歴史・時代小説 - 文藝春秋 - 文春文庫一覧

  • 陰陽師
    4.1
    1~23巻570~1,599円 (税込)
    時は平安時代、京の都に安倍晴明という名高い陰陽師がいた。まだ闇が闇として残り、夜になれば人も、鬼も、物の怪も、同じ都の暗がりに、息をひそめて住んでいた時代だ。安倍晴明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼など、普通の人間には見えない、妖しのものどもを相手に、この世ならぬ不可思議な難事件をあざやかに解決する。親友の源博雅は、霊感はまるでないが、刀では敵なしの強さ。力を合わせて物の怪に挑む。野村萬斎・主演で映画化された原作!
  • 神隠し 新・酔いどれ小籐次(一)
    3.3
    背は低く額は禿げ上がった老侍で、なにより無類の大酒飲み。だが、ひとたび剣を抜けば来島水軍流の達人である赤目小籐次が、次々に難敵を打ち破る痛快シリーズ登場。
  • 鬼平犯科帳(一)
    4.3
    斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
  • 陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版
    4.0
    佐伯泰英さんの代表作「居眠り磐音」決定版! 第一巻『陽炎の辻』は、豊後関前藩の若き武士3人が、国許へと帰参するシーンから始まります。 その夜、3人が直面した思いもよらなかった運命。 そして、浪々の身となった坂崎磐音は江戸・深川で長屋暮らしを始めます。 平成でもっとも愛されたエンタメ時代小説。 著者自らが再度手を入れ〈決定版〉として蘇りました。
  • 坂の上の雲(一)
    4.1
    維新で賊軍とされた伊予・松山に、三人の若者がいた。貧乏士族の長男で風呂焚きまでした信さん(後の秋山好古)、弟で札付きのガキ大将の淳さん(真之)、その竹馬の友で怖がりの升さん(正岡子規)である。三人はやがて、固陋なる故郷を離れ、学問・天下を目指して東京に向かう。しかし、誰が彼らの将来を予見できただろうか。一人は日本陸軍の騎兵の礎をつくり、一人は日本海大海戦を勝利にみちびき、さらに一人は日本の文学に革命を起こすことになるのである。
  • 三国志 第一巻
    4.1
    宮城谷文学の集大成。現代日本の『三国志』決定版! 後漢王朝の衰亡――。建武元年(西暦25年)に始まる後漢王朝では、幼帝が続き、宮中は皇太后の外戚と宦官の勢力争いに明け暮れていた。正義の声は圧殺され、異民族の侵入が頻発し、地震や天候不順が続く。6代目の帝に皇子が生まれた時、守り役に1人の幼い宦官がついた。その名は曹騰(そうとう)。後に8代目順帝の右腕となった彼こそ、曹操の祖父である。
  • わかれ縁 狸穴屋お始末日記
    NEW
    4.5
    シリーズ化も決定! 西條奈加の〈ど真ん中〉傑作人情時代小説 「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の“情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!? 解説・大矢博子 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 燃えよ剣(上)
    4.8
    新選組副長、土方歳三を描いた司馬遼太郎の代表作が、ついに電子書籍で登場。無類の面白さが貴方を待ち受ける。これぞ小説だ! 不世出の小説家、司馬遼太郎さんには幕末に材を求めた作品がいくつもあります。そのなかで『竜馬がゆく』とともに特別な支持を集めてきたのがこの『燃えよ剣』。武州から出てきた土くさい田舎剣士、土方歳三。天然理心流四代目の剣豪、近藤勇と出会ったとき、歳三の人生、そして幕末史は回転し始める。近藤局長、土方副長の体制で本格始動した京都守護職配下の新選組。沖田総司、永倉新八、斎藤一ら凄腕の剣客が京都の街を震撼させる。池田屋事件などを経て、新選組とともに歳三の名もあがっていくが――。激動する時代のさなかで剣のみを信じ、史上類例を見ない強力な軍事組織をつくりあげた男の生涯を、練達の筆で熱く描きます。
  • 壬生義士伝(上)
    4.4
    小雪が舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、傷だらけの侍がたどり着いた。貧しさゆえ南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と蔑称された新選組の隊士になった、吉村貫一郎であった。その剣の冴えは“人斬り貫一”と京の都で恐れられ、一方、極度の倹約のため守銭奴と蔑まれた男には、まったく異なる貌もあった。元新選組隊士や教え子たちが語る非業の隊士の生涯から、血なまぐさい時代にひとすじに生きた「誠」の人生が浮びあがる。03年映画公開。浅田次郎、渾身の名作!
  • 武田信玄 風の巻
    4.2
    狂乱の振る舞いで、民に怨嗟の声をあげさせていた父・武田信虎は、次男の信繁を盲愛するあまり長男・晴信(=信玄)を露骨に疎んじていた。信玄は命の危険を感じ、苦悩の末、父を駿河の国に追放する。甲斐の国の主となり、信濃の国に怒濤の進撃をはじめた信玄は、諏訪頼重を幽閉し、小笠原長時を塩尻峠に破り、さらに村上義清を砥石城に攻略する。いつか京都に上ろうと野望を燃やしながら…。圧倒的なスケールと説得力ある取材で武田信玄の生涯を描く歴史小説、第1巻。
  • 幕末
    3.8
    「歴史はときに、血を欲した。このましくないが、暗殺者も、その兇手に斃れた死骸も、ともにわれわれの歴史的遺産である。そういう眼で、幕末におこった暗殺事件を見なおしてみた」(「あとがき」より)。春の雪を血で染めた大老・井伊直弼襲撃から始まった幕末狂瀾の時代を、清河八郎、吉田東洋など十二の暗殺事件で描く連作小説。
  • 江戸彩り見立て帖 色にいでにけり
    3.7
    “色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
  • 御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版
    4.0
    傑作時代小説シリーズの決定版! 身の丈五尺一寸、風采の上がらない五十男。しかし実は来島水軍流の凄まじい遣い手――。赤目小籐次、たった一人の闘いが幕を開ける!
