プロフィール
- 作者名:吉村昭(ヨシムラアキラ)
- 性別:男性
- 生年月日:1927年05月01日
- 出身地:日本 / 東京都
- 職業:作家
私立東京開成中学校卒。1958年『密会』でデビュー。『星への旅』で第2回太宰治賞、『深海の使者』により第34回文藝春秋読者賞を受賞。『ポーツマスの旗』、『最後の仇討』などがTVドラマ化された。その他作品に『戦艦武蔵』、『ふぉん・しいほるとの娘』、『破獄』などがある。
値引き作品
作品一覧
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-1巻1,400円 (税込)数多の証言者たちを訪ねて描いた、太平洋戦争の真実 太平洋戦争では、様々な極限のドラマが生まれた。その中から、山本五十六の戦死にからむ秘話などを証言者を得て追究した戦争の真実。 ※この電子書籍は1995年8月に文藝春秋より刊行された旧版文庫を底本とし、新田次郎氏との対談を特別収録したものです。
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-1巻850円 (税込)徹底した取材から浮かび上がる「事実」の重み――必読の七短篇 昭和19年、巡洋艦「阿武隈」の帰還兵・成瀬時夫が、小樽郊外の山のなかで「飢餓ニ因ル心臓衰弱」で死んだ。 市役所を退職し、いまは北海道の民衆史研究会で活動をする橋爪は、自らの過去の経験から、成瀬は“逃亡”したのではないか、と直感。 遺族を探し、調査をするようになる――。 長篇小説『逃亡』と合わせ鏡のようになっている表題作をはじめ、大阪の篤志面接委員から聞いた話をもとにした「鋏」、ある寺の墓石をつくる石材店主がもらしたことがきっかけとなった「白足袋」、能登の岩海苔採りの遭難を報じた新聞記事がヒントになった「霰ふる」など、全7篇。 不可解な謎を秘めた人の生の、奇妙な一面を見事にすくい上げ、徹底した取材と想像力により文学作品に結実した短篇集。待望の新装版。 文庫解説:梯久美子(ノンフィクション作家) ※この電子書籍は1988年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.9日米の青年が見た「鎖国から開国へ」 ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドは、ボートで北海道の利尻島に単身上陸し、アイヌたちに発見される。不法入国者として長崎に収容されたマクドナルドから、若き長崎通詞・森山栄之助は活きた英語を学ぶ。オランダ語には通じていても英語を習得する者の少なかった通詞のなかにあって、森山はペリー一行の首席通詞を務めるなど、開国を迫る諸外国との交渉のほぼ全てに関わっていく。日本とアメリカ、森山とマクドナルド、鎖国と開国、交錯する運命は時代に翻弄されてゆく――。 彼らの交流を通し、開国に至る幕末期の日本の意外な史実が描かれた、傑作歴史長篇小説。 解説・曾根博義 ※この電子書籍は、2004年12月に刊行された文春文庫版を底本にしています。
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4.11巻680円 (税込)戦争に圧しつぶされた人間の苦悩を描いた傑作 戦時下の緊迫した海軍航空隊で、若き整備兵が背負った過酷な運命とは? 軍用飛行機をバラせ……その男の言葉に若い整備兵は青ざめた。昭和19年、戦況の悪化にともない、切迫した空気の張りつめる霞ヶ浦海軍航空隊で、苛酷な日々を送る彼は、見知らぬ男の好意を受け入れたばかりに、飛行機を爆破して脱走するという運命を背負う。初期の力作長篇が待望の再登場。 解説・杉山隆男
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3.81巻719円 (税込)歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。 明治二年三月二十五日の夜明け。 宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を 旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。 箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。 奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。 一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。 後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。 薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。 解説・森 史朗
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4.614歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
