はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

913円 (税込)

4pt

私たちはまだ、「自由」を知らない――。
覆される常識の先に、ありえたかもしれないもうひとつの世界が浮かび上がる。
気鋭の哲学者による、心揺さぶる倫理学(エチカ)入門。

★現代人の「思考のOS」を書き換えるスピノザ哲学のエッセンス★

□すべての個体はそれぞれに完全である。
□善悪は物事の組み合わせで決まる。
□「力」こそ物の本質である。
□自殺や拒食の原因は人の内側にはない。
□一人ひとりの自由が社会の安定につながる。
□必然性に従うことこそ自由である。
□自由な意志など存在しない。
□意志は行為を一元的に決定しない。
□真理の外側に真理の基準はない。
□新しい主体のあり方が真理の真理性を支える。

*「NHK 100分de名著」『スピノザ エチカ』に新章を加えた増補改訂版*

[目次]
はじめに
1. 組み合わせとしての善悪
1)スピノザとは誰か
2)哲学する自由
3)神即自然
4)『エチカ』はどんな本か
5)組み合わせとしての善悪
6)善悪と感情
2. コナトゥスと本質
1)コナトゥスこそ物の本質
2)変状する力
3)多くの仕方で刺激されうる状態になること
4)コナトゥスと「死」の問題
5)万物は神の様態
6)神は無限に多くの属性から成る
7)コナトゥスと社会の安定
3. 自由へのエチカ
1)「自由」とは何か
2)自由の度合いを高める倫理学
3)自由な意志など存在しない
4)行為は多元的に決定されている
5)現代社会にはびこる意志への信仰
4. 真理の獲得と主体の変容
1)スピノザ哲学は「もうひとつの近代」を示す
2)真理は真理自身の基準である
3)真理と向き合う
4)物を知り、自分を知り、自分が変わる
5)主体の変容と真理の獲得
6)AIアルゴリズムと人間の知性
5. 神の存在証明と精錬の道
1)懐疑の病と治癒の物語
2)真理への精錬の道
3)精錬の道は自ら歩まねばならない
4)対話相手としてのスピノザとデカルト
おわりに

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はじめてのスピノザ 自由へのエチカ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    國分さんの本はとにかく面白いので、いつか読むだろうと本書も積読しておりました。

    スピノザは國分さんの本ではたびたび登場する人物であり、他の人の本でも肯定的に引用されることが多い印象で、どうやら日本人が好きそうな人物です。なぜ現代に肯定的に受け取られているのかを考えながら読んでおりました。

    まず代

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    國分功一郎はスピノザの哲学を、やや象徴的に「ありえたかもしれない、もうひとつの近代」の哲学と形容する。
    実際に、近代哲学の在り方を規定したのはスピノザではなくデカルトだ。現在の社会も、多かれ少なかれデカルト的な考え方に則って成立している。

    本書はそういった「近代的な」発想とは異なる、スピノザ哲学の

    0
    2025年10月06日

    Posted by ブクログ

    善いものと悪いものを分ける、自分の行動は自分の意志で決定している、自由は制約を受けない。現代で当たり前に考えられている認識を疑うことができた。組み合わせによる善悪、中動態の存在、制約の中で力を発揮できる自由。これから何度も読み返すだろう名著。

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

     国分さんの解説するスピノザの思想は、万人に寄り添ってくれるような思想で、自分にとってはすごく心強い考え方であった。

     特に印象に残っているのは、自由であるとは能動的であり、能動的であるとは自分の力が表現できている時であるという。また、スピノザは自由を度合いで考える。完全な自由になることはできない

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    これはいわば、自由を求める者たちへの指南書だ。

    スピノザは言った。「物事それ自体に善悪は存在しない。善悪を決めるのは組み合わせだ」と。目から鱗でした。例えば、毒キノコはそれ自体が悪いのではない。人間と掛け合わせると悪い作用が働く。動物が食べても問題はない。すべては組み合わせなんだ、と。さらに人間は

    0
    2025年01月10日

    Posted by ブクログ

    今まで読んだエチカ解説本の中では一番わかりやすい。
    語彙も平易で、読みやすい工夫が凝らしてある良作。
    しかし、根本のエチカが難解なので、まだまだ小生の努力が必要である。

    0
    2024年12月08日

    Posted by ブクログ

    『エチカ』のエッセンスを、近代社会のとは異なる価値観として捉えて論じていく。現代人の常識からは、まさにOSの入替を要求される内容である。

    本質というとガチガチに固定された不変の形状という認識であるが、スピノザは個々人の活動能力を高める力であるという。人間を画一的に定義するのではない、人間に対する寛

    0
    2024年11月02日

    Posted by ブクログ

    ありえたもう一つの近代。
    國分さんの、哲学者が作り出した概念を体得し、それをうまく使いこなせるようになることという言葉に、スピノザを学ぶ生き方が見えた気がしました。
     学ぶことで、少し楽に生きることができます。

    0
    2024年09月29日

    Posted by ブクログ

    少し難解だった点がいくつかあったが、スピノザの概念について浅くではあるが理解できたと思う

    まだ早い気もするがいつかエチカを読んでみたい

    0
    2024年07月23日

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ分かりやすかったです。
    ドゥルーズの入門書がどれも難解過ぎて、一度スピノザを理解したらドゥルーズの世界観を理解しやすいんじゃないかと思って読んでみたら大当たり。檜垣先生の『ドゥルーズ入門』(ちくま新書)が格段に読み進められるようになりました。
    自分も、デジタルよりアナログを信仰しているの

    0
    2024年04月05日

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