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Posted by ブクログ
江戸時代の豆腐屋を描いた物語。
店をやるために京から1人でやってきた永吉と、その妻のおきみ。
そして子供達までを描いた親子2代の物語。
最初は江戸で認められないお豆腐を売るために奮闘する夫婦の物語が、
商売のお話がメインで、お豆腐屋さんというセレクトも含めて楽しく読んでいたが、
やはりこの物語の主題は子供たちが生まれてから。
それまで仲の良かった夫婦には明らかに溝が生まれ、子供たちも心身ともに成長をしていく中で
やがて自我が芽生えて、しっかりと生きている。
家族を思いやるからこそ、相手とすれ違い、時にはぶつかることもある。
だけど、家族だからこそわかることや、家族だからこそ作れるものだってある。
人情ものではあるが、ストーリーの起承転結も細かく丁寧にあり、常にワクワクさせられる展開。
最後には心を動かされ涙する場面も。
あまり手にしないジャンルでしたが、非常に完成度の高い作品でした。
Posted by ブクログ
☆5つはちょっと甘いかなと思いつつ・・・。
山本さんは2作目。前作「損料屋喜八郎始末控え」の感想に「これがデビュー作ですから、その後を期待したいと思います。」などとえらそうに書いてしまいましたが、いやはや期待を裏切らない出来です。乙川優三郎氏を押さえての直木賞受賞作というのが充分頷ける作品です。
実は中盤で少し破綻した感じがありまして、ややヒヤヒヤしたのです。母親の溺愛。それに対する長男の反発と逃避。このまま行くと物語が壊れるのではないかと。しかし、最期に綺麗にまとめられています。山本周五郎や藤沢周平のうまさには敵わないかもしれませんが、これはこれで一力節と言っていいような気がします。
今後がますます楽しみです。
Posted by ブクログ
人との出会いで人生が変わる、変わるのはその人次第でもある。苦労して豆腐屋のお店を構えた男の人生とその家族、周りから手助けしようとする者、邪魔して商売を乗っ取ろうとする者、男の人生はその子供へと引き継がれていく。それぞれのが描く人情味とその都度の出来事で喜怒哀楽する様を描いている。跡取りの長男が賭博に誘われ賭け事から離れなくされた家族の苦難が待ち受けていた。父親は母親の無理を振りしきり長男を再教育のために奉公に出した。人はちょっとした事でも自分に都合の良い勘違いをする、勘違いが互いを疎遠にする場合もある。また、人は頑固で頑なになるとどうしても意地を通したくなることだ。誤解と勘違いからの仲違いは本人同士ではなかなか解決しない、必ず人情者(仲介者)を見つけ信じて仲介してもらうのも手だ。
気になった言葉は:「おふみさんて人はガキの頃から思い込んだらそれしかできねえ不器用な人だった」「不器用なばっかりにあんたら3人には優しい言葉も言えなかったのさ」
Posted by ブクログ
直木賞をとった時代小説を読みたかったので調べてリストアップしたうちのひとつ。
特別期待はせず読み始めたけど、面白い…どんどん読みたくなるタイプの小説…!
展開が早く、年月の経過も早くあっという間に数年後、みたいにサクサクとストーリーが進んでいく。
ただ展開が早すぎて、この人の話はここで終わり…?みたいな物足りなさは少しあった。
だけど内容が薄かったり軽かったりしなくてちゃんと面白い。
読み終わった気持ちは個人的には全てスッキリハッピーエンド!って感じではなかったけど、楽しい読書だった。
似てるわけじゃないけど、読んでて髙田郁の『銀二貫』を思い出した。
髙田郁が好きな人はこの本も好きかも。
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