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日本の命運を賭けた日露戦争。旅順攻略、日本海海戦の勝利に沸く国民の期待を肩に、外相・小村寿太郎は全権として、ポーツマス講和会議に臨んだ。ロシア側との緊迫した駆け引きの末の劇的な講和成立。しかし、樺太北部と賠償金の放棄は国民の憤激を呼び、大暴動へと発展する――。近代日本の分水嶺・日露戦争に光をあて交渉妥結に生命を燃焼させた小村寿太郎の姿を浮き彫りにする力作。
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Posted by ブクログ
文字通り国の存亡をかけた綱渡りの駆け引きが丁寧に書いてあって、日本史的な結論はわかっているんだけどドキドキしながら読んだ。この構成、最高。 自分としては小村寿太郎の私生活が意外にクズだったのが面白かった…
歴史小説として個人的には満点の作品でした。 国の尊厳をかけたギリギリの外交交渉。容易に譲れない全権たちが、それでも講和成立に向け妥協点を探りあう。そんな緊迫した様子をまるで同室で見ているような臨場感が、この小説にはありました。小村という人物にも大変興味をもちました。乃木や東郷が英雄ならば小村も同等に...続きを読む英雄なのでは、そう思いました。
作品は、基本的に叙事詩的な文章で書き進められており、淡々と当時の時間の流れと出来事を連ねているが、それがポーツマス条約の緊縛した場面をより強く浮き彫りにしていると思う。困難なポーツマス条約を成立させた優れた外交官、政治家として記憶していた小村であるが、"私"の方はとても陰の部分が...続きを読む濃い人生だったことは、この作品で知った。 日本が近代国家として名乗りを挙げた日露戦争の勝利の一方、このポーツマス条約が後のさらなる悲惨な戦争の歴史に繋がっていくことを考えると歴史の皮肉さを思う。 この度のウクライナ戦争もあり、読んでみた一作であった。
日露戦争後、ロシアとの講和条約交渉に臨んだ外相・小村寿太郎の物語。旅順を攻略し、日本海海戦に勝ったとはいえ、既に日本は兵も物資も底をついており、戦争継続が不可能な状態で交渉に臨む。しかし、実態は国民には知らされず、我慢を強いられた人々は賠償金などの獲得を当然のものとして期待している。一方のロシアはま...続きを読むだ余力があり、極めて強気な姿勢で交渉に臨んでくる。 この困難な状況での緊迫した交渉の場面がスゴイ。冷静に強く交渉し、ポーツマス条約の締結を実現する。しかし、賠償金は取れない。小村が出国時に考えていたように、日本では条約に反対する人々の暴動が発生する。 小村寿太郎という人の強さと弱さを見事に描きつつ、近代日本の分岐点になった日露戦争から条約締結までを振り返る傑作ですね。
日露戦争後のポーツマス講和条約に臨んだ小村寿太郎を描いた経済小説。ネズミと評されても信念を曲げず条約交渉を成し遂げた一人の外交官に感涙した。しかし私生活は余りに自堕落。そのコントラストが、人間臭くて実に良い。
手に汗握る
時代も場所もかけ離れ、歴史上の偉人の出来事でありながら、目の前で繰り広げられているかのような緊迫感を醸し出す。筆者の作品はいつも一気に読み切ってしまう。
吉村作品は本当に面白い!解説にもあるが単なる小説ではなく今後の厳しい国際社会での死活を賭した交渉の実物教育の書。
ここに歴史の大きな転換点があることを強く教えられた。外交交渉の中での情報の大切さ。ギリギリの交渉妥結の緊張感と大衆の恐怖。今こそもっと読まれるべき本だと思う。
日露戦争終結に向け、小村寿太郎はポーツマス講和会議に臨みます。 講話を成立させるために、ロシア側全権ウイッテとの交渉、駆け引きの末に劇的な講和を成立させます。 日本人は交渉下手とよくいわれますが、小村寿太郎の交渉をみると、決してそうとはいえません。 国民の憤懣を呼びますが、日本のために、平和のために...続きを読む、名利を求めず交渉妥結に生命をかけた外相小村寿太郎の物語です。 感動しました! 小村は、欧米殊にヨーロッパ各国の外交に長い歴史の重みを感じていた。国境を接するそれらの国々では、常に外交は戦争と表裏一体の関係にある。外交が戦争の回避に功を奏したこともあれば、逆に多くの人々に血を流させたことも数知れない。そのようなことをくりかえしている間に、外交は、攻めと守りの術を巧妙に駆使し、自国の利益を守るため他国との間でむすばれた約束事を一方的に廃棄することすらある。 そうした多様な欧米列強の外交政策に対して、日本の外交姿勢はどのようなものであるべきかを小村は常に考えつづけてきた。結論は、一つしかなかった。歴史の浅い日本の外交は、誠実さを基本方針として貫くことだ、と思っていた。列強の外交関係者からは愚直と蔑称されても、それを唯一の武器とする以外に対抗できる手段はなさそうだった。 ー 228ページ
外交は当初から落としどころを決めて始める。 最近の米国やEU、その他日韓関係などの緊張具合の現在進行形を体感する限り、その様子は見えない。 この書籍当時の時代の外相は、胆が太い。 いい意味で官僚じゃないからなのと、個人が日本を背負っていたんだろうと思う。 日本を守ろうとするんじゃない。 日本を創...続きを読むろうと、救おうとする気概が、ただただ、そうさせてたのかも。 「日本人は金銭よりも名誉を尊ぶ」 講和成立時、小村寿太郎の言葉は重い。
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