【感想・ネタバレ】疾れ、新蔵のレビュー

あらすじ

越後岩船藩の江戸中屋敷に新蔵は疾(はし)る。十歳の志保姫を国許に連れ戻すために。街道筋には見張りがいる。巡礼の親子に扮し、旅が始まった。逃走劇の根底には江戸表と国許の確執があった。間道を選んで進む道中に追っ手は翻弄される。ところが新たな追っ手が行手を阻み、山火事が迫る中、強敵との死闘が待つ。姫を連れて戻れるのか? 冒険小説の旗手シミタツならではの痛快時代エンタメ長篇!

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時代小説もいい!

著者の現代小説とは異なり、ひりつくような孤独を背負った主人公が、これでもかと逆境に追い込まれることはありません。志水節もありません。ロードノベルとして軽快に話が進みます。ですが、ただ明るく楽しい旅物語ではなく、登場人物の背景や出くわす事件等には辛く、重い内容があります。
機転を利かせてピンチを脱したり、一途な思いを胸の奥に秘めている新蔵は、やはりシミタツならではの主人公です。続編も購入しました。

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2021年05月30日

Posted by ブクログ

志水辰夫の著作を読むのは随分久し振りだ。ずっと新刊を待ち望み貪るように読んでいたが、『いまひとたびの』あたりから違和感を感じてあまり読まなくなった。本作の「1人の姫を江戸から越後まで護送する」というプロットは、かつての傑作『深夜ふたたび』を彷彿させるが、時代小説でそれを期待してもさすがに無理か。ストーリーはスピード感も切迫感もあまりなく淡々と進む。度々挿入される本筋とあまり関わりなさそうなエピソードにも煩わされるが、最後には(当然だが)すべての辻褄が合い感嘆した。

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2019年06月15日

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