志水辰夫のレビュー一覧

  • 行きずりの街

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    平成初期の作品。
    とても心地よい、男クサイ、ハードボイルド小説でした。
    なんと言っても、主人公が学校の先生というところが良い。喧嘩は弱く、でも女性にモテモテ・・・
    当作は、そんな味のある主人公が、トラブルに巻き込まれた教え子を救う物語。
    ハードボイルドであり、恋愛小説でもありました。
    美味。

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    2025年04月13日
  • つばくろ越え―蓬莱屋帳外控―

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    「飢えて狼」「裂けて海峡」「行きずりの街」「あっちが上海」「狼でもなく」「今ひとたびの」「君去りし後」など涙腺を刺激するシミタツ節を確立した和製ハードボイルド傑作群の作者が新たに時代小説に挑戦したのが2007年「青に候う」で、本作は時代小説3作目となる。
    通し飛脚という職人にスポットライトをあてた4作の短編集です。中でも、「出直し街道」が泣かせる。この1編で、☆4となりました。
    解説の北上次郎氏は、時代小説でハードボイルド卒業と評してますが、本作で描かれた飛脚たちのおせっかいは、ただのおせっかいではなく、命をかけたおせっかいに特徴があります。この設定は十分シミタツ節ハードボイルドでしょう。
    P

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    2024年07月13日
  • 情事

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    かなり昔に一度読んだことある作品だったが、ほとんど内容は忘れてしまっていた。
    主人公である静夫のダメ男っぷりが際立っていた。

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    2024年04月12日
  • いまひとたびの(新潮文庫)

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    いまいちど、いまいちどだけでも会っておきたかった-向う岸にいる人への血の出るような想いを綴った表題作をはじめ、「赤いバス」「忘れ水の記」など涙をさそってやまぬ短編小説9編を収録。

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    2023年12月18日
  • 行きずりの街

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    なんかバブル期のハードボイルドを読むほどに同じことばっかり言ってしまう気もするけど、、何故に普通のおっさんがこんなにタフなのか。いやもしかしたら30年くらい前は世紀末に向かって北斗の拳みたいな世界だったんだろうか。いやもしかしたら今どきの若いもんはゆとり教育によってもやしっ子になってしまったのかも。
    そんなこんなで燃えるただの塾講師のおっさんがすごい行動力と推理力を駆使して縦横無尽に活躍するのを楽しむしかない。いやこれだけの能力を持ってかつクールに振る舞うからこそ女子たちにもモテモテなんであって、そこらのオッサンどもも見習って欲しい。

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    2023年10月24日
  • きのうの空

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    今回手に取った一冊「きのうの空」は、10篇の短編が綴られ、読む者を優しい世界へ誘ってくれる。
    何となくこれまでの人生に身近に感じられる社会背景が功を奏し、読む者に懐かしい世界を思い浮かばせてくれるのだ。
    特におすすめは、現代を舞台背景にした「父親」と題された一作。
    娘さんをお持ちのお父さんは、このストーリーにきっと大きく頷かれるだろう。

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    2022年07月08日
  • 散る花もあり

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    不器用な昭和の男の話である。今の令和の世になかなかいない自分の戒律に忠実に生きる男、越智。彼は常に安直な道よりも茨の道を進む。

    久々のシミタツの筆致に酔わせていただいた。ビシビシと胸に残るフレーズ、そして愚直なまでの男と女を書かせたら、抜群に巧い。

    苦難の末、印南を捕らえ、亡き妻の墓前で打ちのめす彼の、妻とその両親との話。
    単なる興味本位で付き合う男女、弘美とヒラリオとの関係に関する述懐―「夢だけ残して気持ちよく別れるには、深く結びつき過ぎているような気がする」は名言だなぁ―。好きな女と結ばれるのにも、過去のしこりを残したままではふんぎれない越智のやるせなさ。これらの越智の台詞にはもうたま

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    2022年06月14日
  • 飢えて狼

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    内藤陳さんの「読ま死ね」を読み、あらためて若かりし頃ワクワクして読んだ本作を再読。
    シミタツはやっぱりいいな。
    初期の作品はほとんど読んでいるが、中期から後期の作品はあまり読んでない。これからはどんどん読みたい。

    本作の時代背景の冷戦は終わったが、今の地政学上の緊張感を考えると以前のエスピオナージュも案外と古びてない。
    ただし、主人公のようにタフな男は少々現実離れしており感情移入はしにくいが、男としてかくありたいという願望はある。

    巻き込まれ型の典型的な物語で、グングン話が進みついていけないところもあるし、ヒロインとの関係などは、もう少し深掘りして描いた方が良いかなと思う所もあるが概ね楽し

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    2022年06月11日
  • いまひとたびの(新潮文庫)

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    単行本が刊行されたのが1994年。1997年に文庫化され、今回新たに書き下ろされた1篇を収録し再刊行された。収録された10篇はどれも“死”がテーマだ。志水辰夫はデビュー作からずっと読んでいたが、この頃から作風が変わり、ついていけなくなってしまった。四半世紀を経て再読すると、今のぼくにはすんなりと読めて味わい深かった。そしてやっぱりこの作家が好きだなと思った。

