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Posted by ブクログ
「若冲」 澤田瞳子
1.購読動機
原田マハさんが好きです。
理由は、馴染みがない絵画を、画家の人生を描写することで、身近なものにしてくれる作家さんだからです。
同じ気持ちで、若冲を知りたいと思いました。
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2.若冲。物語から。
出自は、京都、大きな魚卸し問屋の長男です。
元々から、商売よりも、絵を描くことに関心が高い人でした。
絵を描く動機は、物語のなかで大きく三つに分かれます。
①奥さんが自殺する。
②贋作が出回る。
③義弟の子供を預かる。
若冲は、①②③で描く動機が変わります。
それは、同時に、絵の描写、色合い、筆致にも変化が現れます。
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3.若冲の人生を省みて
物語を通じて、描かれるのは、若冲が絵画に集中できた人生であったことです。
描きたくても、描けない人も多くいたでしょう。
なぜならば、画材は値段が張りますから、相応の生活基盤がなければ、継続することはできません。
そうした意味で、多くの人の支えと理解があって、若冲の世界が生まれ、現代にまで残ったと考えると、こみあげるものがあります。
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江戸時代にタイムスリップして、若冲とその周りの人々の息遣いに出会える、素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
奇矯な絵で人々を魅了した伊藤若冲。
取憑かれた様に彼を作画にのめり込ませるのは、贖罪の思いなのだろうか。
彼を憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵に描かせるものは激しい憎悪である。
若冲は弁蔵に追われ、弁蔵は若冲を追い、さながら光と影のように、または撚り合わさった縄のように存在する、二人の絵師と、作品たち。
知らぬ間に、お互いがなくてはならない存在となっていったのではないか。
長い相克の末に、理解に似た境地に至ったのではないか。
影から見つめる、若冲の妹・志乃の視点だが、兄に寄り添い、弁蔵を慕い、「見届ける者」として確かな存在感がある。
若冲を失った弁蔵の慟哭は悲しいが、二人の絵師の長い愛憎を浄化させるものだったかもしれない。
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