月ぞ流るる

月ぞ流るる

2,200円 (税込)

11pt

紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻

日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか?

宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。

宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。

朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

月ぞ流るる のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    栄花物語の作者とされている、赤染衛門と、僧・頼賢を主人公にした物語。

    居貞(三条天皇)の女御、藤原綏子と源頼定の不義の子、頼賢を引き取り、慈しみ養った、藤原原子の不慮の死の真相を探す、荒くれ僧・頼賢と赤染衛門。

    政権争いや、不審死の謎、頼賢の成長、赤染衛門と頼賢との師弟関係。
    どれをとっても面白

    0
    2025年06月21日

    Posted by ブクログ

     澤田氏らしい美しい物語だった。12月にして今年のベスト本。これは、朝児と頼賢、三条天皇と姸子の4人物語。
     序盤は朝児と頼賢師弟の信頼関係の醸成を楽しみつつも、頼賢の養母の原子の死の謎に迫っていく、静かな嵐の気配を感じさせられる展開。ただ後半早めに死の真相は判明し、そこからは一転三条天皇と姸子の物

    0
    2024年12月18日

    Posted by ブクログ

    人はとかく、目を惹くものばかりを信じがちである…人目にはつかねど内心で案じている者は幾人もいる…p.336
    順調でなかったり不幸だったりどん底では辛く悲しく孤独に陥ったりしたこともあり、そんなこともあったときには静か〜
    に寄り添ってくれる優しさもあったなと…この本を読み終え改めて思い心温もる。
    頼賢

    0
    2024年03月19日

    Posted by ブクログ

    澤田瞳子さんの文章は、とても素敵でグッとくる表現が多い。本作も物語や史書の在り方の箇所は、とても良かった。

    内容は赤染衛門を中心に据えて、生い立ちとか『栄花物語』を書くきっかけといったような内容かと思い読み始めてしまったので、頼賢がメインになったり謎解きのようになってしまったりと、少し自分の読みた

    0
    2024年03月06日

    Posted by ブクログ

    許される限り、この世のありとあらゆる物をこの目で見ておきたい。
    そしてそれを書き記して世の人々に知らせたい、という「物書きの業」
    人々はどのような読み方をしてくれるのか、密かに込めた真意を汲み取ってくれるだろうか?
    紫式部が、清少納言が、そして赤染衛門が抱いたそんな思いを、作者も胸に抱いているに違い

    0
    2024年02月17日

    Posted by ブクログ

    初めて澤田瞳子さんのこの本を読みました。
    そこに居られた人々の懊悩や優しさ、その時代の設いが文章が流れるように美しいですね。
    物語をどう伝えようかが 作者と朝児が交差している様子が垣間見られ 一体化していくようで素晴らしかった。
    三条天皇のことや栄花物語、他の読みつがれいる物語を是非読んでみようと思

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    犯罪疑惑を解き明かすミステリー要素あり、政治的対立のドロドロありで波瀾万丈の物語でした。面白く読みましたのでオススメ。

    0
    2024年01月13日

    Posted by ブクログ

    『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)と訳ありの比叡山の御坊さんとの関わり。『光る君へ』での赤染衛門(凰稀 かなめさん)がとても魅力的で、他の配役も大河バージョンでサクサク読み進められました。

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    澤田瞳子作にしては読みやすかった。
    大河ドラマ共リンクしていて、人物像が浮かび上がった。赤染右衛門、頼賢を中心に探偵モノでありながら三条天皇と研子のラストが胸をついた。悲劇でありながら見方によっては希望のラストが見事。

    0
    2024年08月14日

    Posted by ブクログ

    物語のほぼラスト、三条帝と妍子のやり取り(悲しいけど、一種の雪解けと捉えました)では、思わず涙が出そうになりました。
    憎い藤原道長の娘である故に、愛せない、愛せないが、憎み切ることもできないという帝の苦悩を痛切に感じました。

    三条天皇の百人一首の歌と物語が見事に絡まっており、筆者の想像力に脱帽です

    0
    2024年07月11日

月ぞ流るる の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春e-book の最新刊

無料で読める 歴史・時代

歴史・時代 ランキング

澤田瞳子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す