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    2020年04月26日
  • 行きずりの街

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    スキャンダルで辞めさせられた元教師が
    塾の生徒が行方不明になり行方を追ううちに
    過去のことやその時の人たちが生徒の行方不明に
    絡んでいるらしく・・・
    まぁ淡々と読みました

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    2020年03月26日
  • 疾れ、新蔵

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    志水辰夫の著作を読むのは随分久し振りだ。ずっと新刊を待ち望み貪るように読んでいたが、『いまひとたびの』あたりから違和感を感じてあまり読まなくなった。本作の「1人の姫を江戸から越後まで護送する」というプロットは、かつての傑作『深夜ふたたび』を彷彿させるが、時代小説でそれを期待してもさすがに無理か。ストーリーはスピード感も切迫感もあまりなく淡々と進む。度々挿入される本筋とあまり関わりなさそうなエピソードにも煩わされるが、最後には(当然だが)すべての辻褄が合い感嘆した。

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    2019年06月15日
  • 花ならアザミ

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    世話になっている古書店にかかって来た1本の電話。電話の
    主は25年前、この古書店をひいきにしていたという。

    関東に戻って来た。実は蔵書を処分したい。ついては昔馴染み
    の店に頼みたい。そんな依頼を受けて湯原直子は指定された
    横浜市内の住宅へ足を運ぶ。

    生憎、老齢の店主は体調を崩して入院中だ。蔵書リストだけを
    受け取るつもりだった直子の前に差し出されたのは1冊の本。

    預かったのは稀覯本。しかし、それはとある場所からの盗品
    だった。ことの真相を確かめる為、再度、横浜に向かった直子
    だったが、訪問したはずの住宅はもぬけの殻。何もかもが
    直子を迎える為のトリックだった。

    そうして、元の持ち主の元

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    2017年08月19日
  • 深夜ふたたび

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    この作品の原典であるライアルの『深夜プラス1』は未読だが、あまりに有名なのでほとんどが原典の本歌取りである事は解ったが、主人公が元相撲取りだなんて・・・。
    ただ162cmといえば舞ノ海よりも小さいんですよ、シミタツさん!もっと人物設定練った方が良かったんではないか?162cm、80kgの主人公が超絶技巧のドライヴィングテクニックを持つ( ^艸^)。

    気の利いた台詞も主人公を想像すると自然と笑いが出てしまう。でもそんなマイナス点があっても本書は実に面白い!

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    2017年06月23日
  • 背いて故郷

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    初めての志水辰夫さんの本、船長の身でふとした依頼でスパイ船長の依頼を友に譲り、友の死に隠された真実を暴いて行くが。。。友の死の前に撮った写真に秘密が有り公安と組織の詮索が始る、昔の恋人、スパイ船の乗組員が絡み最後がやり切れない訳が判明する。描写が少ししつこい部分も有るがストーリーとしては面白かった。

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    2015年10月10日
  • 夜の分水嶺

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    これまた志水辰夫の作品。母からもらった本の中に入っていた。
    日本国内で「冒険」をさせることにかけては、この人は本当にうまい。

    後ろ暗い商売をしている男、青野淳一郎が主人公。事件に巻きこまれつつも東京へ戻ろうとしていた青野は、とある山荘にたどり着く。そこはさながら要塞のように堅固なつくりになっていた。
    その要塞の持ち主と彼の妹に接しているうちに、やがて要塞で銃撃戦が始まる。銃撃戦の後、青野と妹の脱出劇が始まる。


    うまいとはいえ、やはり日本で普通に冒険の「きっかけ」を作るのは難しい。
    今回は要塞の持ち主の敏之は国家機密を握る国家秘密機関の人間ということになっている。そして敏之は自身が握

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    2015年07月25日
  • 行きずりの街

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    一度読んだことがあるのだが、何故か突然シミタツ節に触れたくなり、購入(105円でした、すみません)。

    ストーリーはオーソドックス。かっこいいヒーローがでてくるわけでもない、美人のヒロインが出てくるわけでもない。ハリウッドばりのアクションシーンがあるわけでもない(あるけれど、主人公はズタボロにされている)。
    それでも、あっという間に引き込まれ、読み終えてしまう。
    ハードボイルドとは、汚い街をゆく、孤高の男の戦いを描いた男の小説である、というけれど(うろ覚えですが)、そのくだりでいうなら、まさしくこれはハードボイルドの王道。

    地方で塾の講師をしていた主人公は、教え子の行方を探しに東京へくる。主

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    2015年07月25日
  • 飢えて狼

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    これがデビュー作ってすごくね?すごすぎね?
    隠れてないけど隠れ名作ハードボイルド名作。
    シブすぎておもそろかったです。

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    2013年04月12日
  • 十五少年漂流記

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    メリハリのついた翻訳。スピード感があって面白かった。
    10代前半であんなサバイバルができるなんて。現代の日本人には無理だな。

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    2013年02月18日
  • きのうの空

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    「行きずりの街」に続き読むのは2作目。ハードボイルドの作者のイメージが一掃された。重松清のようだ。結末が快い短編集。13.2.12

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    2013年02月13日
  • 行きずりの街

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    1991年度「このミステリーがすごい」1位。

    主人公はさえないですが、冒険物として全体的には楽しめました。

    解説では恋愛小説だ、夫婦小説だとも言ってますが、そうかな?微妙。

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    2012年06月10日