作品一覧 2023/10/03更新 青に候 試し読み フォロー いまひとたびの(新潮文庫) 試し読み フォロー 飢えて狼 試し読み フォロー 狼でもなく 試し読み フォロー オンリィ・イエスタデイ 試し読み フォロー 帰りなん、いざ 試し読み フォロー きのうの空 試し読み フォロー 裂けて海峡 試し読み フォロー 新蔵唐行き 試し読み フォロー 深夜ふたたび 試し読み フォロー 十五少年漂流記 試し読み フォロー 情事 試し読み フォロー 背いて故郷 試し読み フォロー 尋ねて雪か 試し読み フォロー 散る花もあり 試し読み フォロー つばくろ越え―蓬莱屋帳外控― 試し読み フォロー 疾れ、新蔵 試し読み フォロー 花ならアザミ 試し読み フォロー 引かれ者でござい―蓬莱屋帳外控― 試し読み フォロー 負け犬 試し読み フォロー 負けくらべ 試し読み フォロー 待ち伏せ街道―蓬莱屋帳外控― 試し読み フォロー 行きずりの街 試し読み フォロー 夜去り川 試し読み フォロー 夜の分水嶺 試し読み フォロー ラストラン 試し読み フォロー 1~26件目 / 26件<<<1・・・・・・・・・>>> 志水辰夫の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 負けくらべ 志水辰夫 シミタツ節が円熟味を増して帰ってきた! 訊けば、御歳86歳にして書いた傑作国産ハードボイルド。年齢を聞かずして読んで「変わってないなぁ」と感じていたのだが、登場人物たちの大半が60歳以上、それでも自分より年下ってことだからなぁ。 ハードボイルドって言うても、派手なアクションシーンは後半を除きほぼな...続きを読むし。それでも登場人物たちの生き様だけで十分ストイックで渋くて危険な香り。介護職の家族思いの60代おっさんがこんなにカッコ良く描けるってのは、ほんまシミタツならでは。 しばらく時代小説に傾倒されてはったようだが、現在舞台の小説もまた描いてほしい、もちろん量産とはいかないだろうからマイペースでOKOK。 読み損ねてきた時代小説も追いかけていきたいと思う。 Posted by ブクログ 負けくらべ 志水辰夫 読み終わった後もいつまでも残る作品だ。熾火のようなものが心に残り、その後しばらくしても存在を示してゆく。もしかしたら、こちら読者側の思い入れかもしれない。志水辰夫の現代小説にかつて夢中になり、作品を貪り、全作を熱い想いで読んできた自分史ということから来る極めて個人的なほとぼりのようなものなのかもし...続きを読むれない。 ぼくは1990年代を軸にインターネットの前身でもあるパソコン通信Nifty-Serveで冒険小説&ハードボイルドフォーラムを主宰していた。国産小説では、特に冒険小説が多く書かれ、読まれた時代で、船戸与一、佐々木譲などとともに、志水辰夫は代表的な冒険小説作家でもあった。とにかく途轍もない人気を誇る作家で、名うての読書子たちからの尊敬を勝ち得て止まなかった。一つには確かな文章力と日本語による国産ハードボイルドという文学性でも勝負できる作家であった。数ある賞をいくつももぎ取った作家である。 21世紀に入ってからは時代小説に活躍の場を移したが、およそ20年ぶりに我らのジャンルにこの作家が還ってきてくれた。記録によれば1936年生まれだから今現在、88歳の年齢のはずである。それなのに本書を読むと、古びたところなどいささかもなく、現代ならではの状況をこれでもかとばかりに用意し、現代のスマホ、ネット、また株式、会社経営などのバックボーンを取り揃えて驚くほどリアルに作品を展開させている。志水辰夫がいささかも錆びることなく現在に輝き続けていることをこの作品で確認してどれほど驚かされたことだろうか。 しかもスケール感も一層膨れ上がっている。作品から類推される志水辰夫の過ごした時間の濃密さは、驚愕に値する。序章で、主人公三谷の表と裏の職業が驚くべき事件とともに記述される。一気に読者を引き寄せる小手調べのようなトラップ。継いで、舞台は自然の豊かな里山に移る。ここで偶然、ある会社の敷地に迷い来み、財団のトップである大河内と出会うことになる。本作のストーリーは、この出会いからスタートすると言って良い。 大きな企業グループの中での権力闘争に巻き込まれた主人公三谷は、多くの心理的特殊性を持ち、企業側からその特殊能力を買われ、 本業である介護職に従事しながら危険な都市での国際的企業戦争に巻き込まれることになる。スケールも大きいが一介の介護職員である初老の主人公というところが、シミタツらしく今も変わらない。 シミタツの主人公は大抵、大変な闘争や暴力に巻き込まれては、追いつめられる状況を、気力の強さとなけなしの体力とで覆してゆく。そして意志の強さとぼろぼろの肉体で最後に独り戦場に残る。その構図が、今も変わらないだろうかと冷や冷やさせられながら手に汗握りページを繰る時間。ああ、これがシミタツ節なんだよ。わかっていながらページを繰る手に力が入る。 あの幸せな時間がまた戻ってきたのだ。信じ難いが御年88歳にならんとする作家の手で、こんな作品がしっかりと現代の読者たちのもとに戻って来たのだ。耐えて耐えて、また耐えて、最後に爆発するこの構図にかつていくたび心を揺すられただろうか。そして今も、この作家は凡百の推理作家などではなく、ヒューマンな冒険小説のタフな書き手であるのだ。シミタツよ、未だ行ける。もう一作。そして可能ならばさらにもう一作を! Posted by ブクログ 負けくらべ 志水辰夫 北方謙三、大沢在昌、馳星周らが絶賛! 80オーバーの高齢でこの迫力!素晴らしい!! ヨカッタですよ~ Posted by ブクログ 負けくらべ 志水辰夫 50年ほど介護の仕事をする三谷孝。内閣情報調査室関連の仕事をしている。趣味のバードウォッチングをしていたら偶然知り合った大河内牟禮は財団理事長。なんだか気に入られて秘書的なことをしていると巻き込まれる事件。 久しぶりのシミタツ。「背いて故郷」とか「裂けて海峡」 よりも白石一文っぽかった。しかし、リ...続きを読むーダビリティ抜群ですごく好みだった。昭和史の裏側、三谷の無色透明な感じ、大河内のエネルギー。読んだことのない興奮。 Posted by ブクログ 疾れ、新蔵 志水辰夫 時代小説もいい! 著者の現代小説とは異なり、ひりつくような孤独を背負った主人公が、これでもかと逆境に追い込まれることはありません。志水節もありません。ロードノベルとして軽快に話が進みます。ですが、ただ明るく楽しい旅物語ではなく、登場人物の背景や出くわす事件等には辛く、重い内容があります。 機転を利かせてピンチを脱した...続きを読むり、一途な思いを胸の奥に秘めている新蔵は、やはりシミタツならではの主人公です。続編も購入しました。 とうきち 志水辰夫のレビューをもっと見る