  • 損料屋喜八郎始末控え
    3.9
    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、きっぱりと刀を捨てた喜八郎は、長屋住まいの庶民相手に鍋釜や小銭を貸す<損料屋>に身をやつした。といってもただの損料屋ではない。与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る礼差たちと渡り合う。田沼バブルのはじけた江戸で繰り広げられる、息詰まる頭脳戦。時代小説に新風を吹き込んだ、直木賞作家・山本一力の輝かしいデビュー作。人情味と後味の爽快さは一作目から群を抜いてます。
  • 耳袋秘帖 赤鬼奉行根岸肥前
    4.0
    若い頃、肩に赤鬼の刺青を彫る無頼をしながら、62歳で南町奉行まで昇り詰めた名奉行・根岸肥前守鎮衛(ねぎしひぜんのかみやすもり)。「大耳」の綽名を持つ彼が奇譚を記した随筆『耳袋』には、誰にも見せないもう1つの秘帖版『耳袋』があった。物を言う猫、続けて人が死ぬ井戸……根岸が同心の栗田、家来の坂巻とともに江戸の怪異を解き明かす「殺人事件」シリーズ第1弾!
  • かげろう絵図(上)
    4.0
    天保十一年、時の将軍は徳川家慶。しかし実権は、大御所・家斉が握っていた。絢爛たる吹き上げの桜見の会で、盛装した奥女中らが注視する中、事件は起こった──。家斉が寵愛する中臈・お美代の方とその養父にして背後の黒幕・石翁。栄華をきわめる彼らと、その追い落としを謀る水野忠邦一派。両者の罠のかけあいをミステリ・タッチで描き、権力に群がる矮小な人間の姿を炙りだす。権謀術数の大奥を生きる美女達に、快男児あり、色模様あり、黒幕ありの傑作時代小説。
  • 葵の残葉
    4.4
    新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞! 維新に放浪された高須松平家の四兄弟。 石高わずか三万石の尾張高須の家に生まれた四兄弟は、縁ある家の養子となる。 幕末の激動期、官軍・幕府に別れて戦う運命に。 御三家尾張藩主となり、いち早く官軍についた次男・慶勝。 一橋家を継ぎ維新派と交渉した五男・茂栄。 美貌と高潔で知られた会津藩主、六男・容保。 京都所司代として兄・容保を補佐し、最後まで転戦した八男・定敬。 兄弟の誰か一人でも欠けていれば、幕末の歴史は変わった――。 埋もれた歴史を活写する傑作長篇小説! 解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 沈黙の王
    4.7
    夏、商、周といった古代王朝を舞台にした傑作短編集。 商王朝の王子・丁は、言葉が不自由なため、父王から追放された。しかし苦難の旅の末に、目に見える言葉――文字を創造した。 己のハンディを跳ね返し、普遍的な価値を生み出した高宗武帝を描く表題作「沈黙の王」ほか、四つの短編を収録。
  • 炯眼に候
    4.5
    鉄砲をどう運用すべきか。 天候を予測することはできるのか……。 織田信長による戦の勝利の裏側には恐ろしいまでの合理的思考があった。 戦国の世、最も先を見据えていた男が最後に導き出したものは、 自らの死後、明智を破る秘策だった―。 独自の着眼で誰も見たことのない信長像に迫る、傑作短編歴史小説集。 解説・天野純希 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 銀の猫
    4.1
    出戻り介抱人・お咲は今日も寝不足! 江戸の介護を通して描かれる絶品小説。 嫁ぎ先を離縁され、「介抱人」として稼ぐお咲。 百人百様のしたたかな年寄りたちに日々、人生の多くを教えられる。 一方、妾奉公を繰り返し身勝手に生きてきた自分の母親を許すことができない。 そんな時「誰もが楽になれる介抱指南書」作りに協力を求められ――。 長寿の町・江戸に生きる人間を描ききる傑作小説。 解説・秋山香乃 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 悪左府の女
    4.5
    悪左府・藤原頼長から女官に下された密命とは? 平安ピカレスク小説誕生! 平安時代の末、藤原の氏の長者・藤原頼長は冷徹な頭脳ゆえ「悪左府」というという異名で呼ばれていた。 己の権力争いの道具として頼長が目を付けたのは、下級貴族の娘だった。 琵琶の名手である娘は下された密命のため帝の傍に送り込まれる。 時代の変わり目に彼女が見たものとは。 謎とスリルに満ちた長篇宮廷小説。 解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2017年6月9日に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 竜馬がゆく(一)
    4.4
    総発行部数2500万部超! 坂本竜馬の奇蹟の生涯を壮大なスケールで描く、司馬文学の金字塔、遂に電子化! 土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる! 第1巻/生まれ落ちたときから背中一面に旋毛がはえていたため、豪気な父は、“千里の駿馬”になるかもしれないと、竜馬と名付けた。が、十二になっても寝小便する。近所の子から「坂本の寝小便ったれ」「坂本の泣き虫」 とからかわれ泣かされて帰ってくる。字を満足に覚えられず、寺子屋の師匠に見捨てられる。そんな竜馬は、十四歳の時に小栗流の道場に通いはじめてから、にわかに顔つきまで変わっていった。竜馬は強い――。幼年時代から、江戸での剣術修業、奥手だった青年時代、人斬り以蔵、桂小五郎との出会いなどを描くシリーズ第1作
  • 樽屋三四郎 言上帳  男ッ晴れ
    4.0
    江戸開府以来の特権町人「町年寄」樽屋の新当主は、23歳の熱血漢・三四郎。時の将軍・吉宗から「百眼(ひゃくまなこ)をよろしく頼む」と謎の言葉をかけられたが──。奉行所の目が届かない庶民の事情をすくい上げ、事件の予兆を捉えつつ智恵と人情で問題を解決。時には権力に逆らいながらも江戸の町の安泰を図る三四郎の活躍を描く、書き下ろし時代小説新シリーズ第1弾!
