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Posted by ブクログ
「はじめての経済思想史」の著者がお勧めしてたので。政治の成り立ちから近代 (18世紀位) までの流れが、教科書にも載っている偉人達が何を主張していたのかを通じて論理的に哲学的に書かれている。ただ、教科書的な話というより、筆者の解釈/言葉で語られているので政治/哲学の初学者でも興味深く読める。著者はロックが嫌いなのか「根拠のない主張は哲学では無い」とぶった切る感も面白い。全体の流れは最終章の結論でおさらいできるのも有り難い。
聞き慣れない「自然状態」「自然権」「社会契約」「一般意思」等の前提条件や成り立ちの話から、普段何気なく使っている「封建制」「国家」「主権」「共和制」「民主主義」の言葉の意味を再認識しながら話が繋がっていくのは気持ち良い。立法が最重要である一方で、その執行権(行政権)は個別対応であり、肥大化/暴走の懸念と正義の遵守/統制のバランスが如何に難しいかは現代にも通ずる話。(全員でない全員による)民主主義は欺瞞であるが、その価値を問い続けるのが大事だと(by カント)。
ところどころでキーワードとして出てくる「所有」の話をもう少し突っ込んで聞きたかった。また、本書は主に西洋史での流れだが、日本の歴史/政治に当てはめて話も聞きたくなる。
Posted by ブクログ
我々のこの民主主義・民主制は、ある種の欺瞞のもと、何か別のものが民主的と呼ばれているにすぎないのではないかーー。そのような疑問から出発し、政治哲学の大家たちの論を紐解きつつ、彼らの「自然権」「主権」「立法」「行政」などの用語法の細かな異同に目を配りながら、何百年も前に提起された諸問題が今もなお熟慮に値することを明らかにしてゆく。
初めて書店で見かけた時は硬くストレートな題名には好感を抱きつつもこれで本当に売れるのかと心配になったが、数ページ読んでそれが杞憂であることを確信した。とにかく解り易い。変に奇を衒った所は全くなく、極めて簡潔な文体で淡々と論が進められてゆく。あまりに噛み砕かれると却って頭に残りにくいこともあるが、手軽さが重視される新書というメディアにおいてはこのシンプルネスは重要だろう。
立法権から行政権への秘密裏の権限移譲をジョン・ロックの建前主義に求めるくだりは舌鋒鋭く読み応えあり。ここがこの本の肝と思われ、立法権と行政権の遠近に関わるテーマはその後も繰り返し現れている。
Posted by ブクログ
封建国家による統治が限界を迎えた先にどのように近代国家の輪郭が形成されていったのか、その輪郭の骨子はなにかを、順に登場する各思想家の考えに沿って読み解いた本。
コテンラジオの「フランス革命編」を追体験し、より深く理解できたと感じる。
個人的におもしろかったのは、ぼんやりとしか捉えられていなかった封建国家の解像度が上がったことと、「行政権」を捉え直すことで「民主主義」という概念と実態のチグハグさが見えるようになったことか。
自身が組み込まれた政治体系をただ受け入れるだけでなく、主権の一部を担う民として政治体系を捉え直し自意識として組み込むことの重要性を主張しているように感じた。
国分さんの本は4冊目だけど、一貫してこの主張がなされている。
あとは「思想家」と「哲学者」の違いが見えたのもよかったな。根拠を提示せずにフレームを語るジョン・ロックは哲学者ではなく思想家だと感じた。
ただ、世の中を大きく変えるのは哲学者ではなく、置かれた現状を''上手に''説明する思想家なのだなぁとも。
いい本でした。
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