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インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行!
第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説
太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。
マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。
伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。
「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。
解説・半藤一利
Posted by ブクログ 2023年12月30日
ドイツまでの3万キロを潜水艦で往来していたという事実に驚きました。片道2ヶ月以上、いつ敵に襲われるかわからない状態で、しかも狭い艦内で過ごす精神力。昔の軍人さん達はこのような過酷な状況下でも命懸けでお国のために任務を果たす姿に胸を締めつけられました。
また、読者にその時の状況を思い描くことができるほ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月16日
どうしてこんなにも細かな記述ができたのだろうと思いつつ読んでいたのだが、巻末の半藤一利氏による解説を読んで納得した。作者は、何より当事者の証言を丹念に取材することを第一にして記述に取り組んだということである。
それは、長期間の潜航による艦内の様子など、まるで映画を見ているかのような、迫真の表現となっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年12月28日
いつもながら著者の綿密な調査と淡々特にした筆致に、戦争体験者の執念と気迫を感じる。深海に没した潜水艦乗組員の過酷且つ惨憺たる状況を、活字を追いながら想像し艦員の心情に思いを馳せた。ドイツとの密なる関係も、歴史の小片だったが本書により実感を伴うものに上書きされた。日本国のために死力を尽くした英霊に心よ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月20日
第二次世界大戦の際、日本とドイツ占領地区を往復した(或いは、往復しようとした)日本海軍の潜水艦の話。
最終的に往復に成功したのは、2艦。その他は、途中で撃沈されたり、事故によって失われたりしている。
制海権を失った下で、アジアからヨーロッパに行くのは何とも過酷。片道約二ヶ月ほどにもなり、その間、...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月21日
太平洋戦争の戦前、戦中に、同盟国であったドイツに派遣された多数の潜水艦について書かれた作品。
こういった事実があったということを今まで全く知らなかったので、興味を持って読むことができた。
ただ、多数の潜水艦が登場しても、潜水艦内部での苦闘などに大差があるわけではないので、この記述はさっきもでてきたな...続きを読む
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