  • 耳袋秘帖 深川芸者殺人事件
    3.7
    秋の月夜に、深川きっての名芸者力丸が、お座敷から忽然と姿を消した。町奉行の根岸は、配下の栗田と坂巻に探索を命じるが、やがて栗田の新妻・雪乃も行方知れずに……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第4弾。根岸と力丸が知り合った一件を描いた、書き下ろし短編「芸者と化け猫」を特別収録。
  • 耳袋秘帖 両国大相撲殺人事件
    4.0
    当代無双の相撲取り・雷電を、目の仇にしていた将来有望な若手力士が殺された。その死体には、雷電の得意技の痕跡が……。下手人は雷電なのか? 根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第6弾。若き日の根岸肥前と五郎蔵が、見世物小屋でひと儲けを企む短編「ろくろくろっ首」を書き下ろしで特別収録。
  • 恋女房 新・秋山久蔵御用控(一)
    4.3
    “剃刀”の異名を持つ南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵。長男・大助を従えて許せぬ悪に立ち向かう。大人気シリーズ、待望の第二幕スタート! 南町奉行所吟味方与力の“剃刀”こと秋山久蔵。前作から約10年。久蔵の嫡男・大助は元服前、岡っ引の弥平次は隠居して幸吉が跡を継ぐなど、それぞれ年を重ねていた。ある日、定町廻り同心の神崎和馬が下手人の似顔絵を家に持ち帰ると、それを見た姉さん女房の百合江は何故か動揺する……。 全30巻で完結した「秋山久蔵御用控」シリーズの第2シーズン開始。
  • 耳袋秘帖 浅草妖刀殺人事件
    4.2
    刀屋ばかりを狙う盗人「おたすけ兄弟」が、近所の神社に金を隠すのを見た町奉行所の中間・与之吉は、娘の薬代にとこれを奪うが、やがて兄弟に嗅ぎつけられ、身の回りに危険が迫る。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第3弾。坂巻が、初めて江戸見物をした日を描いた書き下ろし短編「ずぼんぼ」を特別収録。
  • 耳袋秘帖 八丁堀同心殺人事件
    3.3
    与力同心組屋敷がある八丁堀で、立て続けに、同心が殺された。地元・八丁堀での同心殺しは、威信にかかわると、北町奉行の小田切は気が気でない。だが、白昼堂々、次なる同心殺しが起き……。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第2弾。若き日の根岸を描いた、書き下ろし短編「河童の銭」を特別収録。
  • 本意に非ず
    4.0
    明智光秀、松永久秀、伊達政宗、長谷川平蔵、勝海舟――。理想や志と裏腹な決意をせねばならなかった男たちを描く傑作歴史小説集。 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 耳袋秘帖 谷中黒猫殺人事件
    4.0
    美人姉妹が住む谷中の“猫屋敷”に猫が増えすぎて、近隣から奉行所へ苦情が来た。やがて、姉妹が以前に鬼平が担当して未解決になった押し込み強盗の被害者と分かり……。根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第5弾。根岸の妻・おたかとの日々を描いた、短編「白雲斎のこと」を書き下ろしで特別収録。
  • 火群のごとく
    3.5
    山河豊かな小舞(おまい)藩、父代わりの兄を何者かに殺された林弥(りんや)は友らに支えられ剣の稽古に励む日々を送るが、江戸から来た家老の息子・透馬との出会いから運命が動きだす。やがて藩の政争と陰謀が少年たちをも巻き込み……。身分や立場の差を超えてつながる少年剣士の成長に清々しい風が吹く、著者の新たな代表作。
  • 耳袋秘帖 王子狐火殺人事件
    3.6
    玉子焼きで名高い料亭、王子の扇屋で祝言をあげる直前の花嫁が失踪。しばらくして装束(しょうぞく)榎のそばで、狐面をつけて花嫁衣装を着て死んでいる、別の若い女が見つかる。江戸の各地でも次々に狐面の女の死体が──。「稲荷の巫女は嫁には行けぬ 王子の狐が殺しに行くぞ はま」という奇怪な絵馬は何を意味するのか? 栗田と坂巻の名コンビが帰ってきた! 南町奉行・根岸肥前守の勘が冴えわたる「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第11弾。
  • 太公望(上)
    4.3
    古代中国史の中で、この男ほど謎と伝説に彩られた武人はいない……。羌(きょう)という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺す――。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望(ぼう)」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作!
  • 想い人 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    恋女房のお袖が江戸の大火で行方不明になって八年が経った。 いまだお袖の生存を信じる色男の瓢六の許に、今日もまた厄介事が持ち込まれる。 居候先のお殿様の心中事件に、姿をくらました琉球王家のお姫様捜し、仇討ちの仲裁と忙 しい。 そんな折、お袖に似た女を見たという話がとび込む。どうする瓢六。 元悪党にして稀代の色男瓢六の人生の決断とは! 人気捕り物シリーズ第六弾。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 王になろうとした男
    4.1
    野心が、野望が、人を変えていく戦国時代。桶狭間の戦で功を挙げた毛利新助。計策事により秀吉や光秀よりも出頭した塙直政、臣下の謀略で一族郎党を虐殺された荒木村重、信長に父を殺された復讐を胸に秘める津田信澄、黒人奴隷となって売られてきた彌助。信長の家臣ゆえ、運命に翻弄された男たちを描く短編集。高橋英樹による文庫版の解説も収録。
  • 鬼火の町 新装版
    4.0
    花のお江戸は天保時代の、ある朝のこと。大川(隅田川)に厚い霧がたちこめる中、亡霊のように漂う一艘の釣舟があった。やがて二人の男の水死体が流れ着く。川底をさらうと豪華な女ものの煙管(きせる)が見つかった。いったんは事件を任された岡っ引・藤兵衛だが、聞き込みをはじめると、八丁堀の同心からやんわりと圧力がかかる。お上に関係のある事件か? 反骨の藤兵衛を助ける颯爽の旗本・釜木進一郎、無気味な寺僧、大奥に棲む女たちを配してくり広げられる、長篇時代推理!
