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我々がいま生きているこの政治体制は、近代の政治哲学が構想したものだ。ならば、政治哲学やその概念を検討すれば、今日の民主主義体制の問題点についても、どこがどうおかしいのか理論的に把握できるはずだ! 人間が集団で生きていくための条件とは何か? “主権”の概念が政治哲学の中心におかれる中で、見落とされたのは何だったのか? 近代前史としての封建国家を出発点に、近代の夜明けから、その先鋭化・完成・自己批判に至るまで。ホッブズ・スピノザ・ルソー・ヒューム・カントの順に、基本の概念を明快に追っていく。
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Posted by ブクログ
「はじめての経済思想史」の著者がお勧めしてたので。政治の成り立ちから近代 (18世紀位) までの流れが、教科書にも載っている偉人達が何を主張していたのかを通じて論理的に哲学的に書かれている。ただ、教科書的な話というより、筆者の解釈/言葉で語られているので政治/哲学の初学者でも興味深く読める。著者はロ...続きを読むックが嫌いなのか「根拠のない主張は哲学では無い」とぶった切る感も面白い。全体の流れは最終章の結論でおさらいできるのも有り難い。 聞き慣れない「自然状態」「自然権」「社会契約」「一般意思」等の前提条件や成り立ちの話から、普段何気なく使っている「封建制」「国家」「主権」「共和制」「民主主義」の言葉の意味を再認識しながら話が繋がっていくのは気持ち良い。立法が最重要である一方で、その執行権(行政権)は個別対応であり、肥大化/暴走の懸念と正義の遵守/統制のバランスが如何に難しいかは現代にも通ずる話。(全員でない全員による)民主主義は欺瞞であるが、その価値を問い続けるのが大事だと(by カント)。 ところどころでキーワードとして出てくる「所有」の話をもう少し突っ込んで聞きたかった。また、本書は主に西洋史での流れだが、日本の歴史/政治に当てはめて話も聞きたくなる。
各政治哲学者の思想が紹介されたうえで、「民主主義とは何か」を最後の問いを読者になげかける。 あまりに当然であり自明であった「民主主義」がいいという無邪気な精神から、すこし距離を置くことができたと思う。 あとがきのまとめ方が素晴らしく、読後感がすっきりする。
めちゃくちゃ勉強になった。難解な哲学をかなりわかりやすく書いているし、何より現代に引きつけて例示をしてくれたりしているので、一層わかりやすい。もちろん全て簡単に理解できるものではないので悩みながら読む時間は必要だけれど、一冊読み終わった時には自分の認識がかなりアップデートされていることは間違いない。...続きを読む 特に立法と行政の関係は、言われたら難しい話ではないのに目から鱗だった。現役の公務員とか、実践の現場にいる人たちにも読んで欲しい一冊。 専門書という扱いではないけど、現代を生きるための大人の教養書、だと思う。
主要な政治理論を明晰にまとめている。多くの学者がごまかしているロック政治論の欺瞞性を指摘しているのもよい。主権概念が立法権を中心に考えられてきたことを問題化し、強大な行政権力とどう向き合うかというところで終わる。個人的には、スピノザ・ルソー・カントの章がおもしろかった。
緩い封建社会と宗教戦争から主権や自然状態といった概念が生まれ、磨かれ、近代政治哲学が構築されてきたんだけど、それからはみ出たところにある強大な権力を有する行政をどうしていくのか、それが現代の課題であり、近代政治哲学をさらに発展させていく必要性もそこにあるのかな。
なぜ私の考えは行政に反映されないのかという疑問をもつ人の為の本。私と主権がどうリンクしているのか、そして主権の在りかは行政にどう働きかけるのか。主権概念の来歴を追うことで、現在の政治のあり方や主権国家システムを相対化することができる内容になっている。 あまり古典の解説で聞かない内容があっていい。ホッ...続きを読むブスの社会契約には二種類あることや、ルソーの一般意志は少数意見に容赦無いことなど。ただカントまでで章が終わっており、少なくともヘーゲルまで読みたかった。ヘーゲルには著者の持論を援用できる内容は少なかったということだろうか。
我々のこの民主主義・民主制は、ある種の欺瞞のもと、何か別のものが民主的と呼ばれているにすぎないのではないかーー。そのような疑問から出発し、政治哲学の大家たちの論を紐解きつつ、彼らの「自然権」「主権」「立法」「行政」などの用語法の細かな異同に目を配りながら、何百年も前に提起された諸問題が今もなお熟慮に...続きを読む値することを明らかにしてゆく。 初めて書店で見かけた時は硬くストレートな題名には好感を抱きつつもこれで本当に売れるのかと心配になったが、数ページ読んでそれが杞憂であることを確信した。とにかく解り易い。変に奇を衒った所は全くなく、極めて簡潔な文体で淡々と論が進められてゆく。あまりに噛み砕かれると却って頭に残りにくいこともあるが、手軽さが重視される新書というメディアにおいてはこのシンプルネスは重要だろう。 立法権から行政権への秘密裏の権限移譲をジョン・ロックの建前主義に求めるくだりは舌鋒鋭く読み応えあり。ここがこの本の肝と思われ、立法権と行政権の遠近に関わるテーマはその後も繰り返し現れている。
やや進歩史観的というか、過去の思想を「乗り越える」という形で単純化して書かれすぎているきらいはあるが、その点を踏まえても本書の試みが、その魅力が損なわれるということはない。 行政という観点に着目して読み直される政治哲学史は、掛け値なしに新鮮なものだった。 著者の『来るべき民主主義』と併読されること...続きを読むを強く勧める。ほとんど姉妹のような本だ。
政治哲学というのは難しい分野ですね。 有名な政治哲学者が、主権とは何かを突き詰めて考えて、国家がどの様に関わり合い管理すべきと考えたかを一つの軸としてまとめた入門書です。 主権をどう捉えるかかは当時の社会背景が多分に反映されており、宗教戦争が蔓延していた時代は、ホッブズを始めに、人間は放っておくと戦...続きを読む争を起こすために国家が管理すべきという悲観的な見方が広がり、逆に人間は共感し合う存在だというルソーやヒュームを始めに楽観的な見方が根付く時代も。 人間の本質は何か、国家がどう管理すべきかは古くも新しいテーマだとも言えますね。
封建国家による統治が限界を迎えた先にどのように近代国家の輪郭が形成されていったのか、その輪郭の骨子はなにかを、順に登場する各思想家の考えに沿って読み解いた本。 コテンラジオの「フランス革命編」を追体験し、より深く理解できたと感じる。 個人的におもしろかったのは、ぼんやりとしか捉えられていなかった封...続きを読む建国家の解像度が上がったことと、「行政権」を捉え直すことで「民主主義」という概念と実態のチグハグさが見えるようになったことか。 自身が組み込まれた政治体系をただ受け入れるだけでなく、主権の一部を担う民として政治体系を捉え直し自意識として組み込むことの重要性を主張しているように感じた。 国分さんの本は4冊目だけど、一貫してこの主張がなされている。 あとは「思想家」と「哲学者」の違いが見えたのもよかったな。根拠を提示せずにフレームを語るジョン・ロックは哲学者ではなく思想家だと感じた。 ただ、世の中を大きく変えるのは哲学者ではなく、置かれた現状を''上手に''説明する思想家なのだなぁとも。 いい本でした。
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近代政治哲学 ──自然・主権・行政
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國分功一郎
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