志水辰夫のレビュー一覧

  • 狼でもなく

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    ネタバレ

    全体的に地味な作品。いや、シミタツの作品は総じて地味なんだけど、耐える男と女の感情の迸りが行間からにじみ出て、地味ながらも非常に濃厚な叙情性を感じるのだが、これに関してはとりあえず金塊強奪を設定してヤクザとか絡めて物語を動かしてみるかといった、浅慮のままで書いてしまったようにどうしても感じてしまう。
    最後の唐突に主人公が告白する裏切り者の正体を見抜く根拠が小説では解らない臭いが手掛かりだったので苦笑した。

    しかしそれでも最後にシミタツ節溢れる闘争シーンがあるのだから大した物だ。

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    2017年06月20日
  • 行きずりの街

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    教え子の失踪を元教師が探しに行き、それが自分の過去の事件と交差していた・・というお話。
    なかなか主人公に感情移入できず。男が女性に対する勝手なロマンではないか?と思える箇所多々。

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    2017年02月09日
  • 行きずりの街

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    お世話になっている学園理事長に薦められたので読んだ。プロットの上手さで持っていくが、「やられた」という感じはしない。ある意味王道の勧善懲悪である。

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    2016年11月17日
  • 情事

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    星4つでもいいかな、っておもいながら、4つ寄りの3つ。

    なんでこんなおじさん小説を読んだかはブログの感想文のほうに書くけど。

    いろいろひっぱる「ナゾ」があったから、その解明のオチを期待してたけど、なーんにもオチがなかった、っていう、いろいろ「あれれー?これで終わり―?」って肩すかし感が強いお話だった。

    もう若くない妻を愛し続けて、妻に対する性欲も少しも衰えることのない50代の主人公は、20代の若い女性とも浮気して、その愛人の人格はものすごい見下してるのに、彼女にいろいろ執着をみせて。

    こういう主人公の浮気ごっこを読んで、妻を愛しながらわたしと不倫したがった知性的なおじさんたちの「心理」

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    2016年09月17日
  • 行きずりの街

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    ハードボイルド系のミステリ
    単行本が平成2年の出版ということもあり,バブルの東京が背景にある。
    このミス1位,北上次郎絶賛の本だが,普通の面白さであった。

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    2016年03月07日
  • 行きずりの街

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    学生との恋愛がもとで教師から塾講師になった主人公。教え子が失踪し、探し求めて奔走する話。ハッピーエンドでよかった。

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    2016年02月11日
  • 行きずりの街

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     期待して読み始めたのですが。。ある程度予測したものと少し外されていくことが続き、読みにくい感をずっと持ったまま最後まで進んでしまいました。外すのが狙いだったのかもしれませんが、すっきりしない感じのままで残念!

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    2015年11月12日
  • 行きずりの街

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    職場の青空文庫にあって、前情報無く何となく手に取った。主人公波多野が塾講師とは思えないハードボイルドな人探しをしつつ、昔の妻と邂逅を果たすという内容。ベテラン作家さんらしく、文章が独特で読んでて楽しかった。和製ハードボイルドがまた読みたくなった、原りょうの本でも読もうかなー。

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    2015年10月22日
  • 飢えて狼

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    母がくれた何冊かの中に入っていた。母もわたしと同じで(いや、わたしが母に似ているのだな)ひとりの作者を読み始めると、何冊も同じ作者の作品を読むという傾向がある。
    随分前に、「志水辰夫って面白い?」と聞いてきたので「いいっすよ。渋いおっさんの、地味な話書かせたらうまい」と言ったのだけれど、母が選んでいたのは、シミタツ初期の冒険小説シリーズだった。

    これが志水辰夫デビュー作。うまい人は最初からうまい、という見本だ。
    最初からアクセル全開、事件につぐ事件。それに否応なしに巻き込まれていく主人公の姿は、とてもシミタツ作品とは思えない。けれどそこここにある、いわゆるシミタツ節や、内省的である意味や

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    2015年07月25日
  • 引かれ者でござい―蓬莱屋帳外控―

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    ハードボイルド時代小説の第2弾。『引かれ者でござい』『旅は道連れ』『観音街道』の3話を収録。蓬莱屋の裏飛脚が、訳ありの依頼を受け、諸国を駆け抜ける。

    前作の『つばくろ越え』の方が活劇シーンが多く、面白かった。面白さが感じられないのは、蓬莱屋の生業が詳しく描かれていないためだろうか。

    また、これまで読んだ志水辰夫の時代小説では『夜去り川』が一番面白かった。

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    2015年06月12日
  • 行きずりの街

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    正直なところ、「これが傑作?」。駄作ではないかもしれないが、それほどの小説か?
    映画化されるらしいですね。

