月夜の記憶

月夜の記憶

1,562円 (税込)

7pt

5.0

人間の根柢へ、文学の原理へ、深まりゆく作家精神の軌跡!
死を賭して受けた胸部手術、病室から見た月、隣室の線香の匂い、そして人間の業……。終戦からほどない、21歳の夏の一夜を描いた表題作をはじめ、人間の生と死を見据え、事実に肉迫する吉村昭の文学の原点を鮮やかに示す随筆集。自らの戦争体験、肉親の死、文学修業時代と愛する文学作品、旅と酒について、そして家族のことなど、ときに厳しく、ときにユーモラスに綴る。

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月夜の記憶 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年03月29日

    著者初の随筆集『二つの精神的季節』を改題したもの。日清日露戦争を経験した人々にとって、戦争の終りとは勝利を意味していた。
    だから先の大戦時、銃後の国内は連日長く続くお祭りのような日々だったという。
    それが敗戦によって転換する。
    何より変わったのは、人の意識だった。それまで戦争をきらびやかな光として考...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2011年10月23日

    大変面白く、興味深い随筆でした。
    この随筆集は5つに分かれています。巻末の秋山駿氏の解説によると、「一章が人間の原型などを探る原理編、二章がその視線を歴史に投げての実験編、三章が戦争と敗戦、日本のことを考える編、四章が歩道橋など社会問題編、五章が日常の中の自分、いわば私小説編である」そう。
    これを読...続きを読む

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