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女絵師の一生を描ききった直木賞受賞作! 不世出の絵師・河鍋暁斎の娘とよは、暁翠の画号をもつ女絵師。 父亡き後、仲がよいとは言えぬ腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、 洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。 明治大正の激動の時代、家庭の生活を担いつつ、 絵師として母として、愚直に己の生を全うした女の一代記。 第165回直木賞受賞作。 解説=東山彰良 ※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
画鬼・河鍋暁斎の娘、とよ。 彼の弟子でもある彼女は異母兄・周三郎と反発し合い、競い ながら、絵師として父の画業を追い、明治・大正期を生きる。 蛙鳴く 明治二十二年、春 かざみ草 明治二十九年、冬 老龍 明治三十九年、初夏 砧 大正二年、春 赤い月 大正十二年、初秋 画鬼の家大正十三年、冬 解説 東山...続きを読む彰良 とよが22歳のとき、父は亡くなった。それは河鍋暁斎。 様々な画風を自在に操り、奔放な画巧の稀代の画家。 絵を描くことが父との紐帯であり、異母兄・周三郎も同様。 赤い血でなく黒い墨で結び合わされたようで、お互い反発し、 競いながらも、父の画風を守るために画技を磨き合う。 偉大な星が落ちても、その画業を追い、行き着こうとする二人。 だが、時代の変化、画壇の変遷の波。明治は遠くなりにけり。 その中で、とよは多くの出会いと別れを体験する。 父の弟子たちの姿、彼らの家族、結婚と離婚等々。 長い年月の歩みは葛藤がありながらも、とよ自身を変えてゆく。 人は喜び、楽しんでいいのだ。苦難を乗り越えた清兵衛の 言葉がとよの心に使命を示す。父と兄のことを話すのが務めと。 とよの真っ直ぐな生き方が印象的な作品でした。 若い頃の、もがき苦しむ画業。兄の技巧への嫉妬。 でも徐々に変化し、達観していく彼女自身の姿が良かったです。 とよ・河鍋暁翠の絵が見たくなりました。
河鍋暁斎が好きなので読んだ。 天才絵師河鍋暁斎の娘の絵師河鍋暁翠こととよの話。 タイトルの星とはこの父親のことなのかどうか。 絵師として万能すぎる父の亡き後の兄弟や父の弟子たちとの関係など。 暁斎の長男周三郎との関係性に緊張感があって面白かった。
暁斎の弟子ジョサイアコンドル著の”河辺暁斎”(岩波文庫)を通して、とある方から教えて頂いたのが澤田瞳子の本著。 河辺暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)の物語であるが、非常に読み応えがあった。 暁斎自身が江戸末期から明治初期の激動の時代を生きた人であるが、暁翠も父暁斎と師暁斎とのつながりに苦悩しながらも明治...続きを読むから昭和初期の時代を生きた女性である。 欧米の文化が入りこれまでの価値観が崩れ去り(狩野派が古いと判断されたり、美人画が表面的な美しさを讃えるようになるなど)、それでもなぜ絵から離れなかったのだろうか?終盤に清兵衛が語る言葉もあるが、二度三度読むことでさらに味わえる部分が出てきそうだ。
画鬼の娘として生まれた河鍋とよの生涯を描いた作品。たくさんの苦悩があったんだなあというのと、それでも気丈に生きた姿に感銘を受けました。
巨星 河鍋暁斎の娘として一人の絵師として明治大正の激動の時代を生き抜いた とよ(暁翠)の一代記。 とよにとって絵を描くということは父や兄とのつながり、そしてそのつながりへの屈託を再認識する作業だった。 父のようになれるわけもなく、兄のような才もなく、さりとて絵から離れることもできず… しかし終盤...続きを読む 以前 暁斎の弟子であった 清兵衛の「─この世を喜ぶ術をたった一つでも知っていれば、どんな苦しみも哀しみも帳消しにできる。生きるってのはきっと、そんなものなんじゃないでしょうか」「─とよさんもまたその年まで絵を続けているのは、そこに少しなりとも喜びがあったためではないですか。暁斎先生や周三郎さんへの引け目のせいで、ご自身の中にある喜びに顔を背けちゃいませんか」という言葉に とよはハッとする。 物語の最後 自身の役割を真摯に愚直に果たそうとする とよがいた。 とても生真面目で繊細で強い人。 褒め言葉になるかどうかわからないが きっと そういう絵を描く人なのだと思った。
一般人よりは才能もあり努力もできる人物が、女性であること、そして才能があるからこそ自他の才能の位階もわかること、この2点で暗いものを腹に抱えてそれでも生きる、という話だった。
「星おちて、なお」澤田瞳子 一冊にぎゅっと、女絵師の人生、日本絵画の歴史、明治から大正にかけての日本の歴史がつまっている。 明治22年から大正13年にかけ、河鍋暁斎の娘とよ(河鍋暁翠)の半生が描かれる。 不世出の絵師といわれた河鍋暁斎。 どんなものでも、想像力と画力で自由自在に描きあげ、見る人を...続きを読む喜ばし驚愕させた天才。 おとよは、父である前に師匠であった暁斎を超えられない無力さを感じ、絵師であるゆえの苦難に直面するたびに、絵師の家に生まれた自分の人生を「獄だ。」と恨む。 終始、静かだけれど力強い文章で、絵師として生きる苦労、作品を生み出す苦悩、時流に取り残され流派最後の1人として悩みもがきながらも進む、おとよの絵に対する真っ直ぐな生き方が伝わってくる。 絵画や美術作品に癒される時間が好きで、まとまった時間があると美術館や博物館に行くのですが、 「星落ちて、なお」を読んで、作品に取り組む人達が命懸けで一筆一筆を重ねる作品だからこそ、心震え癒されるんだと改めて気付かされました。 読んで良かった。
おとよさんの葛藤が凄く良かった。 ぽん太怖い。 「顧みれば父と自分や周三郎は、赤い血ではなく、一滴の墨、一本の筆で互いを結び合わせていたのかもしれない」
2021年の直木賞受賞作品。祝文庫化。天才絵師•河鍋暁斎の娘「暁翠」の伝記。兄妹の、複雑ながらも揺るがない絆が良い。達観は天才にだけ与えられる境地ではないと思えた。
直木賞受賞作。 不世出の絵師を父に持った娘が主人公。父から絵を仕込まれながら、父ほどの才がないのを自覚し、亡き父に反発しながらも絵と離れられず、絵師として生きる女性のお話。 亡き父や絵というものへの思いや理解が、生きていく中で変わっていく。
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