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4.21巻652円 (税込)太平洋戦争時、日本領土内で起こった劇的な出来事を発掘! 当事者に綿密な取材を行って書き上げられた衝撃の戦史小説 北海道の海辺の寒村に次々と流れ着く死体の群れ。沖合で潜水艦に撃沈された輸送船では、上陸用舟艇に載れたのは将校ばかりだった(「海の棺」) ソ連軍の侵攻にさらされた樺太の炭鉱町で、看護婦たちが集団自決を図った。記者の取材に生き残った元看護婦たちは固く口を閉ざすが……(「手首の記憶」)。 昭和20年8月22日。戦争は終わったはずの北の海で、ソ連籍と思しき潜水艦の攻撃で沈没した「小笠原丸」の悲劇(「烏の浜」)。 沖縄戦で軍司令部の散発要員として軍に帯同した理髪師が見た、軍司令官自決の真実(「剃刀」)。 訓練中に不幸な事故で沈没した潜水艦・伊三十三。9年の歳月を経て引き上げられた艦内の一室からは、生けるが如き13名の遺体が発見された(「総員起シ」)。 全5篇を収録。
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3.81巻723円 (税込)インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行! 第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説 太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。 マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。 伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。 「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。 解説・半藤一利
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4.3戦前の東京の暮らしを回想した珠玉エッセイが復刊。 東京・日暮里で生まれ育った作家・吉村昭が、食べ物、風物、戦災など思い出を鮮やかに綴った。 「日暮里を下町と言うべきかどうか。江戸時代の下町とは、城下町である江戸町の別称で、むろん日暮里はその地域外にある。いわば、江戸町の郊外の在方であり、今流の言葉で言えば場末ということになる」 「私が日暮里で生れ育ったことを知っている編集者から、少年時代の生活を書くように、と何度もすすめられた。が、私は、まだそんな年齢ではなく、それに下町の要素が濃いとは言え、御郭外の日暮里を下町として書くのも気がひけて、そのたびに断ってきた。 しかし、私も五十代の半ばをすぎ、戦前なら故老の末席に入ろうともいう年齢になったことを考え、思い切って筆をとることにしたのである」
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4.11巻896円 (税込)丹那トンネルは大正7(1918)年に着工されたが、完成までになんと16年もの歳月を要した。けわしい断層地帯を横切るために、土塊の崩落、凄まじい湧水などに阻まれ多くの人命を失い、環境を著しく損うという当初の予定をはるかに上まわる難工事となった。人間と土や水との熱く長い闘いを描いた力作長篇小説。
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4.41巻495円 (税込)物干台で凧を揚げていて、東京初空襲の米軍機に遭遇した話。戦中にも通っていた寄席や映画館や劇場。一人旅をする中学生の便宜をはかってくれる駅長の優しさ。墓地で束の間、情を交わす男女のせつなさ。少年の目に映った戦時下東京の庶民生活をいきいきと綴る。抑制の効いた文章の行間から、その時代を生きた人びとの息づかいが、ヒシヒシと伝わってくる。六十年の時を超えて鮮やかに蘇る、戦中戦後の熱い記憶。
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4.01巻715円 (税込)「解剖」「スキー」「石鹸」「洋食」「アイスクリーム」「傘」「国旗」「幼稚園」「マッチ」「電話」「蚊帳・蚊取り線香」「胃カメラ」「万年筆」の十三編のはじまりの物語。そのひとつひとつに歴史があり、人の営みがある。江戸から明治にかけて、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。三十年以上歴史小説を書きつづけてきた著者が豊富な史料を駆使して書いた新鮮な驚きが溢れる物語。
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4.01巻935円 (税込)医療だったのか、殺人だったのか――深い疑惑につつまれる「和田心臓移植事件」の全貌。札幌を基点とし、南アフリカ、アメリカでの綿密な取材を背景に、犀利な作家の眼によって「事件」を克明に描きつつ、医師のモラルを告発し、人間性の所在を証言する迫真のドキュメント。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
今から110年前北海道の山村でおきた日本史上最悪の熊害とも呼ばれる三毛別羆事件を題材にとった、ほぼほぼドキュメンタリーといって差し支えない緻密な取材に基づいて書かれた小説。度重なる水害から故郷を捨て北海道への入植を決意した東北の一村落が、苦心しながら荒地を開墾しようやく収穫を得られるようになったら今度はイナゴの襲来を受けすべてを失い、より山奥の未開の地に辿りつく。六線沢と呼ばれたここでも苦難の末やっとささやかな日々の暮らしを手に入れることができたのだが、数年たったある冬に冬眠しそこなった身の丈約3メートル体重約300キロの巨大羆の襲撃を受け7人が殺害(うち1名は胎児)され3人が重傷を受けてしま