志水辰夫のレビュー一覧

  • 新蔵 月に吼える

    購入済み

    シミタツ節、健在!

    著者は現在89歳、まさか新作が読めるとは思ってもいなかった。
    しかも、新蔵が再々登場、シミタツファンとしては大感激。今回もシミタツの魅力あふれるストーリー。

    志水辰夫の小説は初期のハードボイルド系も現代の話も好きだけど、時代小説もとても良い。オススメです。

    #ドキドキハラハラ #切ない #アツい

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    2025年12月21日
  • 新蔵唐行き

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    新蔵シリーズ第2弾。
    時代物とはいえ、意外と国際的な話になっていて驚いた。当時の日本が鎖国していたとはいえ、海外とのつながりがなかったわけではないことが分かる。
    本書で、新蔵が1週間ほど剣の達人めいた人に師事したことが明かされる。とはいえ、修行といえば鉄芯入りの木刀を振るだけ。それで強くなれるというのはロマンがある。
    いわゆる「からゆきさん」崩れの女性も登場する。これが「母性のモンスター」のような存在で、荒くれ者がコロッと籠絡されてしまうのが面白い。もちろん、新蔵は、文武両道のパーフェクトボーイなので(高等教育機関で学んだわけではないだろうが知的人種であることは間違いない。)、そういう勢力に取

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    2025年06月28日
  • 疾れ、新蔵

    購入済み

    時代小説もいい!

    著者の現代小説とは異なり、ひりつくような孤独を背負った主人公が、これでもかと逆境に追い込まれることはありません。志水節もありません。ロードノベルとして軽快に話が進みます。ですが、ただ明るく楽しい旅物語ではなく、登場人物の背景や出くわす事件等には辛く、重い内容があります。
    機転を利かせてピンチを脱したり、一途な思いを胸の奥に秘めている新蔵は、やはりシミタツならではの主人公です。続編も購入しました。

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    2021年05月30日
  • 青に候

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    前半は、長々していたが、後半になって俄然面白くなる。
    幕末を背景とした、小説は数多く、司馬遼太郎や藤沢周平の歴史観でしか
    考えた事が無かったが、志水辰夫を知って目が覚めた。
    「藩主なんてものはな。頭にかぶる菅笠とおんなじなんだ。・・・・・
    使い勝手が悪かったりしたら、ほかの笠と取り替えればいいんだ。・・・・・」
    名君とは?
    目が覚めました。
    ますます、ファンになりました。

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    2020年10月21日
  • つばくろ越え―蓬莱屋帳外控―

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    とにかく、面白い。
    久々に、読んでいると、空が明るくなるまで読んだ。
    時代小説は、2作目だが、早速 大人買いして読もうと思う。
    小説ってこうじゃなきゃ。

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    2020年09月28日
  • 行きずりの街

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    面白かった!そもそもどんな枠組みの話かも分からない中でどうなるか?と最後まで一気に。
    とても面白い小説でした。

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    2019年09月26日
  • 行きずりの街

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    〇ザ・ハードボイルド。男前の主人公が十数年前の謎に挑む
    地方の街で塾講師をやっている波多野は、教え子が失踪したと彼女の伯母から相談を受け、上京し、行方を調べていた。教え子の名は広瀬ゆかり。彼女のアパートの周辺を調べていると怪しいものもうろついており、失踪には何らかの事件性も考えられる。マンションの管理人や以前の同居人に話を聞いていると、どうやら角田という男が絡んでおり、あるサパークラブで会ったのだという。そのクラブに行くと、昔高校に勤めていた時に職を追った大森たちがいて、職を追われる原因となった教え子であった元妻・雅子のバーを紹介される。雅子は変わっていなかったが、会ったことに後悔もした。

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    2017年05月08日
  • 夜去り川

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    志水辰夫の三作目の長編時代小説。時代小説といっても、哀愁漂う志水節に包まれたハードボイルドのような小説である。

    素性を隠し、渡良瀬川のほとりの村に辿り着いた喜平次は渡し船の船頭になる。喜平次の目的は…

    やはり、志水辰夫は上手い。時代小説という縛りの中でも、独特の味わいは霞む事が無い。むしろ、時代小説という縛りの中で、志水辰夫の独特の味わいが増しているように思う。

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    2014年02月07日
  • 十五少年漂流記

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    題名のとおり、十五人の少年が漂流してしまう冒険小説。
    漂着した無人島でのザバイバル生活。仲間との協力。少年たちの自立が描かれている。
    王道的ストーリーならではの良さがある。

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    2013年02月09日
  • 十五少年漂流記

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    あのシミタツが十五少年漂流記とは…
    これが結構、良くできてる
    小さい頃を思い出しながら楽しく読めた
    この「痛快世界の冒険文学」はGOODですね
    4.6点

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    2012年11月12日
  • ラストラン

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    田舎の本屋では新刊なのに入荷が無く、都会の本屋で発見し、やっと購入(#^.^#) 志水辰夫の初期の短編集。最初の『A列車で行こう』から志水節が炸裂。あの明るいJAZZのスタンダードナンバーが聴こえてくるかのようなラストは、まるで映画のようだ。『石の上』は、松本清張のような味のあるミステリー掌編。『カネは上野か』は、教訓めいたものを感ずる掌編。ヒカルゲンジに時代を感ずるな。『ジャンの鳴る日』も、また何とも言えぬ余韻を残すミステリーだ。『やどり木』はホラー。『愚者の贈り物』も教訓めいたミステリー。『わけありごっこ』は懐かしいミステリー。『見返り桜』にも教訓、戒めを感ずる。『狙われた男』、これはサス