  • 忍者群像
    4.5
    わが手にかけたはずの明智光秀が「生きていたぞよ」と聞いた忍びの小五郎。噂がまことなら、今度こそ討ち果たして忍びの名誉を取り返さなくてはならない。しかしその道筋は意外な方へ(「首」)。潜入先で忍びの正体を見破られ、恐れ入って寝返った寅松。だが、その寝返りを自分の味方に知られ…(「寝返り寅松」)。歴史の裏で活躍した「忍び」同士の因縁の対決、哀愁、恥、名誉など、非情な宿命の中で熱い血をもって生きる姿を描く。全七篇。
  • 秘密
    3.7
    (おかしい。いつもとはちがうような……)居間へあがったとたんに、宗春は感じた。独り暮しの、棲み慣れた家だから、どのように些細な変化、異常があっても、するどい宗春の勘のはたらきは、それを見逃すはずがない──。はずみで家老の子息を斬殺してしまった宗春は、名を変え、身分を変えて江戸へ逃れたが、しだいに討手はせまる。一方で、身を隠す暮しのうちに、宗春は人の情けと心意気を知った……。円熟の筆で描く傑作長編時代小説。
  • 信長の棺 上
    3.7
    驚天動地の歴史ミステリーは、安土城の終焉から幕を開ける――。本能寺から消えた信長の遺骸。その謎を追う太田牛一の執念が掴んだ恐るべき真実とは。斬新な信長像が話題を呼んだ傑作長篇! 小泉純一郎氏が首相在任中、感銘を受けた本として、話題をさらった本書は、消えた信長の遺骸を追う本格歴史ミステリー。安土城や本能寺の建築構造に触れたり、隠密集団の秘術が解明されるなど、和製『ダ・ヴィンチ・コード』として紹介されたことも。数々の歴史の謎が解かれていくカタルシスは、まさに一気読み必至! 経営コンサルタントとして地域経済を長く見つめてきた加藤廣氏の、75歳時の衝撃的デビュー作。
  • 仕立屋お竜
    3.2
    表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説開幕! 第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれます。幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。  とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。  お竜の庇護者となる仕立屋の主・鶴屋孫兵衛、鶴屋の碁敵で謎のご隠居・文左衛門、そして鶴屋の用心棒で、ちょっととぼけた吉岡流剣術の使い手・井出勝之助など、お竜の脇を固める登場人物たちも魅力たっぷり。そして何よりの読みどころは、お竜の艶やかさと痛快アクションシーンです!
  • 出世商人 (一)
    3.7
    遺されたのは借財、託されたのは店の再建 急逝した父が遺したのは借財まみれの小さな艾屋(もぐさや)。 再建を志した文吉は、荒波を乗り越え立派な商人へとなれるのか。 薬種問屋に奉公していた文吉は、父が急逝し、家業の艾屋を継ぐ事となった。 形見は古い店と十両を超す借財。 文吉は店を再興しようと決意するが、艾売りだけでは金は返せそうにない。 しかも、借金の形(かた)に己の命までもかけられてしまい――。 絶体絶命の返済期限が迫る中、文吉に一発逆転の策はあるのか? 書き下ろし新シリーズ、第一弾!
  • 邪剣始末
    3.0
    『月下上海』の松本清張賞受賞で一躍スターダムに上り詰めた“食堂のおばちゃん作家”山口恵以子さん。彼女のデビュー作が待望の文春文庫化! 新内流しの門付け芸人おれんは、義父の刀匠・呉羽暁斎の遺言で、彼が呪いを込めて打ってしまった邪剣四振の行方を追っている。おれんは、辻斬りに襲われているところを救った貸本屋・文三の力を借りて邪剣を探し当て、邪剣に魅せられた者たちと死闘を繰り広げていく――。
  • 炎環
    4.1
    京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭――その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
  • 最後の将軍 徳川慶喜
    4.1
    ペリー来航以来、開国か攘夷か、佐幕か倒幕かをめぐって、朝野は最悪の政治的混乱に陥ってゆく。 文久二年、将軍後見職として華々しく政界に登場した、のちの十五代将軍徳川慶喜は、優れた行動力と明晰な頭脳をもって、敵味方から恐れと期待を一身に受けながら、抗しがたい時勢にみずから幕府を葬り去った。 さまざまなエピソードを連ねて描かれる、“最後の将軍”の生涯。 解説・向井敏
  • 本朝金瓶梅 お伊勢篇
    4.2
    姦婦おきんに続き、今度は裕福な饅頭屋の後家、そして人妻お六も妾にした西門屋慶左衛門。江戸一の色男の評判は高まるばかりだが、なんと自慢の魔羅が役に立たなくなったからさあ大変。四国のお殿様が愛用しているという噂の強壮剤を手に入れるため、お伊勢参りにかこつけて妾二人と旅に出たが…地獄の沙汰も金次第、重い荷物は運ばせ、宿は選りすぐり、美少年の陰間や「筆おろしの神さま」まで飛び出して、色欲全開の東海道中絵巻! 豪華絢爛な新・官能時代小説、第ニ弾。
  • 小町殺し
    3.0
    松本清張賞作家が満を持して放つ書き下ろし時代小説。新内流しを生業とするおれんは、旧知の清元の師匠・梅春の遺体発見現場に遭遇する。梅春は錦絵「艶姿五人小町」に描かれて人気だったが、その小指の先は切り取られていた。半月後、同じく錦絵に描かれた船宿の娘が殺された。これは連続殺人なのか? そんな折、おれんは錦絵の作者の弟子、玲泉と知り合うが……。
  • 本朝金瓶梅 西国漫遊篇
    5.0
    おきんとお六、女ざかりの妾2人に挟まれて旅する江戸最強の色男・西門屋慶左衛門。伊勢参りのご利益か自慢のモノがついに回復! 京都で大坂で金毘羅で、西国の美女たちを相手に最高の快楽を求めるが……。色と欲にまみれた男女が豪華に繰り広げる、痛快エロティック時代小説が現代の“精力減退”に警鐘を鳴らす!? 中国四大奇書のひとつ、名作『金瓶梅』に林真理子が新たな命を吹き込んだ、ノンストップ・エンタテインメント第3弾!
