違和感を持った 確かに消費社会は資本主義から生まれたことには同意するが、それを消費...続きを読むしてしまう個々人の内面的事情に大きな問題があると自分は見ており、資本主義というより、資本主義であるこの社会に対しての思考があまりに脆弱な人間が問題なのでは、と思ってしまうのは自分だけなのだろうか
(著者にとっても意外かもしれないが)間違いなく、かつてなく四半期の数字目標が厳しく喧伝される現代ビジネスの中で、マーケターはじめ、ブランドづくりに関わるすべての人間にとって、必読の一冊だった。 凝り固まった思考の根本OSを、一発ガツンと、叩きのめして、UPDATEしてくれる。 目的ー手段の関係が当...続きを読むたり前のように叩き込まれる商売人の思考回路において、自らが作るモノやコトを、手段から解き放つのは非常に難しい。 でもそれこそが、現代社会が抱える病理に、いやそんな小難しい話を抜きにしても、シンプルに、「よりよいものづくりに勤しむ」ためにこそ、欠かせないはずだという直観に、出会えたような気がする一冊。 この本はじめ、『暇と退屈の倫理学』以降、國分先生の議論には感動を覚え、勉強しているものの、憎き存在として描かれる文化産業こそ、まさに私の本業。ぼくら商売人は、どう生きるべきか?非常に難しい難題。この本でも、やっぱり文化産業は悪役。でも、悪役にだって、抗い方はあるんではないか? むしろ、作り手として、楽しむ心を促す方向で、腕を振るうことができるのではないか?そんな予感を得られた。國分哲学、もっと恥肉にしていきたい。
快を得る手段である嗜好品の話が冒頭に出てきて、最後に出てくるまで、カントに関する長い知的冒険だった。1部は論文をベースとした堅めの解説文、つまずきながらも何とか読み終えたら第2部は語り口調で親しみやすく、少しは理解が進んだか。崇高なものや美しいものに比べ、快楽をもらたす嗜好品とは。 現代社会への危機...続きを読む感を警告するのではなく、哲学を通じて掘り下げて掘り下げて、1周して同じところに戻ってきたときに、同じ景色が違って見える、読み手なりに哲学の面白さを感じることができるのが奥深い。
昨今の過剰なまでの推し活産業への懐疑から、様々な書籍を読んでいるが、また新たな知見の発見となる本であった。例えば仕事や学業の辛さから逃れることを目的として、または自らの精神的な健康を目的として、推し活をすることをやたら推奨されている。産業からすればそれが一番手っ取り早く人々を依存させ、金銭を稼ぐこと...続きを読むができるからだろう。しかし本当に楽しいもの、快適なものは提供されているのだろうか?何も疑問に思わず産業の言う通りに消費することが本当にいいことであろうか。
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手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)
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國分功一郎
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