殉国 陸軍二等兵比嘉真一

殉国 陸軍二等兵比嘉真一

790円 (税込)

3pt

4.6

14歳の少年は、何を見たのか。
少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。

「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」
太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。

実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。
1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。

解説・森史朗

※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。

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殉国 陸軍二等兵比嘉真一 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ほんの80年前に実際に沖縄であったこと。もし自分があの時代の中学生だったら、…
    時代が常識を創り、思想を創り、正義を創る。
    蛆と虱と蝿にまみれた死体の山。それを踏んで進むのが戦争か。

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争末期の沖縄戦を14歳男子の視点から綴る記録文学。
    なんの疑念も持たない愛国心、忠誠心を育んだ軍国主義教育の結果、人の死になんの感慨も湧かなくなる過程...。虱、虱、蛆、蛆、蛆...。目を背けたくなる描写の数々...。後世に残すべき一冊。

    0
    2021年08月04日

    Posted by ブクログ

    14歳の少年が目撃した沖縄戦。

    吉村氏の取材力によって、壮絶な沖縄戦の実態がノンフィクションのように描かれる。

    鉄血勤皇隊と国のために奉仕、死もいとわない少年たち。
    一人でも多くの米兵を殺し、生き恥をさらさずに死ぬ、純真な心はそれを当然のこととして、強く思い、願う。

    しかし、戦況が悪化するにつ

    0
    2021年06月27日

    Posted by ブクログ

    1945年8月15日の終戦の日から75年が過ぎた。
    同年6月23日は沖縄戦終結の日。
    例によって吉村昭氏の徹底した取材に基づく「鉄血勤皇隊 比嘉真一陸軍二等兵 わずか14歳」の物語。70年以上前の沖縄戦という史実を知るという意味において、日本人として読むべき小説と言っても良いのではないかと思いました

    0
    2020年08月30日

    Posted by ブクログ

    辛い、只々辛い…。先ず開始一頁目から泣いてしまう。年端も行かない子供達が戦士として
    お国の為に役に立ちたいと泣いてるんですよ。名誉ある死とか犬死は嫌だとか言ってるんですよ…。これを辛いと言わずに何を辛いと言うのか。

    現地での悲惨さ、惨さの描写もさる事ながら段々と死について何も感じなくなる事や、真一

    0
    2025年08月01日

    Posted by ブクログ

     『羆嵐』『戦艦武蔵』『関東大震災』『海も暮れきる』と、吉村昭の本は色々と読んできた。壮絶な出来事が静かな筆致で描かれており、手に持つ本がひんやりと空恐ろしく感じる。
     沖縄出張の帰路、那覇空港の書店で沖縄を舞台にした本が陳列されていたので、読みやすそうなこの本をチョイスした。

     沖縄戦について小

    0
    2024年03月23日

    Posted by ブクログ

    沖縄戦の生々しい戦闘。
    生に向かう戦闘なのか、死への序章なのか、向かうべき先を見失う。

    吉村昭のノンフィクションはスゴイ。そう思わせてくれる作品ばかりだが、この作品もその一つ。
    戦争には、エゴや本能としての生、そして腐乱する死というものがある。
    極端過ぎれば例えノンフィクションと言えエグすぎて読め

    0
    2022年06月16日

    Posted by ブクログ

    終戦から75回目の8.15を前に選んだのは筆者の数ある記録小説の一つ。勇躍出征、14歳少年兵の目を通した沖縄戦。その余りにも凄惨な戦場の生々しい描写には言葉を失います。祖父母も戦後世代であろう今の中学生にこそ知ってもらいたい、そして語り継いでほしい、戦争の真実。

    0
    2020年08月05日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    当たり前のように、国のために死んでいく者たち。
    そんな嘘のような時代が、日本にも確かにあった。
    考えられないという言葉しか出てこない。
    本書は、戦争の凄まじさを如実に物語っている。

    0
    2020年09月09日

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