  • 嗚呼 江戸城(上)
    -
    天下を握った徳川家康には金がなく、一大名になり下った豊臣秀頼には巨額の金銀があった。貧しい天下人家康は、富有な大名を滅ぼしてその財宝を奪うべく兵を起す。大坂の役とは、それだけのことであった……。しかし三代将軍家光はその大金の埋蔵場所を知らされていなかった。ドラマはそこから始まる。将軍家から大名、旗本、はたまた浪人、商人、いかがわしい町奴に吉原の遊女までが縺れ合い、江戸城の建設と莫大な太閤の遺金をめぐって展開される雄大な長篇の幕開け。
  • 会津執権の栄誉
    3.4
    狙いはただひとつ。伊達政宗の馘(くび)――。 四百年の長きにわたり会津を治めながら、相次ぐ当主の早世で嫡流の男系が途絶えた芦名家。 常陸の佐竹家より新たな当主として婿養子を迎えたものの、家中に軋轢が生じ、北からは伊達政宗の脅威が迫る。 芦名家の行方は家臣筆頭の金上盛備の双肩にかかっており、ついに伊達との摺上原での最終決戦を迎えた。 東北の名家の存亡を描き、直木賞候補となった出色のデビュー作。 本屋が選ぶ時代小説大賞2017受賞! ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 赤い風
    -
    前代未聞の開拓事業「三富新田」を描く長編歴史小説 荒涼とした原野を二年で畑地にせよ――。川越藩主柳沢吉保は無謀な開拓を命じる。軋轢を抱える武士と農民の共同事業は成功するのか。 武蔵野原野は赤土で水源に乏しく、田畑は拓けない。 秣場(まぐさば)に利用する村々の争いを止めるため、川越藩主柳沢吉保は荒野の開墾を命じる。 だが、家老の嫡男・啓太郎は、侍を憎む百姓の正蔵と衝突、互いに反目して計画は進まない。 二年の期限が迫るなか、下役人が不審な死を遂げて……。 大地に生きる人々の歴史長編。 解説・福留真紀 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 暁の群像(上)
    3.7
    坂本龍馬と同じ土佐藩の一介の郷士(下級武士)にすぎず、また父の酒癖がわるく極貧という家に生まれた岩崎弥太郎。そんな弥太郎が、どうやって江戸から明治への動乱期に“政商”としてのし上がり、たった一代で三菱財閥の基礎を築いたのか。司馬遼太郎「竜馬がゆく」と同時期(昭和37年)に新聞連載され、大いに話題を呼んだ傑作歴史経済小説。物語は、安芸平野が山肌に吸い込まれようとする地、井ノ口村に始まる──。激動の時代を鮮やかなエピソードで描く群像劇!
  • あかね空
    3.9
    希望を胸に、身一つで京都から江戸へくだった豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉と、それを支えるおふみはやがて夫婦となった。固く大きい江戸の豆腐と、やわらかで小さい京風の豆腐。好みの違いに悩みながらも、二人で精を出し、周囲に助けられ、ついに表通りに店を構える。その一方、家族にはだんだん気持ちのすれ違いが大きくなっていた。商売を引き継いだ三人の子らまで、豆腐屋二代の機微を描いた、第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。
  • 秋山久蔵御用控 赤い馬
    3.5
    内神田鎌倉河岸で付け火が起きた。付近では妙な女の姿があったという。数日後、今度は神田連雀町から火の手が上がり、同時に近くで押し込みがあった。これは火事騒ぎを起こし、それに乗じて押し込みを働く盗賊一味の仕業、そして妙な女はその仲間──そう睨んだ秋山久蔵は、さらなる探索を命じる。 好評シリーズ第10弾!
  • 秋山久蔵御用控 生き恥
    3.0
    金目当てと思われる辻強盗が出没。怪しいのは金遣いの荒い遊び人の大名の若様や旗本の部屋住みなど。久蔵は手下を使って真相に迫る。 好評シリーズ第23弾!
  • 秋山久蔵御用控 埋み火(うずみび)
    -
    神楽坂下の掘割に、袋物屋『丸菱』の内儀・お艶の死体があがった。お艶は半年前に入り婿の文吉を追い出して離縁しており、恨みによる殺しと思われた。だが当の文吉は事件と係わりがないらしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、2人の離縁の裏には何事かが潜んでいると睨み、手下に探索を命じる。 好評シリーズ第4弾!
  • 秋山久蔵御用控 虚け者
    3.0
    若い武士の刺殺体が見つかった。滅多刺しだったことから、恨みによるもの、また女の仕業であることが疑われた。調べを進めると、武士は評判の悪い旗本の倅で、人形問屋の娘を弄び、身投げに追い込んでいたという。手下とともに真相を暴いた南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵が、最後に見せた裁きとは? 好評シリーズ第19弾!
  • 秋山久蔵御用控 空ろ蝉(うつろぜみ)
    4.0
    本所深川で隠密廻り同心が斬殺された。この同心は、町奉行所も容易に手を出せない無法の地・八右衛門島の探索をしていたという。一向に動こうとしない南町奉行に不審を抱いた秋山久蔵は、真相を追って八右衛門島にひとり潜り込むが、久蔵の前に現れたのはこの地に似つかわしくない謎の女だった。 好評シリーズ第5弾!
  • 秋山久蔵御用控 大禍時(おおまがとき)
    3.7
    大禍時(おおまがとき)──薄暗くなって禍(わざわい)が起こりやすい夕暮時に、娘が消えるという噂が立った。弥平次の調べで、高家一色家に奉公にあがっていた菓子屋の娘が半年前に行方知れずになった事実を掴むが、店の者たちの態度がおかしい。また一色家にもよからぬ噂があった。事件の真相は何なのか、“剃刀”久蔵の裁きが冴える。 好評シリーズ第17弾!
  • 秋山久蔵御用控 帰り花
    3.0
    「安心しな。義父上の無念、放っちゃあ置かねえさ。追い詰めて正体を暴き、必ず叩きのめしてやるぜ」。久蔵の義父、北島兵部が辻斬りにあって殺された。しかしそこには不可解な謎が。調べを進める久蔵がたどりついた許せぬ悪。亡き妻の妹・香織の無念を晴らすため久蔵の心形刀流が唸る! 好評シリーズ第2弾!
  • 秋山久蔵御用控 隠し金
    -
    八丁堀・中ノ橋に、蜆売りの春吉の死体があがった。袈裟懸けに斬られており、侍の仕業らしい。父を亡くした春吉は母を助け健気に働いており、八丁堀御組屋敷街のみなに可愛がられていた。やはり贔屓にしていた南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、少年を無残にも斬った外道に、怒りの刃を向ける。 好評シリーズ第12弾!
  • 秋山久蔵御用控 騙り者(かたりもの)
    4.0
    油問屋のお内儀・おしずが身投げして死んだ。お内儀の妹によると、おしずは秘密をばらされたくなければ金を出せと脅されており、そしてその脅した人物は「御家人の秋山久蔵」だという。当然、久蔵は身に覚えはないが、では誰がその名を騙ったのか。己の名を騙った者の意外な正体を、“剃刀久蔵”が暴く! 好評シリーズ第9弾!
  • 秋山久蔵御用控 神隠し
    4.0
    “剃刀久蔵”と呼ばれ、悪人を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力秋山久蔵の活躍を描く。浅草広小路の呉服屋『近江屋』の17歳の娘おさよが隅田川の桜見物で行方知れずになった。かどわかしと思われた3日後、町駕籠で無事に帰ってきたおさよだが、その白い肌には…。卑劣な悪党に久蔵の心形刀流が炸裂する! シリーズ第1弾!