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    2012年06月30日
  • つばくろ越え―蓬莱屋帳外控―

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    痺れた!。傑作。ラストの一行がビシッと決まる。
    素晴らしい。

    江戸の旅ものが続くけど偶然ではない。つい、惹かれてしまう。本書の一編に、きよのさんのように豪勢な旅をして買った物を家に送る女性が登場する。きよのさんのようなキャラでは無いのだけど。

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    2012年03月27日
  • 十五少年漂流記

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    十五人の学生たちが、航海中に流れ着いた無人島でたくましく生き抜いていこうとする冒険活劇。極めて王道的な冒険小説で、そのシンプルさゆえに素直に物語に入り込むことができました。登場人物も魅力的で、これを読んだ小学生の頃には主人公のブリアンにとても憧れていました。純粋な子ども心に帰って冒険を楽しむことができる小説です。

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    2011年05月06日
  • 飢えて狼

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    久しぶりに、面白いハードボイルドに出会った。

    主人公の渋谷は、マッターホルン北壁の単独登攀を行うなど一流のクライマーだった。
    今は、引退してマリーナを経営している。
    突然の訪問者により、壮大な事件に巻き込まれてゆく。

    一気に読み進んでしますとても面白い小説だ。
    これが、著者の処女作というから凄い。
    もっと、志水辰夫を読んでみたくなる。

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    2011年02月06日
  • 裂けて海峡

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    書評:歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。

    感想:いやー、どこまでいくねん。ちょっと反省。SF⇒冒険小説との変遷で出会った作家。文体がいい。何十回と読み直しているが毎回いい!
    男はつらい、女は悲しいのよね。ラストの1行が超有名。
    『天に星。地に憎悪。南溟。八月。私の死。』

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    2010年01月19日
  • きのうの空

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    少年期から壮年期までを10のアングルから描き分けた短編集。

    旅立ち
    短夜(みじかよ)
    イーッ!
    家族
    かげろう
    息子
    高い高い
    夜汽車
    男親
    里の秋

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    2009年11月13日
  • 青に候

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    ネタバレ

    2009/10/3 ジュンク堂三宮本店にて購入。
    2021/5/24〜5/29

     12年ものの積読本にして、3年ぶりの志水作品。志水さんの初時代小説。初期志水作品で見られた熱い男が時代小説を舞台に復活。久しぶりのシミタツ節に感動。

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    2021年05月29日
  • きのうの空

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    新規購入ではなく、積読状態のもの。
    2008/8/9~8/10
    久しぶりに読んだ志水作品である。昔のハードボイルド路線も良いが、最近のなんというか、人生の重みのようなものを感じさせる作品も、なかなか他の作家にはない良い味をもっている。今回は、さまざまな「別れ」がテーマになっている10作の短編集。家族、友人、恋人、近所の人などそれぞれの付き合いの中で、言えること、言えないこと、後になって気づいたこと。読後感が本当に素晴らしい。私も最近男の子の親になったが、「男親」という作品などを読むと、女の子の親というものに憧れてしまうし、また自分には勤まらないだろうなぁ、とも思う。
     柴田錬三郎賞受賞作品。

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    2010年04月03日
  • 背いて故郷

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    今年はお休みの日によく雪が降る。今日も朝目覚めると一面の雪。この本の舞台の鶴岡や築別には遥かに及ばないけれど。
    「おすすめ文庫王国」に北上次郎から“志水辰夫はこの五冊を読め!”とあり、今更ながらにシミタツである。
    悲惨な物語で、主人公はあがけばあがくほど状況は悪くなり、話が進めば進むほど暗い出自が明らかになり、何のためにこの闘いに挑んでいるのか、救いようのないお話が展開する。
    しかししかし、物語の筋立てはこの際置こう。
    この本の読みどころはそれまでもそこかしこに顔を出しながら、ラスト三十章あたりからどこを引こうかと迷う程延々と続くリリカルでハードボイルでセンチメンタルでめくるめく文体。じんじん

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    2011年07月18日
  • 負けくらべ

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    志水辰夫『負けくらべ』小学館文庫。

    ミステリー、冒険小説作家から歴史小説家に転身し、しばらく歴史小説ばかりを執筆していた志水辰夫が19年振りに執筆した現代小説である。

    何とも不思議な魅力を持つ小説だった。登場人物の殆どがその出自や生き様に問題を抱え、ミステリー・サスペンス、スパイ冒険小説の要素も混じったヒューマンドラマになっているのだ。そして、何よりも主人公の三谷孝の持つ類稀な能力や人物像に不思議な魅力を感じるのだ。


    対人関係能力、調整力、空間認識力、記憶力に極めて秀でたギフテッドである初老の介護士の三谷孝は、誰もが匙を投げた認知症患者の心を次々と開き、業界では知る人ぞ知る存在だった。

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    2025年08月25日