志水辰夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
星4つでもいいかな、っておもいながら、4つ寄りの3つ。
なんでこんなおじさん小説を読んだかはブログの感想文のほうに書くけど。
いろいろひっぱる「ナゾ」があったから、その解明のオチを期待してたけど、なーんにもオチがなかった、っていう、いろいろ「あれれー?これで終わり―?」って肩すかし感が強いお話だった。
もう若くない妻を愛し続けて、妻に対する性欲も少しも衰えることのない50代の主人公は、20代の若い女性とも浮気して、その愛人の人格はものすごい見下してるのに、彼女にいろいろ執着をみせて。
こういう主人公の浮気ごっこを読んで、妻を愛しながらわたしと不倫したがった知性的なおじさんたちの「心理」 -
Posted by ブクログ
母がくれた何冊かの中に入っていた。母もわたしと同じで(いや、わたしが母に似ているのだな)ひとりの作者を読み始めると、何冊も同じ作者の作品を読むという傾向がある。
随分前に、「志水辰夫って面白い?」と聞いてきたので「いいっすよ。渋いおっさんの、地味な話書かせたらうまい」と言ったのだけれど、母が選んでいたのは、シミタツ初期の冒険小説シリーズだった。
これが志水辰夫デビュー作。うまい人は最初からうまい、という見本だ。
最初からアクセル全開、事件につぐ事件。それに否応なしに巻き込まれていく主人公の姿は、とてもシミタツ作品とは思えない。けれどそこここにある、いわゆるシミタツ節や、内省的である意味や -
Posted by ブクログ
船乗りの主人公、自分が船長をつとめる船がスパイ船ではないかと疑い始めその職を同じく船乗りの親友に譲る。その後、親友はなにか証拠をつかんだのか殺害されてしまう。真相を探るため、冬の北の地に向かう。
追われるシーンのすごい臨場感!闇の中で迫る追っ手との攻防!
後半とうとう証拠をつかみほっとしたとき、まだ左手に持つ残りページが割と厚くありこの先まだ何があるのか怖かった。
そして全く予想できなかった種が明かしの最後は、悲しくむなしかった。
有無を言わせられない壁がある限りそうせざるを得ない。
物語とは別に、こちらもまた、女性が美しかったのが印象的。