  • 秋山久蔵御用控 傀儡師(くぐつし)
    3.5
    「町奉行所の役人は、お奉行の為に働いてるんじゃあねえ。八百八町で真面目に暮らしている庶民の為に働いているんだ」。剃刀と呼ばれ、悪党を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力の活躍を描く“秋山久蔵シリーズ”。日本橋で虚ろな眼をして刀を振り回す浪人。しかし人々を襲った男はその記憶が全くないという。蠢く“傀儡師”の正体とは?多彩な脇役も魅力です。 好評シリーズ第14弾!
  • 秋山久蔵御用控 口封じ
    3.3
    「相手は薄汚ねえ盗賊だ。情け容赦は無用だぜ」。江戸の悪を“剃刀久蔵”が斬る!  錺職(かざりしょく)の男が鎌倉河岸で死体となって浮かんだ。北町奉行所の調べでは溺死と判断されたが、頭には殴られた跡があり、客ともめていたのを見た者がいた。客が注文したのは丸に揚羽の蝶の銀簪。男の女房に真相究明をたくされた久蔵は、”丸に揚羽蝶”の家紋を手がかりに、背後に蠢く悪に迫る。久蔵の、心形刀流が炸裂する! 三編の読切り時代小説を収録。 好評シリーズ第13弾!
  • 秋山久蔵御用控 島帰り
    3.0
    かつて久蔵が島送りにした浪人が、務めを終えて江戸にもどってきた。久蔵は消息を気にするが、彼の行先は知れない。時を同じくして、久蔵の家の周辺や人殺しの現場で、初老の人足風の男が目撃される。島帰りの男はどこへ行ったのか、そして事件現場で目撃される人足風の男と係わりはあるのか――。 好評シリーズ第22弾!
  • 秋山久蔵御用控 始末屋
    4.0
    因縁をつけてきた武士を尋常の立合いで斬った浪人。誰もがかばう中、“剃刀”久蔵だけが違和感を持った……。 好評シリーズ第25弾!
  • 秋山久蔵御用控 煤払い
    4.0
    大川に簀巻にされた土左衛門があがった。どうやら本所と浅草の、博奕打ちの一家同士の揉め事らしい。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、わざと静観して双方を争わせ、年末の“煤払い”とばかりに一網打尽にしようと企てる。一方、秋山家では長男の大助が成長ぶりを見せ、妻の香織にも変化が……。 好評シリーズ第28弾!
  • 秋山久蔵御用控 垂込み
    3.0
    盗賊同士の足の引っ張り合いを、“剃刀”久蔵が見事に裁く! “隠居の彦八”と呼ばれる元盗賊が江戸に舞い戻ったという。処刑された頭(かしら)の酉蔵の一周忌の法要を行う目的らしい。一方、酉蔵の娘の周辺では、蝮の藤兵衛の一味が様子を探っていた。盗賊同士、どんなかかわりがあるのか? 南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、手下とともに盗賊どもを追いつめる! 好評シリーズ第18弾!
  • 秋山久蔵御用控 付け火
    3.5
    “剃刀”と恐れられる吟味方与力・秋山久蔵の活躍を描く人気シリーズ。江戸の町で付け火が続いた。捕縛された盗賊・東雲の鉄五郎の一味の者が、鉄五郎を放免しなければ火を放つと脅してきた挙げ句のことだった。南町奉行の荒尾但馬守は、大火を恐れるあまり久蔵に対し探索の日切りを申し渡した。久蔵は、期限までに一味を捕らえられるのか。前作で長男・大助が生まれたのに続き、新メンバーも登場。ますます快調です! 好評シリーズ第16弾!
  • 秋山久蔵御用控 後添え
    4.5
    五百両の値がついた天目茶碗の商談に、贔屓筋に赴いた茶道具屋の主が、大川に遺体となって上がり茶碗も消えた。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵が探索を命じると、怪しい人物が複数浮かんだ。一方、久蔵に後添えの話が持ち込まれ、亡妻の妹である香織は密かに身を引く覚悟を決めた…。 好評シリーズ第11弾!
  • 秋山久蔵御用控 野良犬
    5.0
    秋山久蔵や数馬が、袴姿の若い侍に尾行された。過去に遺恨のある者なのかと男の探索を進めると、5年前に久蔵に斬り棄てられた浪人の弟らしい。それを恨みに思っているのか。またなぜ5年前ではなく、今姿を現したのか。誰にでもかみつく“野良犬”のようなその男を前に、身重の香織がいる秋山屋敷は警戒を強めるが……。 好評シリーズ第30弾!第1部完結!
  • 秋山久蔵御用控 花飾り
    3.0
    “剃刀”と称される南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵と手下たちの活躍を描く痛快時代劇。メンバーも増え、絶好調! 好評シリーズ第20弾!
  • 秋山久蔵御用控 花始末
    4.0
    定町廻り同心が首筋を切り裂かれて殺された。人通りの多い往来でのその早業は人殺しを生業にしている者の仕業と思われ、南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、「始末屋」が絡んでいると睨む。久蔵は探索を進めるが、逆に始末屋に手先の1人を殺されてしまう。久蔵と始末屋の闘いは激しさを増すが──。 好評シリーズ第8弾!
  • 秋山久蔵御用控 花見酒
    4.0
    言い交した娘を襲おうとした浪人を殺した丈吉は、久蔵の情状酌量もあって遠島ですみ、さらに赦免で江戸に戻ってきた。丈吉はその娘・おふみの行方を探すが、おふみは今は長屋の隣人の浪人で、一人で娘を育てる夏目佐内と互いを思いあっていた。そんな折、丈吉に弟を殺された博奕打ちの清蔵が、丈吉に賞金を懸けたという。それを知った左内は意外な行動をとる。さらにおふみの気持ちを知った丈吉は、身を引こうとするが……。 好評シリーズ第29弾!
  • 秋山久蔵御用控 彼岸花
    3.0
    神田佐久間町の金貸しの屋敷に、般若の面をつけた盗賊が押し込んだ。一味は200両と主の徳兵衛の命を奪って姿を消した。南町奉行所の秋山久蔵は、手向かいもしなかった徳兵衛だけを惨殺したことから、恨みによる凶行だと睨み探索を進めるが…。夜盗の哀しみと“剃刀久蔵”の恩情裁きが胸を打つ。 好評シリーズ第6弾!
