深海の使者

深海の使者

723円 (税込)

3pt

インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行!
第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説

太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。

マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。
伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。

「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。

解説・半藤一利

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

深海の使者 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ドイツまでの3万キロを潜水艦で往来していたという事実に驚きました。片道2ヶ月以上、いつ敵に襲われるかわからない状態で、しかも狭い艦内で過ごす精神力。昔の軍人さん達はこのような過酷な状況下でも命懸けでお国のために任務を果たす姿に胸を締めつけられました。
    また、読者にその時の状況を思い描くことができるほ

    0
    2023年12月30日

    Posted by ブクログ

    どうしてこんなにも細かな記述ができたのだろうと思いつつ読んでいたのだが、巻末の半藤一利氏による解説を読んで納得した。作者は、何より当事者の証言を丹念に取材することを第一にして記述に取り組んだということである。
    それは、長期間の潜航による艦内の様子など、まるで映画を見ているかのような、迫真の表現となっ

    0
    2021年10月16日

    Posted by ブクログ

    「消耗」そんな言葉がずっと頭の中で反芻する。
    日本人は1%の希望にかけるというが、本当に…。もし今後、これらの財産があったなら、もう敗けるのは当然だったのに…なんて「もしも」はないんだけれど。考えるのをやめられないくらい、息の詰まる本だった。

    0
    2016年05月14日

    Posted by ブクログ

    第1次訪独潜水艦として、数々の困難の乗り越え、復路の終盤に自国の勢力圏内に寄港するも、触雷して沈没した伊号第三十潜水艦。無償譲渡されるUボートの引き取り搭乗員を送り、唯一無事帰国した伊8潜。ドイツから譲渡され、帰航路途上で消息不明となった呂号第五百一潜。ペナンに向かう航路で、英潜に撃沈された伊34潜

    0
    2025年10月22日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争開戦直後に、帝国海軍はインド洋にて様々な軍事作戦行動を敢行したようです(コロンボ空襲、マダガスカル島攻撃、インド洋での通商破壊作戦等)。その中の一隻(潜水艦)が、インド洋から喜望峰を廻り(悪魔の南緯40度を超え)、大西洋に出てドイツ軍の軍港を目指し、無事に到達をしたという。帰りも英軍等の追

    0
    2024年12月26日

    Posted by ブクログ

    潜水艦の事は知らなかった。
    2ヶ月以上艦内に篭ったまま作戦を続けるなど 
    敵がいて危険な時は艦内の酸素が無くなるギリギリ
    まで潜るなど大変な苦労だと思った。
    無謀と思われる作戦も潜水艦の場合は
    亡くなっていく兵隊は逃げ場が無く全滅、
    今も戦争はあるが悲しい事です。

    0
    2024年08月11日

    Posted by ブクログ

    いつもながら著者の綿密な調査と淡々特にした筆致に、戦争体験者の執念と気迫を感じる。深海に没した潜水艦乗組員の過酷且つ惨憺たる状況を、活字を追いながら想像し艦員の心情に思いを馳せた。ドイツとの密なる関係も、歴史の小片だったが本書により実感を伴うものに上書きされた。日本国のために死力を尽くした英霊に心よ

    0
    2020年12月28日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争末期、同盟国ドイツとの物理的な交流は潜水艦での往来しか手段がなくなっていた。片道2ヶ月を要する航海の苦悩を描いた小説。
    氏の小説は過度な脚色はなく、史実にのめり込めるのが良い。

    0
    2020年01月04日

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦中、同盟国であるドイツとの通商が断絶されたため、長距離航空機や潜水艦によって命掛けの連絡を試みる作戦。
    戦局挽回のためにはお互いの資源、技術が必要だが、成功率はかなり低い…。
    潜水艦乗りの想像を絶する苦闘と、成功した時の安堵感が伝わる

    0
    2015年06月20日

    Posted by ブクログ

    再読。
    第二次大戦の、まさに知られざる裏側。
    潜水艦の往き来とヨーロッパに残された日本人。
    そして、海に空にと何とかして確保しようとした交通路。
    その緻密な取材はこの作者ならではである。
    ただ、登場人物の名前が多すぎるなぁ…

    0
    2014年09月10日

深海の使者 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 歴史・時代

歴史・時代 ランキング

吉村昭 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す