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「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
「哲学書で涙するとは思いませんでした」 そんな帯のコメントが、"倫理学って何?おもしろそうだけど難しそう…"と購入を迷っていた気持ちを後押ししてくれた。 涙はしなかったけど、豊かな生き方のヒントをくれたような本だった。 二足歩行が始まって400万年。 人の生活に革命がおこって1...続きを読む万年。 法律も経済も信仰もすべてはここから。 暇ができ、退屈がうまれた。 常に新しい刺激を求める性。 気晴らしをたのしむ教養。 400分の1。なんかちっぽけにみえた。 消費と浪費の違いを初めて認識できた。 消費行動の中に虚無を感じていた理由がよくわかった。そして、浪費を求めていたんだと。 著者自らの「読み飛ばしてもいい」の言葉に甘えながら、気楽に読み進めることができた。 読み飛ばしながらも、著者のロジックや事例にワクワクしながら読み終えた。 「そうだ本を読んでる時って、こんなたのしかったんだな。」 あらためて、そう思った。
大学生の頃に買って、5、6年の時を経てやっっと了読。 ここ半年くらいずっと輪郭の掴めなかった不快感。一昨日くらいにふと「もしや退屈なのでは?」と思い至り、久々に引っ張り出して読んだら凄い良かった。 なんか、安心した。 人生って退屈とどう向き合うかでもあるんだなってわかったことが収穫でした。 人は...続きを読む反復によって習慣を身につける。習慣がないと人は生きていけないけど、習慣によって退屈が生じる。とか最近の自分に心当たりがありすぎて「それ〜〜〜!」と思いながら読んでて楽しかった。 色々な物を受け取れるように自分を育てていきたいし、とりさらわれる瞬間を待ち構えれる場所を増やしたいな。 読書ってタイミングもあるんだなぁ。
先日全4回を終えた読書会で取り上げたので、再読。増補版は初めて読んだので付録が新鮮。(読書会について後日あらためて投稿したい)暇と退屈を切り口に現代に漂う疎外を射抜いた名著だなと改めて感じた。結論冒頭の、「本書を読むこと、ここまで読んできたことこそ、〈暇と退屈の倫理学〉の実践の一つにほかならない。だ...続きを読むから正確には、あなたは既に何事かをなしている。」というくだりは何度読んでも痛快!これを読むと人生深まりますよ。
ひたすらに、普段なら見過ごしてしまうような行動に対する疑問を追求し、より深い理解へと掘り進めていく印象であった。そうした問答の積み重ねが自然と私を惹き込み、読み手を思索へと誘う力があった。 また、挙げられるエピソードの多くに共感できたため、読み進めるほどに面白さを感じられた。時折、話題が急に転換す...続きを読むる場面もあったが、そのタイミングは絶妙であり、しかも「暇と退屈」という主題から逸れることなく一貫しているため、飽きを感じることは一度もなかった。 筆者の哲学者に対する理解は底知れないものがある。しかし、こうした哲学的テーマに不慣れな読者からすると、数多くの哲学者の局所的な見解が次々と引用され、しかも基本的に批判的な視点で語られるため、やや圧倒される印象を受けるかもしれない。だが、この種のテーマが好きな私にとっては、むしろ筆者の信念や思想の筋が通っており、独自の視点をもって自説を展開していく構成に圧巻さえ覚えた。 また時間をおいて、ぜひ読み返したいと思う。
なかなかに読み応えのある内容とボリュームの本ではありますが、普段身近にある"暇と退屈"というものを、様々な著書を引用しながらロジカルに講じられていくので、どんどんと内容に引き込まれながら読み進めていけます。シンプルに倫理学とは奥深いものだと思うばかり。 感想を簡単な言葉で言い表...続きを読むせる内容でもないけれど、自身の考え方に一石を投じる本でした。故に、ふとした時にまた読み返したくなる本でもあります。 個人的には浪費と消費の考え方がとてもツボでした。
(堅苦しくて難しそうだな)とこの本を敬遠している人は今すぐにでも読んだ方がいいと思う。確かに堅苦しい内容のところもあるが、作者が噛み砕いて1から説明してくれているのでスラスラ読める。本当に頭が良い人というのは小難しい内容を芯から理解し、相手の分かりやすいように伝えられる人なんだなと実感した。
非常に面白かった。 自分の中に世界の見方が新たに一つ追加された感じ。 とっつきにくい哲学の考え方を知ることができたのもよかった。 著者は読者の理解に非常に寄り添ってくれたおかげで、抽象的な内容にもかかわらずサクサクと読み進めることができた。 結論の部分は爽快感すらあった。
咀嚼して書いたと本の中で著者の方は言っているが完全に理解するには何度か読み直さなければいけないくらい、分かっているようで分かりきれてない、そんな感じ。 しかし自分が普段感じていた人生とはなんだろうみたいな違和感をこの本が説明してくれた。 人は定住するようになってから退屈と感じるようになったという点...続きを読むは非常に納得した。
退屈から逃げるため人はミッションや仕事の奴隷になる、浪費や退屈と向き合うことを通して、物事を楽しむ訓練がなされる。 消費ゲームから抜け、浪費を楽しむ 自分が動物になることを待ち構える
退屈の第1・2・3形式の話は、とても勉強になった。 というのも、私自身がこれらの退屈にのっとった行動を繰り返してきたからだ。 空白の時間が生まれると、何もしていないことが不安になり、躍起になれる目標を探して、しばらくするとそれに飽きて(もしくはうまくいかず)、また空白の時間が生まれる…… 本書...続きを読むでいうところの第1と第3の退屈を繰り返してきたのである。 まさか反復してきた出来事が「暇と退屈」で説明できるなんて、この本を読み始めるまで一切思ったことがなかった。 著者は哲学を専門とされており、本書での話の進め方も「これでもかっ」というくらい、丁寧に慎重にじっくりと進められる。本書のなかで、先人の哲学に投げかけられる“著者からの批判”も、理屈っぽくはあるのだけど、ある種直感に響くものでもあり、「そのとおり!」と拍手したくなるものばかり。そのようにして議論が進められるから、読んだあとの納得感がとてもある。 初めての哲学関連の本だったが、とてもおもしろかった!
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暇と退屈の倫理学(新潮文庫)
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