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水産会社のフィリピン進出の尖兵となった越智は、現地で政治トラブルに巻きこまれ、危うく日本に舞い戻る。醜悪な現実に背を向け、故郷で屏息する彼のもとへ、ある日、刑事が訪れた。フィリピンで越智を救った青年ヒラリオが、ゲリラとしての密命をおび、日本に潜入したという。青年を助けねばと、越智は立ち上がった! 冒険小説の白眉。フィリピンでの恩人を案じて再起した男の死闘。男の友情が燃える鮮烈な長編。
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Posted by ブクログ
不器用な昭和の男の話である。今の令和の世になかなかいない自分の戒律に忠実に生きる男、越智。彼は常に安直な道よりも茨の道を進む。 久々のシミタツの筆致に酔わせていただいた。ビシビシと胸に残るフレーズ、そして愚直なまでの男と女を書かせたら、抜群に巧い。 苦難の末、印南を捕らえ、亡き妻の墓前で打ちのめ...続きを読むす彼の、妻とその両親との話。 単なる興味本位で付き合う男女、弘美とヒラリオとの関係に関する述懐―「夢だけ残して気持ちよく別れるには、深く結びつき過ぎているような気がする」は名言だなぁ―。好きな女と結ばれるのにも、過去のしこりを残したままではふんぎれない越智のやるせなさ。これらの越智の台詞にはもうたまらないものがある。 令和の現代に忘れられようとしている信義とか仁義がここにある。 とにかく老人と一途な愛、忍ぶ愛に生きる女、そして不器用で決して富裕でないストイックな男がシミタツ作品には極上のスパイスとなっているのだ。 そして携帯電話が無い時代であるがゆえに生まれるサスペンス。こういう不便さが熱い物語を生み出すのだなあとも思った。 そして主人公の視点から見せる訪れるであろう危機に対する客観的な描写も健在。周辺に停まった車、自分が顔を向けると同時に顔を背ける女、よそよそしい管理人の態度などでこれから起こるであろう危機の予兆を見せ、主人公同様の鬱屈とした不安感を誘う筆致を久々に堪能した。 タイトルの『散る花もあり』。散った花は思いの外、大きかった。通常ならばこの言葉は反語表現として使われ、その前には「咲く花もあれば」となるだろう。しかし、ここではあえて逆にしてこう云いたい。 「散る花もあり。やがて咲く花もあり。」 越智は旅立つ。その先にきっと咲く花、美世が待っているはずだ。
一人称で描かれるハードボイルド小説。もちろん主人公は不器用な中年男性。そして不思議とモテる。 ややアクション的な描写が多かったことと、終盤の展開が歓迎した内容ではなかったのが残念だが、及第点以上であることは間違いない。 が、この著者の作品の中で真っ先にお勧めする小説ではない。
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散る花もあり
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志水辰夫
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