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戦国を駆け抜けた心やさしき俊才の生涯 父・直家の跡を継いだ宇喜多秀家は、秀吉の寵愛を受け豊臣政権の中枢となる。 しかし秀吉没後は、派閥争いや家中騒動に苦しみ、 西軍の主力として臨んだ関ヶ原の戦 いで壊滅する。 敗走する秀家だが、彼が目指したのは、武士としては失格の場所だった――。 心優しき秀才が、嵐世に刻んだ覚悟とは? 傑作歴史長編。 解説・大西泰正 ※この電子書籍は2018年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
宇喜多の捨て嫁を読んで、木下作品のファンになった。その続編とも言われる宇喜多の楽土は、前作の主人公である父直家を早く亡くし、豊臣秀吉に預けられながら、大大名に出世して行く秀家が主人公である。 豊臣家の興亡、宇喜多家の興亡、関ヶ原の戦いを経て、八丈島で余生を過ごすストーリーは、流転の生涯である。 戦国...続きを読む時代に生まれてしまった秀家の楽土はどこにあったのか考えさせられる。
宇喜多の捨て嫁の続編というか地続きの作品。前作は直家、本作は息子の秀家主人公で、登場人物や設定は引き継がれている。実は戦国ものは連続ドラマ『関ヶ原』や『風雲児たち』などから入ったので個人的には直家よりも秀家の方が馴染み深い。そして、本作の秀家は子供の頃のイメージ通りの人物像だった。八丈島で肩の荷が降...続きを読むりたように不自由なく余生を暮らすくだりを読んで『風雲児たち』の快活な秀家を思い出した。宇喜多の楽土は八丈島にあったという解釈にしている。多分違うけど。 捨て嫁は時系列も入り乱れ、トリッキーな作品だったけど、本作は王道で物語性も強い。秀家を助けることになる2人はまあベタベタなわかりやすい伏線だけど、この2人をはじめとした周辺を固める人物達が実在で、ある程度作品で描かれた大筋通りの行動を史実でもとってるのも面白い。もちろん、枝葉肉付けの部分は思っくそ漫画的展開だけど、そんなことがあってもおかしくないかもレベルに整合性はとれてる! 秀家周辺人物でいうと、実は宇喜多左京亮があの坂崎出羽守だったの知らなくて、「な、なんだってええええ!!!!」てなった……この作品ではめちゃくちゃヤバ奴(もはや人かどうかも怪しいレベルに振り切れてる。ちいかわのうさぎを思い出して!)で、そりゃこんな人間に家康も千姫をくれてやりたくなかろう…… もう一つ関ヶ原の合戦描写が通説と全然違うのも見どころで、まさか一番展開を読めると思っていたシーンが一番予想外「うわぁぁ……死ぬ」てなるとは。。。大坂着陣時の意気揚々とした宇喜多勢の雰囲気見たら通説通り行くと思うやん…… 【余談】実家の香川と現住所の神戸を行き来する時、必ず岡山の児島から早島を通るんだけど、なるほどこの辺は元々宇喜多家の事業によってできた干拓地やったんやな。まあまあ内陸やのになんで島が地名についてるんやろと思ってたけど、もともとは島やったんかな?
大好きな作家の一人木下さんの作品。今回の主人公は、豊臣五大老の一人宇喜多秀家。今までほとんど知らない武将でしたが、楽しく読めました。あまり普通の歴史小説では多くは触れられない秀次や豪姫などが実にが魅力的に描かれており、そういうところにスポットを当てる勘所が好きです。最後の豪姫からのメッセージ、正直ど...続きを読むういう意味か分からなかったので、ネタバレのネットを読んであぁそういうことか、と気づきました。もっと、ちゃんと分かりやすく書いてほしかったなあと、正直思いました。もっと豪姫について読みたい!と思いました。
これは宇喜多の捨て嫁を再読してから読んだ方が面白みが更にあったやつ〜!と後悔して楽土を読んでから捨て嫁を再読しています。 秀吉の養子たちのあたたかな繋がりと崩壊への苦しみ、そして宇喜多秀家の宇喜多の当主としての葛藤とお坊ちゃん感…最高でした。 私は木下さんの文体の底に漂う妖しさが大好きなのですが...続きを読む、そんなの無くても面白いんだなぁ、と感じました。
あまり知られてなく史料も少ない、宇喜多秀家の生涯を上手く掘り下げた作品。 八丈島へ行った時、ここにいたらそれはそれで楽しいなと思えたから、秀家もそれなりに50年の余生を楽しめたのではないだろうか。
前作の捨て嫁とは違った面白さがあった。不器用というか、負けるとわかっていても信念を曲げられない生き方に共感を覚えた。梟雄と呼ばれた父とは違う魅力がある。豪姫とのやりとりもいい。
宇喜多秀家に対し、本書で、秀吉は「金将の一歩手前、と金」と称している。言い得て妙である。 前田家の姫を奥方に迎え、秀吉の引き立てにより、豊臣政権の最有力大名となった。 果たして秀家はどんな武将であったのか、興味は尽きない。
面白く読めた方だと思うが、宇喜多の捨て嫁のインパクトが強すぎて、薄く感じてしまうかなぁというところでした。
「宇喜多の捨て嫁」が素晴らしい作品だったので期待をして読んだが普通の出来という感想だ。 この作家が描く「宇喜多」の作品はデビュー作が凄いので評価のハードルが高くなってしまう。
父と違って、なんて不器用な生き方しか出来なかったんだろう、秀家。 八歳で城主というのは、戦国時代なので仕方ないけれど、そこから始まる茨の道。 唯一の救いの豪姫がいい(T . T) そして、小道具が素敵な役割をしているのが、読んでいてたまらない! あー、楽しかった。
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宇喜多の楽土
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木下昌輝
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