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全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。
選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作!
「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏
「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏
信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
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Posted by ブクログ
こーれはすごかった…
不思議な不思議な世界観から生まれたホラーミステリー。
結末もそういう展開になるのかと…
息を飲んだ、という表現がふさわしい、そんな話。
墓石の削りあとという、不可解な事件から始まり、戦時中に亡くなったと言われた大伯父の日記が発見され、そこから主人公や回りの人間に怪異が起こる。
場面展開が秀逸。
合間に挟まれる主人公の夢魔とか、最後の最後の数ページでぐるっと逆転するというか
物語の一つ一つのタイトルが日にちで、この一連の事件が真夏の8日で起こった出来ごとということで、濃密な話だな~と、感じた。
まさかまさか、最後怒涛に、ね
戦時中のパプアニューギニア占領中の生々しい感じの描写があって、本当に戦時中はこういう心境だったのかと、鮮明に想像できる文章力
頭の中に自然と場面場面がイメージされ、映像として想像しやすいのが自分的には読みやすい本なんかな
漢字読めないところとかところどころあるような文章だけど、すっ飛ばして読んでもサクサク読めちゃう
のめりこんで読んでしまった、そんな作品でした。
ホラーミステリーの大賞にふさわしい作品だ。本好きの人がこの作品をあげる理由がよくわかる、読んだらわかる。
Posted by ブクログ
決して引き返せない不可逆的な変化により日常が侵食されていく恐怖。ページをめくるたびに積み重なる、後戻りできない絶望感と、人間 vs 怪奇現象という対立構造の中、人間の無力さを容赦なく突きつける作品だった。
物語の起点は、第二次大戦で戦死した祖父の兄・貞市の記録の発見にある。その古びた軍記がほどかれた瞬間から、日常の歯車が狂い始め、読者は得体の知れない奇妙な世界へと引きずり込まれる。
作中で主人公の夢に現れる、人を喰らうヒクイドリのグロテスクな描写は、単なる悪夢にとどまらない。現実世界で次々と発生する超常的な現象や、狂気へと呑み込まれていく世界のメタファーとして見事に機能している。
人間が到底抗うことのできない正体不明の力によって、主人公の周りが、世界が変容していく恐怖。その結末は衝撃的だ。理不尽な運命に翻弄される人間の無力さを味わいたい読者にとって、忘れられない一冊となるはずだ。
Posted by ブクログ
すごい話だった…。
序盤は、「これってどういう話?」っていう感じで、なかなか掴みどころがなかったように感じてたのですが、中盤以降からどんどん読む手が止まらず、一気読みしてしまいました。
これってホラーなんだろうか…。SF?いや、むしろファンタジーかな…。うーん、こんなにジャンル分けに悩ましいの初めてかもしれません。でも、本作は『横溝正史ミステリ&ホラー大賞』を受賞してるんですよね。だから、ホラーかミステリかなんだろうけど…。
本作のオチ、最高でしたね。
最近、シリーズもののホラー小説を読む機会が多かったのですが、それらでは実現できない終わり方というか、単発ものだから出来る終わり方ですよね。すごく気持ちいい終わり方(裏切り方)でした。
まさか火喰鳥が出てくるホラー小説があるとは。本作って実写映画化されてるんですよね。なんかそのまま実写化したら凄く滑稽になりそうで心配になってきたのですが、上手くやれたんでしょうか。どういう作品になっているのか、気になりますね。
本作の著者である原浩さんの作品は『身から出た闇』だけ読んだことがありました。あの作品もなかなか面白かったし、本作も凄く面白かったので、他の作品も読んでみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
★3.9
死者の執着が現在を揺らす。
いわゆる「怖がらせ特化」のホラーではない。
『火喰鳥を、喰う』は不穏なホラーだ。“現実の輪郭が少しずつ壊れていく感覚”という空気感作りが秀逸。
戦死した大伯父の日記を起点に、墓石の破壊、家の消失、失踪、不審な文字列など、異変が連鎖していく構造になっているが、この作品はそれらを「明快な怪談」として処理しない。だからこそ、不穏さが長く尾を引く。
「死者の記録」が現在を侵食していく。
ホラーでは“呪い”や“因習”が軸になることが多いが、本作では日記という記録媒体そのものが異様な存在感を持つ。ただ読むだけだったはずの文字列が、徐々に現実側へ染み出してくる。この“記録が世界を書き換えていく感覚”が、オカルトというよりかはSFの味を出してるのだろう。
一方で、ミステリとして読むと不確定要素は多い。読み手によっては「説明不足」と感じるだろうし、逆に「最後まで輪郭が定まらないのがよい」として評価する人もいるはずだ。自分は後者寄りではあったが、完全に腑に落ちたかと言えばそうでもない。作品の空気感や構造はかなり好きだが、“一本の鋭い解答”を期待すると少しズレる。
ただやはり、その曖昧さ自体がこの作品の武器でもある。これは「怪異の正体を暴く」というより、「説明できないものが現実へ滲み出してくる過程」を読む小説だ。
この記録媒体が独り歩きして、世の中に呪いを撒き散らすのだろうか。
見たら最後、死ぬまで執着される――。
…あれ、そんな話他にもあったような…
井戸から出てきて呪い殺したり、あげくどこかの最恐モンスターとバトルするような…
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