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Posted by ブクログ
内藤陳さんの「読ま死ね」を読み、あらためて若かりし頃ワクワクして読んだ本作を再読。
シミタツはやっぱりいいな。
初期の作品はほとんど読んでいるが、中期から後期の作品はあまり読んでない。これからはどんどん読みたい。
本作の時代背景の冷戦は終わったが、今の地政学上の緊張感を考えると以前のエスピオナージュも案外と古びてない。
ただし、主人公のようにタフな男は少々現実離れしており感情移入はしにくいが、男としてかくありたいという願望はある。
巻き込まれ型の典型的な物語で、グングン話が進みついていけないところもあるし、ヒロインとの関係などは、もう少し深掘りして描いた方が良いかなと思う所もあるが概ね楽しめました。
Posted by ブクログ
母がくれた何冊かの中に入っていた。母もわたしと同じで(いや、わたしが母に似ているのだな)ひとりの作者を読み始めると、何冊も同じ作者の作品を読むという傾向がある。
随分前に、「志水辰夫って面白い?」と聞いてきたので「いいっすよ。渋いおっさんの、地味な話書かせたらうまい」と言ったのだけれど、母が選んでいたのは、シミタツ初期の冒険小説シリーズだった。
これが志水辰夫デビュー作。うまい人は最初からうまい、という見本だ。
最初からアクセル全開、事件につぐ事件。それに否応なしに巻き込まれていく主人公の姿は、とてもシミタツ作品とは思えない。けれどそこここにある、いわゆるシミタツ節や、内省的である意味やけっぱちな主人公は、ああシミタツだ、とほっとさせられる。
この作品の見所はなんといっても、ベールに包まれた土地である北方領土が舞台に選ばれているところだ。
第2部は択捉島と国後島が舞台になっているのだが、そこの土地の空気や藪の感触(これは田舎育ちじゃないとわからないかも)、夜の冷たさなどが実にリアルに伝わってくる。
行ったことがない土地の映像を、ここまで鮮明に読者に伝えられる文章力を、まざまざと見せつけられて、あとがきで読まなければ、これがデビュー作とは気づかないくらいだ。
惜しむらくは、主人公の渋谷と、ヒロイン格の順子との関係が曖昧なまま終わってしまったところか。
国際防諜戦争から択捉島への侵入、日本への脱出、と息もつかせぬ冒険小説として成り立っているため、渋谷の女性関係についてまで、書く余地がなかったのかもしれない。
その気持ちが爆発したのが、最近の作品なのかなと思うと、興味深い。
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