  • 秋山久蔵御用控 冬の椿
    4.0
    同心の和馬は町中で、かつて秋山久蔵が斬り棄てた浪人の妻と娘を見かけた。ふたりは穏やかそうに暮らしていたが、なぜか大店の内儀が探りを入れていた。不審を抱いた和馬は、久蔵の許しを得て母と娘を見守ることにした。やがて、娘が博打打にさらわれかけるという事件が起きる。大店の内儀と母娘にはどんな関係があるのか。久蔵は過去を探ること……。 好評シリーズ第26弾!
  • 秋山久蔵御用控 迷子石
    3.5
    日本橋川に架かる橋のたもとにある迷子石。江戸で迷子を探す役目を持ったその石柱に、幼い兄妹が尋ね人の札を貼った。探しているのは、賭場で借金を作った挙げ句に押し込みを働いた父。南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、手下と共に押し込み犯を追うが、背後にはさらに憎むべき悪党がいると睨む。 好評シリーズ第3弾!
  • 秋山久蔵御用控 守り神
    3.0
    博奕打ちが殺された。直前に会っていた男は気の弱い若旦那ふうだったが…久蔵は手下たちとともに下手人を追う。 好評シリーズ第24弾!
  • 秋山久蔵御用控 乱れ舞
    3.0
    薬種問屋の主が斬殺され、娘が身投げをした。浪人に手籠めにされ、強請られていたのが原因だという。そこで浮かび上がった浪人・宗方慎之介は、元は直参旗本、そして秋山久蔵の幼馴染みだった。追い詰められ、「公儀に恨みを晴らす」と言い残して死んだ友の無念に、久蔵は隠された悪を暴くことを誓う。 好評シリーズ第7弾!
  • 秋山久蔵御用控 無法者
    3.0
    町方の男とつるんで評判の悪い旗本の部屋住みを調べると、小料理屋や御家人から金を強請りとっていることが分かった。だが標的となった者たちも真っ当ではなく、何か後ろ暗いところがあるようだ。“剃刀”久蔵は、旗本が強請を繰り返すことには訳があるとみて、弥平次たちにさらに探索を進めさせると……。 好評シリーズ第21弾!
  • 秋山久蔵御用控 夕涼み
    3.0
    十年前、貧乏当人の娘と所帯を持とうとして勘当され、出奔した袋物問屋の若旦那が、江戸に戻ってきているらしい。隠居した父親は勘当したことを悔い、弥平次に息子を捜すよう依頼した。同じ頃、袋物問屋を窺っている男たちの姿があった。若旦那と何か拘わりがあるのか……。 好評シリーズ第27弾!
  • 秋山久蔵御用控 余計者
    3.0
    不忍池の畔で男の死体が発見された。近辺では筆屋の主が大山詣りに出て怪我をし、女房と手代が店を休んで後を追ったきり、姿が見えないという。南町奉行所の秋山久蔵は、死体が筆屋で、女房と手代が事件に絡んでいると睨むものの、残された証拠に違和感を覚える。久蔵に息子が生まれ新たな展開を見せる。 好評シリーズ第15弾!
  • あくじゃれ 瓢六捕物帖
    3.8
    牢屋敷に捕らわれの身の、世之介ばりの色男・瓢六と、無骨な同心・篠崎弥左衛門との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快譚。 シリーズ第一作。 絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの瓢六が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に瓢六の知恵を借りるため、与力・菅野一之助は日限を切っての解き放ちを決める。不承不承お目付役を務める堅物の定廻り同心・篠崎弥左衛門との二人組による痛快捕物帖。
  • 明智左馬助の恋 上
    3.7
    嫉妬の棘が光秀を狂わせる――。『信長の棺』『秀吉の枷』につづく「本能寺3部作」ついに完結! 後醍醐天皇から錦旗(きんき)を賜った祖先を持つ三宅弥平次はその出自を隠すべく、明智家の養子となって左馬助を名乗り、信長方についた主君とともに参謀として頭角を現すようになる。秀吉との出世争い、信長の横暴に耐える光秀を支える忠臣には、胸に秘めたある一途な決意があった。「本能寺の変」をめぐる純愛を描く、感動の歴史長篇。
  • 明智光秀
    3.9
    2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより愉しむために! 光秀の運命は尽きず、秀吉、家康の生涯を左右する。 美濃国主・土岐氏に連なる家に生まれた明智光秀。 浪々の身となり諸国を流れ巡り、やがて尾張の織田信長の家臣となる。 歌道や故実式目、軍学を究めていた光秀は瞬く間に織田家の出世頭となる。 やがて城持ち大名にまでなるが、比叡山焼き討ちをきっかけに信長と対立、ういに信長を討つべく立ち上がった。 本能寺の変の後、光秀は秀吉に破れ死んだと思われたが、じつは……。 光秀は生きていた! それからの光秀は秀吉と家康、二人の天下人の運命に決定的にかかわっていくのだった。 光秀の知られざる波瀾の生涯を描く、伝奇歴史小説の傑作が待望の復刊。 解説・縄田一男
  • 明智光秀をめぐる武将列伝
    4.0
    2020NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより面白く! 名著『武将列伝』から光秀ほか六人の武将を抜粋した特別編集版。 戦国史上最大の逆臣と言われる明智光秀。 信長に仕えて以降は詳しく伝えられているが、その出自と最期は判然としない。 そこに改めて光を当てたのが海音寺潮五郎。 名著『武将列伝』から光秀自身と、彼に関わる武将の列伝を新たに編んだのが本書である。 斎藤道三、織田信長、 豊臣秀吉、前田利家、明智光秀、黒田如水、徳川家康の七人を収録する。
  • 菊花の仇討ち
    -
    朝顔栽培が生きがいの同心・中根興三郎はある日、 菊作りで糊口をしのぐ御家人の中江惣三郎と知り合った。 だが帰り路、興三郎は何故か中江と間違えられ、 謎の侍たちに襲われかける。 じつは中江は金のために菊を使い悪事を重ね、恨みを買っていたのだ。 興三郎は憤りつつ、彼の行動を調べ始めるのだが……。   解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 夢の花、咲く
    3.5
    松本清張賞受賞作『一朝の夢』姉妹篇。あの“朝顔同心”が再び登場! ときは前作から遡ること5年。ひとりの植木職人が殺され、物語の幕が開きます。江戸を襲った安政の大地震、相次ぐ付け火――。朝顔栽培が生き甲斐の同心・中根興三郎は、一見無関係なこれらの事件に潜む真実を暴けるのか?