    ええ!9年前に読んでたの完全に忘れて2回目通読しても気づかなかったって、俺の記憶力どうなってんの?そっちが衝撃過ぎて感想どころではないが、前回の感想読む限りよほど印象に残らなかったのかも、と納得するしかない。
    ちなみに今回の印象は傑作との評価にもそれなりに納得。時代は感じるが、それもやむを得ないと思うだけの時間が過ぎたこともある。

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    2014年03月01日
  • 帰りなん、いざ

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    風景にしても風貌にしても心の中にしても
    描写にうならされます。例えがズバリ過ぎてまるで見えるよう。

    なのですが私の読み取りが甘いのかなあ。
    過去にあったなにかも、何が目的で潜入してるかも、出ないまま進むので
    主人公の立ち位置がよく読み取れず、裏に何かあるのはわかるがどれにもこれにも伏線があるように思え何度も行きつ戻りつ確認しながら読んだ。
    最後の最後でわかるのですが、もう少し理解ができてたらわくわくももっとできたのになと思う。

    関係ないですが、珈琲を丁寧に入れる場面がちょくちょく出ますので、飲みたくなります。これから飲みます。

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    2013年09月14日
  • 背いて故郷

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    船乗りの主人公、自分が船長をつとめる船がスパイ船ではないかと疑い始めその職を同じく船乗りの親友に譲る。その後、親友はなにか証拠をつかんだのか殺害されてしまう。真相を探るため、冬の北の地に向かう。

    追われるシーンのすごい臨場感!闇の中で迫る追っ手との攻防!
    後半とうとう証拠をつかみほっとしたとき、まだ左手に持つ残りページが割と厚くありこの先まだ何があるのか怖かった。

    そして全く予想できなかった種が明かしの最後は、悲しくむなしかった。
    有無を言わせられない壁がある限りそうせざるを得ない。

    物語とは別に、こちらもまた、女性が美しかったのが印象的。

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    2013年09月11日
  • 行きずりの街

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    初の志水辰夫さん。
    12年前に追放され退職した教師で今は故郷で塾講師をしている主人公が、行方不明の教え子を探しに東京へ舞い戻る。探すうちに、教え子の失踪が事件を孕んでいることがわかり、同時に12年前の自分の過去と向き合うことになる。

    印象的だったのは、女性のセリフ。言い回しというか。
    美しく感じました。言い切りの仕方など。
    今まで読んだ中で、こんな風に感じたことはないかもしれない。

    ただ(自分にとっては)たびたびの暴力シーンに少々参りました。
    最初から覚悟して読めばよかった。
    日本冒険小説協会大賞受賞作なんだから(;'∀')

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    2013年09月05日
  • 十五少年漂流記

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    学校という枠をなくしても一定の組織は形成されるんやなと。自ら行動していく少年たちにほんわか、いい大人になるよ。

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    2013年05月21日
  • 行きずりの街

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    どこに焦点をあてて何を期待して読み進めればいいのかを最後まで見つけ出せなかった。あらすじ読んだ限りではもうすこし恋愛色の強いミステリなのかと思ってたけどそうでもないし、主人公が追放された大学のもめごとにどんどん関わって行って謎を追うみたいなストーリーなんだけど、こっちが謎を楽しむ間もなくひょいひょいと解決されてっちゃったのがイマイチ。

    「人間のくずと父親は両立できる」というセリフがよかったな。
    これを含む池辺の生き方が書かれていなかったら☆2だったと思う。

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    2013年03月05日
  • 行きずりの街

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    名門私立高校の教師を退職し、地元の塾講師をしている波多野先生が、行方不明になった元教え子の広瀬ゆかりを探すシーンから物語は始まる。

    捜索の過程で次々と新事実が判明し、物語は複雑にかつとてつもない規模で広がっていく。

    ストーリーはとても面白い。でも何だか物足りない・・・。

    巻末の北上次郎さんの解説を見て納得した。
    志水辰夫氏は、読者の感情移入を拒否する設定の作品が得意なのです。

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    2013年01月16日
  • 夜の分水嶺

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    最初のうちは、何?、どういうこと?って読んでたけど、段々と入り込んでいく感じでした。俊子が途中から急にしおらしくなった感じを受けたかな。最後の「世界はいつでも恋人たちのためにある。」っていうフレーズは、この小説には合わないと思う。

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    2012年12月15日
  • 情事

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    初心者向き官能小説。性描写は、何度も有りその都度ディテイルを変えなくてはならず、作家にとっては大変なことではないかと感じた。入門者向けの優しい内容で、主人公(静夫)と妻(治子)、愛人(亜紀)、との関係が研ぎすまされたものでなく優しい感じがしたのが良かったのかも知れない。

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    2012年11月05日
  • 行きずりの街

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    これはミステリーと言うより恋愛・ハードボイルド小説?
    自分の教え子を探しに上京、そこで学園絡みの事件に巻きこまれるんやけど全て登場人物が事件に関係している都合良過ぎる展開。また教え子探しに命懸けになるのもちょっと理解出来ない。残園。

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    2012年10月21日