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延暦十九年。駿河国司の家人・鷹取は、軍馬を養う官牧で己の境遇を嘆く日々。ある日、鷹取は富士ノ御山から黒煙が噴き上がるのを目撃し、降り注ぐ焼灰にまみれて意識を失う。一方、近隣の郷人や遊女などの避難民を受け入れた牧は混沌とする。灰に埋もれた郷で盗難騒ぎが起こり、不安、怒り、絶望がはびこるなか、京から蝦夷征討のための武具作りを命じられる。地方の不遇に歯噛みする鷹取は――。【電子版には直筆サインなし】
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Posted by ブクログ
馴染みのない時代の話なのだけど読めちゃうのがすごいんだよなー。さすがです。全冊サイン入りの試みもすごい。
富士山の噴火に伴う様々な出来事、富士山は休火山だと習ったような記憶があるが、何回も何回も噴火を続けている活火山だと言う意見が一般的になってきており、驚いた記憶がある。 箱根山の街道造りの興味を惹かれたが、陸奥の国への集団移住、明治期の北海道開拓屯田兵の話、満州国への集団移住、満網開拓団の話、ロシア、...続きを読むウクライナ、戦争、イスラエル、パレスチナ、戦争、など、現在の戦争も領土を巡る、様々な思いが引き起こしていることに思いを馳せながら読み終えた。 長い歴史の様々な出来事の中で、人はその自分の生きる範囲でもがき、苦しみ、喜び、楽しみ、生きていくのが歴史なのかなと思わされた。
駿河国司の家人が馬の産地で体験した富士山の噴火。 平安時代、どれだけ大変なことだったろうかと思う。この時代を平民の視線から見る大作。ちょっと長いなとは思う。
阿弖流爲と坂上田村麻呂は別稿で読みたかった。取ってつけたみたい。世の中変わらぬものは何一つない。覇権主義の戦さも。ふるさとを思う人の心も。富士山噴火の話が、大河ドラマ「紫式部」と「阿弖流爲」懐かしむ方向に…。
平安遷都した頃のお話。鷹取は大中臣家に使えている三十歳の家人。家人は牛馬同然に売買される奴婢ほどではないが、家の財産として生涯その軛を逃れられない。話は鷹取が家の主の弟が駿河の国司となるのに供なるところから。駿河で富士の爆発やそれに伴う村の様子、馬を飼う里のこと、遊女たち、山賊の生き方、蝦夷や坂上田...続きを読む村麻呂など多彩なメンバーが登場し、鷹取に影響を与えていく。 起承転結があるような展開ではなく、悠久の富士そのもののどっしりと壮大な話だったので、面白みは薄め。文章や語彙の美しさ、歴史的背景を織り込んだ描写はいつもながらに卓越。 澤田瞳子好きなら、ゆっくり読み進めるのにオススメです。 山賊の荒さや遊女の叙述あるので、小学校には向いてません。難易度的にも高校から。
長く続く歴史という一本の線。自分が生きるこの日々はごく小さな一点だけれど、それは確かにその線上にあり線を成す一点であること。そのことをしみじみと思う一冊。 長い時間の中では瞬きするほどの一生だけど、ひとつひとつのその点に生きている熱量を吹き込んでくれる物語の面白さよ。LIFE is beautif...続きを読むul !
平安時代の富士山延暦噴火。災害に遭った人々の葛藤、苦悩、奮闘、再生を描いた「赫夜」。全巻サイン本という挑戦をした作品でもあります。初版限定でなく、版を重ねるごとにサイン本にするらしいです、気合い入れてます。 己の境遇に悩む国司の家人・鷹取が富士山の噴火に遭遇し、混乱と絶望の中で日々を生きてゆくしか...続きを読むなくなってしまった人々との生活の中で、自分自身と向き合い生きる意味を見出してゆくのが、大きな柱か。 登場人物それぞれが、災害の中で自分にできることを探し出していくのですが、その向いている方向が違って、必ずしも希望や未来に向かっているわけでないのが混乱の只中にいるということを実感させます。 災害を己の存在意義を示す好機と目論む宿奈麻呂。恋人との未来を掴むために火事場泥棒をしてしまう渕名。在りし日の繁栄を守るために廃墟にしがみつき続ける粟岳。避難民と住人の今後のために、従来の誇りよりも生計を守ろうとする五百枝。己の才を活かすことで未来を見据え逞しく生きてゆく安久利。 その日その日を生き抜くために必死で動くものもいれば、自らの気力を失い惰性に任せて誰かに何かに付随して生きているものもいる。被災者それぞれに、それぞれの理由があり、それは不安や悲しみ、無力や絶望の末にあるもので、決して非難できるものではないのは自分自身が同じ状況に置かれた時に、前向きな精神力を発揮できるとは思えないからです。 苦しい時こそ笑え。空元気も元気の内。トンネルはいずれ抜ける。 様々な言葉が今日の災難を吹き飛ばそうという力を与えてくれはするけども、それと同じくらいに、明日が明るい日だと誰が決めた、が追い打ちをかけてくることも事実。 どちらを信じ、どちらを心に打ち込んで日々を乗り越えてゆくのか。 最初からは無理でも、強い気持ちであろうとしすぎて潰れてしまうこともあるかもしれない、それでも前を向いて進む一歩を踏み出せる人間でありたい、と思います。 自分には足りていない部分である、実感も自覚もある。だからこそ鷹取のように己の境遇を嘆き下を向いていた日々から抜け出した彼のように、前を見て上を向いて一歩ずつ進む気持ちを持ちたい。 鷹取が、そこまで明るさに溢れた人格になったわけではないのですが、延暦噴火が人生の転機になったことは事実。自然という立ち打ちできない存在に負けることのなかった心意気は目指したいものです。 とはいえ、鷹取自身を好きであるかと言われると、そういう性格の人物ではないと思います。ただ、そんな彼だからこそ心境の変化に、心が動かされたのだと思います。
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