  • 一朝の夢
    3.9
    北町奉行所・同心の中根興三郎の生きがいは朝顔栽培、いつか黄色い朝顔を咲かせるのが夢だ。仕事は閑職、奉行所員の名簿作成係である。時は安政、井伊大老と水戸徳川家の確執や、尊王攘夷の機運が高まっているが、そんなことはこの“朝顔同心”には無縁、長身の身体を縮めるように暮らしている。だが江戸朝顔界の重鎮、鍋島直孝を通じて、宗観と呼ばれる壮年の武家と知り合ったことから、興三郎は思いも寄らぬ形で政情に巻き込まれてゆく。松本清張賞受賞作。
  • 朝の霧
    4.0
    「いまのわたくしは元親の妹ではなく、殿に嫁いだ養甫にござります」 四国統一を目指す長宗我部元親の旗下で勇名を馳せた名将・波川玄蕃。元親の妹・養甫を妻とし、領民からの信望も篤い玄蕃だったが、いつしか元親の暗い嫉妬を買い、次々と失脚の罠を仕掛けられる。やがて襲う悲劇――。戦国乱世における夫婦の情愛、家族の絆、側近たちの活躍をいきいきと描いた、感涙の時代小説。
  • 朝比奈凜之助捕物暦
    4.0
    正統派時代小説が遂に始動!! 千野隆司待望の新シリーズ 父の跡を継ぎ、南町奉行所定町廻り同心となった朝比奈凜之助。剣の腕は立つが、どこか頼りない若者に与えられた殺しの探索とは……。 小間物売りの男が賊に襲われ、絶命した。残忍な手口に怒りを覚えた南町奉行所定町廻り同心の朝比奈凛之助は、早速探索を始める。調べは難航していたが、残された息子が賊の顔を見ていたことを知る。唯一の手掛かりと意気込む凛之助だったが、それを知った賊が、子供の命を狙い――。人情と剣戟が冴えわたる、待望の新シリーズ。
  • 仇討群像
    4.3
    仇討(あだうち)といっても、理由はさまざま。この短篇集のキーワードは「色欲」と「仇討」。殿のご寵愛ただならない美男の小姓が仲間に殺された、殺人をおかし仇討におびえながらも女色にふける若者、同僚の妻への横恋慕など、それぞれの内情があり、仇討のために狂わされる人生がある。人間の本性をしたたかに描き出す傑作短篇集。それにしても、色子と呼ばれる若者を抱かせる陰間茶屋、尼姿の娼婦がいる比丘尼(びくに)宿と、江戸時代の性風俗の豊富さは驚きです。
  • 安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録
    3.7
    秀吉の秘技、家康の妄執、天下人たちの意外な素顔を巧みに描く、「本能寺3部作」外伝! 信長の命により息子の信康を自刃させてしまった家康。日々鬱々として過ごす家康は、ある日名案を思いつき、臣下の服部半蔵を安土城に派遣する。果たしてその結果は? 表題作「安土城の幽霊」ほか、信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語など、著者初めての中篇歴史小説集。
  • 跡を濁さず 家老列伝
    4.0
    その手際の見事さから、「福島家浪人あまたあれど、長く流浪せる者ひとりもあらず」と世に謳われた知る人ぞ知る名家老・福島丹波守治重をはじめ、傾きゆく主家を一身で支えた名将・立花道雪、困窮する斗南藩の立て直しに尽力した会津藩家老・山川浩など……新たな視座で六人の家老を描く傑作歴史小説短編集。
  • 暗殺春秋
    3.0
    研ぎ師の勝蔵は剣の師匠・奥山孫左衛門に見込まれ、暗殺者の裏稼業を持つようになる。九寸五分の匕首で次々に悪党を消してゆく中で、次第に現れる闇の権力者・一橋治済の影。治済と老中・青山忠裕の陰の争いに巻き込まれていく勝蔵もまた、いつしか殺しの悦楽にはまり、のっぴきならなくなっていく……。 解説・井家上隆幸
  • あんちゃん
    -
    夫婦の気持ちのすれ違いを巧みに描いた「冬隣」、江戸に出てきた若い百姓が商人として成功した後に大きなものを失ったことに気づく表題作「あんちゃん」など、江戸を舞台にしながら、現代にも通じる深いテーマの数々を、急逝した時代小説の名手が描ききる。冷えた心に、ほんのりと明かりを灯す、珠玉の全七話。
  • いかずち切り
    4.0
    5万両は誰の手に!? 江戸の裏金融界を舞台に、騙し騙され、大勝負!――巨大な騙(かた)りにまんまと引っかかった札差に泣きつかれ5万両の奪還に乗りだしたのは、江戸の裏金融界でその名を知られた「いかずちの弦蔵」。「一番大事なことは、カネをどう受け取るかの段取りだ」――江戸と大坂を股にかけ、弦蔵と騙りの一味が丁々発止の頭脳戦を繰り広げる! 迫力と興奮のノンストップ傑作時代小説。
  • 怒る富士 上
    3.7
    宝永4(1707)年、突然大爆発を起こした富士山は、16日間にわたり砂を降らせ続け、山麓農村に甚大な被害をもたらした。ときの関東郡代・伊奈半左衛門忠順は、農民の窮状を救うべく幕府に援助を強く要請した。だが、彼が見たものは被災農民を道具にした醜い政権争いだった――。大自然の恐怖を背景に描く、著者会心の長篇時代小説。
  • 生きのびる 横浜異人街事件帖
    3.7
    ときは幕末。開港して六年目の横浜では、南京人による犯罪が激増していた。取締りの応援に乗り込んだ与力立花源吾が行方知れずに。そしてある朝、源吾の首が奉行所の門前にさらされていた――! 下手人と目されたのは窃盗団頭領の張竹芳。剣友・源吾の敵を討つため、卯之助と正五郎は上海へ向かう。著者円熟の筆がますます冴える『横浜異人街事件帖』完結篇。
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。

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