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Posted by ブクログ
淡々とした筆致で、日本史の暗部を描いたノンフィクションに近い小説。
細菌兵器。
命を大切にするという常識的な道徳・倫理感よりも、資源のない日本のために、細菌兵器という科学技術開発に、心血を注いだ天才的な医学者の戦争参加。
日本的な、あまりに日本的な組織の動き方に慄然とした。
細菌兵器の開発から人体実験、そして、敗戦近くになると、証拠隠滅。
関東軍防疫給水部の創設から解散、そして、戦後の関係者の様子までを見事に描いている。
関係する資料などは、関東軍などにより、「徹底的に」破壊・消滅したため、「証拠」はほとんどないが、吉村氏の入念な取材により、ここまで細部まで描くことができたのだろう。
今の若い人のほとんどは、この歴史を知らないのではないだろうか。
読み継がれるべき作品だと思う。
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